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残酷な天使のテーゼ/新世紀エヴァンゲリオンOP

続・イタリア紀行(残酷な天使のテーゼ/新世紀エヴァンゲリオンOP)


 故郷は遠きにありて思うもの、そして悲しく歌うもの、2014年度の東大院試、美術芸術学の専門の問題にでた、naiv/sentimentalはまさにこの情感を歌っている。散りて峰頭に上りて故郷を望み、郷里のにおほいを運ぶ風を春眠のさなかの寝室に招き入れる。南から来北上するゼフィロスに、実家の庭先にある桜の蕾がいくほど咲いたか訊ねる。


朝露に 花をつけしや 未だしや


 函谷関を出れば看るところなく白骨が平原を覆う、かのような時代でもない。あるか、今もなお太陽系を超えて旅するボイジャーのように孤独に宇宙を漂流し続ける宇宙飛行士の亡骸。初めに宇宙に行った生物は犬だというが、その犬は今いずこ。歩けば棒でなく小惑星にあたったかしらん。mixiは滅び、ツイッターやフェースブックが全盛、若者はLINEやスナップチャットに移行する。LINEは出会い系やjk、jc、jsのウリの場となったから年齢認証制度が出来て使い勝手が悪くなった。いけいけどんどんな所得倍増の時代やバブリーは混沌に満ちたエネルギーというものがある。大雑把にドガっと一気呵成にやってしまえば、鬼神もこれを避く。裂けるチーズである。切れてるチーズである。


 文化人類学的神経美学的にはロリコンは極めて正常。ロリコン、あたかも異常な性癖として認知されるに至ったがナボコフに由来し、そもそも初潮迎えれば勝四郎と志乃になるは摂理。一葉の文体を真似てみる。生物学的には既に大人、身体は子ども、頭脳は大人、逆名探偵コナン!コフィー・アナンであるからして、セックスをしても何ら咎められることはない。否、せねばならぬのだ。それを超高齢化社会が縛るから話がこんがらがる。肉土手から赤い実がはじけて、その果汁が滴れば、あたかも、こどものじかん13巻の校長先生の手に付いた粘液が涌いずるが、即座に生殖をするに無問題。人類の身体の進化を制度が超えてしまったわけである。童顔で豊満なボディは古今東西で性的に好まれる。ホモサピエンス・サピエンスの頃に自然選択的に形作られた心のモジュールがそんなちょっとやそっとのたかだか文字を持った5、6千年で変わるわけがない。ロリコンは自然的なことである。だが、陥ってならないのは自然だから正しいのだ!と主張することである。であるからベキだは導けないのは言うに及ばない。男はみなレイプするのが自然なことだからといってレイプが正しいことはならないし、女性が家庭に閉じ込められる理由にもならない。何が善で、何が悪か、何が正しくて、何が偽りか、それはぼくたちのハードではなくて、文化といったソフトだけでもなく、ソフトとハード両面かが規定するのだ。自らを取り巻く環境、とりわけ、聖書と仏典とコーランが今のぼくたちの生活の大半の倫理の0ポイントになっているのはどうやら間違いなさそうだ。


 アサンジュやジャック・ドーシー、イーロン・ムスクが世界を変える中、まだ我らの身体はノロノロのウィンドウズ95にすらなっていない。身体はまだパスカルの歯車式計算機だ。ジャレド・ダイヤモンドの“大躍進”はマオ・ツー・トンの“大躍進”以上に“大躍進”であった。人は腐食を食べ、捕食され、狩猟仮説のもとでマキャベリ的知性を獲得した。火を用いて、発達した顎の身体構造と接種するエネルギー効率の向上は人を人たらしめ、土器を、衣服を、絵画を“発明”し、エヴァンゲリオンとサリンを造った。

 人間は行住坐臥芸術家であると同時にネットに接続している。フェースブックやツイッターは同窓会のタウマゼインを拭い去って久しい。進化したドキュンはスマホを持った猿であり、反省の出来る峯岸みなみ以上に反省のできる猿になったかどうか、バカッターは今も健在だ。バカッターしたぐらい多めにみてやればいい。昔はざらにこんな悪さ自慢はあったはずだ。ただそれが見える貸しただけに過ぎないのに、文明は啓蒙しすぎるあまり、陰を消し去るつもりらしい。そうなっては流出説もおしまいだ。2000年経てば神も消える。てゆーか、逆に〜、高齢者はネットを使わない。だから、その驚きを味わえる。だがネット・ネイティブは、太陽系を出れば看るところなく、君が万里のLINEを開く。イオンエンジンが光速の70%での宇宙航行を可能にしたけれども、今後は太陽系が函谷関になるのであろう。冷凍技術は人体を手塚治虫の火の鳥化させて、一生に一度の、一期一会の出会いだけになるのかもしれない。会う前に相手のライフログを調べ、ダウンロードし、自分の記憶を書き換え、一瞬で相手を無二の親友に変えて酒を飲んで次の惑星に、マタタビだ。プラネテスはもうすぐそこである。

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