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その彼の名を誰も知らない  作者: 龍華ぷろじぇくと
第四話 その真なる王の出現を僕は知りたくなかった
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その女の危機を彼は知りたくなかった

「グルルルルル」


 無数のアホ毛ブラックコボルトたちが彼女の後から現れた。

 驚くアルセ姫護衛騎士団のメンバーに、アマンダはクスリと笑う。


「どうしました皆さん? なぜ、そんな戦々恐々とした顔でいるのでしょう?」


 入口をアマンダに塞がれ、無数のアホ毛生物。

 僕らはロリコーン紳士たちとの戦闘でボロボロだ。

 満身創痍のメンバーを相手に、アマンダはゆっくりと近づいて来る。


「なんで……アホ毛ブラックコボルトの群れが?」


「言ってませんでしたっけ? 私……テイマーなんですよ」


 ニタリ、不気味に微笑むアマンダに、なぜか不穏な気配が宿る。


「そ、そう。じゃあ、そのコボルトたち、引かせてくれる? 洞窟から出たいのよ」


「あら? それはダメですアカネさん。だって、私のメガイスちゃんの仇討ちがまだだもの」


 ゾクリ、背筋を襲う得体のしれない感覚を覚えた瞬間だった。アマンダが指先をリエラ達へと向ける。


「蹂躙しなさい。本当は太陽の絆からを予定してたけど、アルセ姫護衛騎士団から、消えて貰うわっ」


 アホ毛ブラックコボルトの群れが走りだす。

 悪態付いてアカネが武器を構え、リエラが構えを取る。それより早く……


「悪魔のカードが出ていたのでそう来ると思ってました! トラップ発動法王の罠」


 刹那、走り出して来ていたブラックコボルトたちの足元に放電が走る。

 丁度彼らの群れが全て入る位置に設置されていたらしい罠が彼らの足を奪い去る。


「バルスさん、アンサーさん!」


「喜んで!」

「お任せを!」


 走るバルスが近くにいたアホ毛を十数体一気に刈り取る。

 その切り取られたアホ毛にアンサーの一撃。

 次の瞬間アホ毛ブラックコボルトの群れ全てがアホ毛を切り裂かれ息絶えた。


「なっ!? 一撃で!?」


「馬脚を現したわねアマンダ! 残念よ」


「くっ。まだよ! これが奥の手って訳じゃないわ! さっきロリコーン紳士が沢山いたから、これでどう!」


 次に召喚されたのはロリコーン紳士。先程王の命令から解放されたのに、今度はアマンダに操られてるのか、可哀想に。


「メガイスちゃんは賞金首にされたわ。そして、ソレを討ち取ったのが赤き太陽の絆、グラスホッパーズ、戦乙女の花園、そしてアルセ姫護衛騎士団のクラン同盟。あまりに有名な人たちだから愕然としたわ。でも、でも許せなかったのよっ。せめて、一矢報いなきゃ、メガイスちゃんがあまりに報われないじゃないっ」


 まぁ、確かににっちゃんの一撃で呆気なく死んだしなぁ。報われないっちゃ報われないよね。

 でも被害が出る前に討伐できたのはよかったと思います。


「のじゃ姫もそこのロリコーンもアルセだって私がテイムしてあげる! そして他の有名クランを潰してやるんだからっ! だから……」


 アルセをテイム?


「ちょ、待ってアマンダ、今のはダメよ! 訂正しなさい!」


 即座に気付いたアカネが叫ぶ。

 しかしアマンダが分かる訳がなかった。


「訂正って何がよ! 私は……っ?」


 思わずアカネは額に手を当て天を仰ぐ。

 リエラもそれに気付いてやっちゃったんですね。と可哀想なモノを見る目をして構えを解いた。

 テッテもバルスもアンサーも唯野さんも同情心をアマンダへと向けた。


「な、何よ? なんでそんな顔を……あ。な、なに、何コレ? どうなって……」


 本来はロリコーン皇帝が暴走した時に使ってやろうと思っていたバグを、思い切り打ち込んでしまった。

 やった後ではっと我に返ったけど、アルセをテイムとか聞かされたからついカッとなってやってしまったようだ。あ、うん。後悔はしてないよ。してないけど、ちょっと強過ぎたかも?


アマンダ・岩感

 種族:自立野菜 クラス:魔法使い・魔物使役され者

  自立野菜:自らの意思で歩き出した野菜。食べれます。

  魔法使い:30年童貞を貫いた者だけがなれると言われる存在。

  魔物使役され者:魔物に使役される存在

 装備:大詐術師の衣、契約切れの指輪、屁扱石のイヤリング、蛙の油杖

 スキル:

  集目:衆目を集めることが出来る。目立ちたい方へのスキル。

  芳香:気合いを入れる事で良い匂いを尻から放ちます。

  モンストアッパー:使役されている魔物のステータスを上昇させます。

  鼻フック:鼻フックを放ちます。

  モンスターにテイム:自分を使役してくれる魔物を勧誘します。

 常時スキル:

  Reゴブリン:ゴブリンに大人気。

  鍋こそ我が人生:鍋物を食べることでHP・MP・TPが全回復。

  電磁バリア:電力力場を形成し、おぽNuえあ。

  地中移動可:地中で生息できます。

 種族スキル:

  冬眠:食料を蓄え冬眠します。

  鰓呼吸:水中での活動を可能にする代わりに陸上生活ができなくなる。

  食材取得率Up:解体することで相手から食材を得やすくなります。

  金糞:排泄物も全てお金に変える価値があります。


 い、いろんな意味でアウトだっ。


「か……ぁ? い、息が、息ができな……」


「おー?」


 突然倒れるアマンダ。アルセがマリンウォーターで海水を放出すると、何故かアマンダの呼吸が安定し始めた。

 うん、これ鰓呼吸のバグが原因だ。

 アマンダは水生生物に進化した!

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