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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第十四部 第一話 その少女が求めるものを僕らは知らない
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その亀の硬さを皆は知りたくなかった

「用意はいいですか!」


「いけます!」


「こちらも!」


 リエラの言葉にツバメとメリエが答える。

 皆既に配置につき、いつでも闘える状態だ。

 とりあえず僕はレーニャの横で見学です。直ぐ横にはレーニャから離れた地面でガンバレーと声援を送るネズミミック。そしてアルセが危ないからここにいてね。と置かれたチューチュートレインたち。皆盛大に回って応援しています。

 見学組、殆ど鼠じゃないか。


「イツデモコイ」


「では、行きます! ステータスハイブースト、音速突破、幻影斬華」


 相手が相手だけにリエラが飛ばしてます。

 先陣を切るリエラに続くように、ルクルが皿を投げ飛ばし、テッテが拳を突き出し離れた場所から近接攻撃。

 コータとマクレイナが別方向から左右に走る。


「ブルーフレア!」


 ユイアの魔法が発動し、遅れてツバメがお札に文字を書きつけ、それを投げる。


「動きを鈍らせます。今のうちに総攻撃を!」


「ナイスですツバメさん。ギリアム、行こうか!」


「言われるまでも無い。貴方には負けないさアンサー!」


 ギリアムとアンサーが武器を引き抜き駆けだした。

 その二人を追い抜き、一人の女がタングスタートルに突撃する。


「あははははははははッ。ぶっ壊れろやぁ!!!」


 メイリャが鬼気迫る顔でフレイル振り回しながら連撃。

 首元に辿り着いたリエラが幻と共に幻影斬華を叩き込む。


「おじゃるでござるのじゃー!」


「にん!」


「にゃー!!」


 のじゃ姫がワンバーカイザーの上で殿中でござるたちを呼び出し、落ちこぼれニンニンが飛び上がりばさりとムササビの術。そこに飛び付いたにゃんだー探険隊が落ちこぼれニンニンと共にタングスタートルの甲羅の上へと辿り着く。

 あいつは何がしたいんだ?


 ジョナサンが腰振りダンスを行いアルセがその横でネギ持って踊りだす。アルセ、それってズンドコダンスかな?

 バルスが背後に辿り着いたようで、一緒に辿りついていたメリエと共に近接攻撃。ガキィとバルスの剣が弾かれ、メリエの鞭が全く効果を出していない。


「硬い!?」


 そればかりか、リエラの攻撃ですら傷付いてないようだ。

 ちょっと、待とう。リエラの剣、アルセ神ソードだよな?

 思わず眼をこすってリエラの剣を見る。うん、アルセソードではなくさらに透き通った緑色だしアルセ神ソードで合ってる。


「シェ・ズルガ!」


「水神木板斬り!」


「まっほぅ」


 ハイネスの魔法、セネカのオール術、マホウドリの連続風魔法。その全てを受けてもダメージを喰らっているように見えないタングスタートル。いくらなんでも硬過ぎる。

 というか、魔法反射するんじゃなかったっけ?


「魔法反射とか言っておりましたな」


 至高帝もそれに気付いたようで近くに居た兼重に尋ねる。


「おそらく発動させてもいないのでしょう。追い詰めるまでは使う気もないようです」


 舐めプですか!?

 まさかのアルセ姫護衛騎士団相手に舐めプレイしてますか!? なんだこれチート過ぎるだろ四聖獣。


「そこですセキトリ様!」


「召喚、マターラ!」


「この巨体であれば避けられまい。反射すらせぬこと、悔いるがいい!! 原初之焔テォトル・フレア


 ルグスが強大な魔法を唱えタングスタートルへと打ち放つ。

 真下から燃え広がった炎に焼かれ、初めて悲鳴を上げるタングスタートル。

 その甲羅の上であっちあっちとダンスを踊る落ちこぼれニンニン。

 にゃんだー探険隊は彼の身体に纏わりついて熱く熱せられ始めた甲羅から退避している。

 ぼわんっと煙玉を使って影からニンニン再びムササビの術。


 炎が強過ぎムササビに使っていた布に着火。

 悲鳴上げながら僕からは見えない位置へと落下していった。

 あいつら大丈夫かな。


 そして炎が鎮まった先にまだまだ健在のタングスタートル。湯気をあげながらルグスに視線を向ける。

 一番危険な敵をルグスと認識したらしい。

 カパリ、口を開くタングスタートル。その口元に光が集まる。


「ルグスさん逃げ……」


 クルルカが叫ぶより早く、タングスタートルの口から光が溢れだす。

 その刹那、カァッとタングスタートルの腹側から光が溢れた。

 驚くタングスタートルが空へと舞い上がる。

 マターラの中性子爆発が彼の真下で放たれたらしい。


 衝撃波が僕等の頬を弄る。

 空へと吹っ飛んだタングスタートルは放物線を描いて甲羅から地面に落下。

 ぐわんぐわんと揺れるタングスタートルが手足をジタバタとさせ始まる。


「うっし、妖精の輪ガリートラップ


 アニアの魔法がタングスタートルの首を締めあげる。しかし、即座に打ち払われた。


「雷鳥瞬獄殺」


 リエラが必殺の一撃を叩き込む、否、叩き込もうとした瞬間だった。

 タングスタートルは両手足、尻尾、頭を甲羅に引っ込める。

 六つの穴から光が溢れだす。


「っ! ぜ、全員散開! 死なないで!」


 いち早く気付いたリエラが叫ぶ。

 その刹那、リエラを体当たりでふっ飛ばし、火花を迸らせ回転を始めたタングスタートルが不規則な移動をしながら地面を爆走し始めた。

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