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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第十四部 第一話 その少女が求めるものを僕らは知らない
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その裏技を出題者は知らなかった

 第三問、パンはパンでも食べられないパンは?

 そんなもの、沢山あるだろ。フライパンにカビの生えたパンに短パンに鉄板に砂掛けパパン。

 とりあえず素通り。


 第四問、さとる君は秒速60000kmで歩きます。100m先のお店には何時間後に辿りつけるでしょう?

 問題おかしいよね? というかさとる君がバケモノ過ぎて驚きだよ。時間で答えろとか絶対のじゃ姫たち解けないからな。

 あー、多分アレか。絆の試験って奴だし名前持ちの所にいちいち戻って皆で相談して攻略して行けとかそんなかな?


 第五問、なわとびではやぶさを100回成功させよ。

 問題じゃなくてチャレンジになってるし、ここの出題者絶対頭おかしいだろ。

 グーレイさんの作った問題じゃないぞこれ、悪意と間抜けさを感じる。駄目なタイプの神様だ。

 おそらく駄女神様だろう。第六問とか私が笑える一芸披露してほしいにゃぁとか書かれてるし。


 第七問は……今何問目? うわー、なんかもう考えるの放棄したような問題でてきたぞ。

 絶対飽きてるだろこれ作った奴。

 ほい、突破~。八問目って、長いな。どんだけあるんだ問題。しかも最初の問題の答えはなんだ? とか絶対手抜きだろ。


 第九問目、最後の問題の答えは?

 答えは、知るかっ。だ。

 絶対に通す気の無い問題を素通りして第十問目に辿りつく。そこには、最終問題、全知全能この問題達を作った神様は誰?

 駄女神様。はい、終了。


 最後の問題だけ適当に答えながら門を潜る。

 ボタンがあったのでぽちっと押してみる。多分今まで邪魔していた門が全て開通したはずだ。

 そして通路の先には次の試練……試練……ないな。

 ボス部屋ですと自己主張している扉がわざわざ設置された場所をそーっと覗くと、岩でできた亀っぽい生物が自動で開いた扉を睥睨してくる。

 しかし、誰もいないので小首を傾げていらっしゃった。


 うん。アレだね。問題まで考えたはいいけど駄女神だっただけに飽きて他の試練考えなかったんだ。そしてボス部屋に直通、と。

 グーレイさん、これ報告案件じゃないかな? そっちで駄女神叱ってやってください。

 しばらく僕が待っていると、マホウドリに乗ったアルセを筆頭に、皆が歩いてやって来た。


「おーっ」


 ありがとーっと告げるアルセが目の前にやってくる。

 うん、やっぱりアルセ。僕の居る場所理解してるよね? バグソナースキルとか無かったと思うけど、神様候補だからかな?


「やっぱり、至高帝さんたちが戸惑ってたからもしかしたらと思ったら、透明人間さんが解除したんですね」


「流石ですバグさん」


 リエラとテッテに褒められて思わず照れる。


「でも、あまり無茶はしないでくださいよ?」


「バグは使っちゃ、めっです」


 ついでに窘められて頬を掻くしかなくなる僕でした。


「リエラさん、どうやらこの先にタングスタートルがいるようですね」


 ツバメの言葉にリエラが表情を引き締める。


「みたい、ですね。皆さん、タングスタートルに挑みます、会話を試みてはみますが相手が意思疎通かどうかわかりませんから、戦闘態勢だけは作っておいてください」


 では、行きます。とリエラが扉を開く。

 皆の盾となるように、率先して向かうリーダー。

 なんだろう、リエラ、逞しくなった? リエラが先頭にいるだけで皆やる気漲らせてるぞ。


「来タカ」


「にぎゃぁ!? 喋った!?」


 そして感心した瞬間驚くリエラに失望、というか、ああやっぱりリエラだなぁと納得してしまう。

 僕らの目の前に出現したタングスタートル。岩のようだが、色は全身が黒い。なんというか、メタリックタートル? 黒光りはしてないからメタリックではないか。ごつごつとした黒い鉱石が亀型に集まったような身体の巨大亀だ。僕らが思わず見上げているのに相手と視線すら合わない。


 向こうが睥睨する形になるのは仕方ないことで、黒い亀はのっそりと立ち上がった。

 少しだけ近づき、その場で寝そべり首を降ろして来る。

 ゴクリ。誰かが喉を鳴らす。

 緊張するパーティーメンバーを一度だけ背中越しに意識して、リエラが歩み寄る。


「初めまして、四聖獣のお一人とお見受けします」


「南ノ守護者ダ。理由ハ知ッテイル。マズハ実力ヲ示セ。用意ガ出来レバ構エヨ」


 お話の前に闘いだ。それ脳筋のお言葉ではないですかね?

 タングスタートルの言葉を受け、リエラは背後を振り向く。


「どうやらやるしかないみたいです、戦闘に参加しない方はいらっしゃいますか?」


 当然、そんな奴は居な……先生っ、レーニャ君が寝てますっ!

 こんなときでも入口横に陣取り昼寝を始めたアフロ猫、口から出て来たネズミミックが何で寝るんだよ、起きろーっとぺしぺし叩いてるが、レーニャには全く効果を発揮していなかった。

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