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星屑の鍛冶師  作者: タクミンP
第四章 眠らぬ歯車
41/45

41・運命は重なり、歯車はすれ違う

お久しぶりです、スランプ長いです……orz

地文が書けねぇ。ちくせう。


――外部からの命令により、全初期化オールリセットが発動されました――

――情報構築システム初期化フォーマットを開始――失敗エラー――情報構築システムの一部に書込不能領域ライトプロテクトがある為、完全な初期化フォーマットに失敗しました――

――続いて、初期設定デフォルトを開始――失敗エラー――十五回の施行トライに全て失敗エラーが発生した為、失敗エラー部分を無視して再設定を行います――

――設定終了――言語機能スペルコードなど、七十八箇所に失敗エラー継続中――起動に問題ない為、再起動工程(シークエンス)に移行します――







「動かなくなったな」

「だが、油断は出来んぞ」


 散々に暴れ尽くした赤銅の巨兵は、最初の土塗れだった時と同じこうべを垂れた姿勢で停止し、そのまま微動だにしなくなった。


「さて、どうしようか」

「どうにも出来ないでしょ。結局は、待つしかないわ。フレサ、何か解る?」


 一端にしろ事態が停止した事で、「オムニスフィア」を腰に連ねたポーチへと収納していくディーに、別に打つ手もなく必要もないと、元の姿へと戻り始めたメルセは曖昧に頭を掻く。


「え、えと……いえ、中の子からは何も感じません。急に眠ったみたいになっちゃいました」


 シロエの活躍によって止まりはしたが、どういう理由で止まっているのか知りようがない。

 なので、面々に今出来る事は巨人の監視を継続する行為だけだった。


「――つまんない、つまんない、つまんなーい!」

「え?」


 全員で一箇所に集まり、もの言わぬ巨人を見ていた全員の隣。軽く距離を離した誰も居ないはずの空間から、金切り声に近い鋭い音が唐突に発せられた。

 シロエたちは、気配さえしなかったそちらに慌てて視線を向ける。


「赤い……カラス?」


 揺らぐ空間から突如として現れたのは、橙に近い赤色の全身をした、普通のものよりもやや大振りのカラス。

 同色の瞳と、濡れたようにも見える艶やかな羽が、闇夜の中で周囲の光源に照らされる事で炎のような揺らめきを放つ。

 そのカラスを肩に乗せるのは、あちこちに縫い目が付き顔まで覆う布地の厚い白装束を着た、背の高い人型の者。

 一切肌を晒さず、性別さえも不明な長身の誰かは、袖口を繋がれ出せなくなった両腕を前に置き、無言でその場に立っていた。


「ぶーぶー。折角色々頑張ったのにさぁ、これじゃあ全然つまんないよー」


 無言で佇む白装束の肩に乗って、橙のカラスはシロエたちを見下ろし、左右の羽を忙しく動かしながらその不満を隠そうともせず言い募る。


「あぁ? 何だお前。ダリアの親戚かなんかか?」


 喋るカラスと、黙る白服。そんな二つの姿に既視感を覚えたレオが、眉を寄せながら疑問符を上げた。


「ダリアって誰よ?」

「シロエたちの知り合いで、喋る白猫だ。武芸大会の最中に、街で一度会った事がある」


 メルセの質問に、シルヴィアが簡潔に答えた。確かに、目の前の存在は黒狼の獣人とその肩で尻尾を揺らす白猫を彷彿とさせる組み合わせだ。


「あぁ、そう」

「そんなの居るの!? アンタたち、どんだけ常識捨ててんのよ!?」


 何時も通りというか、常識を外れたシロエたちの知り合いに理解を早々に諦めたメルセとは違い、未だ完全に慣れていないファムは目を見開いて素っ頓狂な声を上げる。


「ちぇー。アイツは簡単にやってたのに、ちっとも上手く行かないんだもんなー。ちょっと壊せば、勝手に暴れてくれると思ったのにー」


 対峙するカラスは、シロエたちを前に単なる独り言を続け、彼らとの対話に意義見出していない。


「手を出さず見物だけにしてよー、なんて思ってたけど……もう良いや」


 ある意味、それは当然だった。

 その存在にとって壊すも遊ぶも自由な玩具の意思など、確認する必要はないのだから。


「じゃあ、死んでよ」

『――お前がくたばれであります』


 何気ない言葉。だが、内包された明確な殺意に、シロエとファムを除く全員が動こうとしたその瞬間、横手から新手の声と共に黙していた巨人が動く。


「『魔障壁ラ・シール十連ディエス』!」

「ウンブラ!」


 ディーが最大級の障壁を張り、フレサに呼び出されたウンブラの腕たちが、球体となって周囲の仲間を包み込む。


「「はあぁっ!」」


 更にその内側に、レオとシルヴィアの生み出した風の壁が発生し、非戦闘員であるファムとシロエをメルセが庇う形で抱き寄せた。

 瞬間的に、今出来る最高の防御を構築した彼らの前で、巨人が倒した肩口の大砲から極大の閃光が噴出する。

 地を抉り、大気を焦がし、村を背に地平の彼方まで届かんばかりの勢いで走る一条の光の奔流に、現れたカラスと白装束が一瞬で飲み込まれて消失した。


「うわわっ!」

「しっかり捕まってなさい――っ!?」


 振動する大地に、目を白黒させるシロエを抱きかかえながら、メルセが終息する背後の光を見た時、彼女の背に身も凍るほどの悪寒が走る。

 直後、リィンッ、と鈴が鳴るような音が虚空に流れると同時に、大気を震わせ地面を抉る強大な衝撃波が、白装束の立っていた位置から巨人へと向かって放出された。

 消えかけていた光の帯を押し返す、カラスの起こしたたった一撃の余波。

 ディーの障壁が、ウンブラの守りが、シルヴィアとレオの風盾が――その衝撃を前にまるで意味をなさず、何もかもを声も許さずに薙ぎ払う。

 全ての防御を粉砕し、近くの家屋の数軒をまとめて吹き飛ばした衝撃波は、その後強風となって村の奥へと駆け抜けていく。

 双方の破壊の波がようやく終わった後、音が止まったその場で立っていられた者は、攻撃を行ったカラスを肩に乗せる白装束のみ。

 そして、巨人の胴体の中央には、その身を半分以上削るほどの大穴が出来上がっていた。


「あっははは! 最初からこうしておけば良かったぁ!」


 圧倒的な破壊をもたらした無傷のカラスから、喜びに満ちた甲高い哄笑が響く。


「メル……むぐっ」

「(黙って)」


 皆に守られ、無事だったシロエの口を片手で塞ぎ、うつ伏せに被さったメルセが眉をひそめて咎めの視線を送った。

 相手の口調から推測する限り、本気で撃ったとも思えない一撃でこの威力だ。今の彼らでは、唐突に現れたあのカラスに万が一にも勝ち目はない。

 高過ぎる脅威を前に、即座に抵抗を断念したメルセは、嵐が過ぎ去るのを待つべくそのままの姿勢で橙のカラスの動向に集中する。


「(ひぃー、何これ。なんなのよぉ、これぇっ)」


 恐怖に染まった顔で、必死に声を殺して震えを押さえ込むファム。

 同じくメルセに守られ、大した怪我もしていない彼女は、死んだ振りをしながら小声で盛大な泣き言を漏らした。

 重大な損傷を負いながら、それでもなお巨人が動く。


「あっはぁっ!」


 カラスの声に合わせ、鈴の音が重なる。

 肩口から吐き出される氷の砲弾は、カラスの前に張られた水の波紋に似た揺らぎの前で完全に受け止められ、お返しとして放たれる直線の衝撃波が、更に巨人の身を破砕していく。


「あ、あぁ……」

「(お願い、動かないで。でなければ、貴方の我侭で皆が死ぬ)」


 巨人に向けて、絶望の表情で手を伸ばそうとするシロエを、メルセが力で押さえ付ける。

 彼女には、シロエの気持ちが痛いほど解った。だが、それを許せば今この場に居る全員が確実に死ぬのだ。

 勇気と無謀は別物だ。勝ち目のない戦いで勝機を見出し身を投じられるほど、彼らはまだ強くなどない。


「もう終わり? それじゃあ、これでおーしまい!」


 腕も、胴も、足も――無事である部分が何一つなくなった巨人へ、宣言と共にカラスが止めの一撃を放つ。

 最初の時とは違い、幾つもの音を奏でたカラスの前で、重なり合う事で今までよりも更に強烈となった衝撃波が、圧縮された砲弾として撃ち出された。

 その圧倒的な破壊力は巨人の上半身をあっさりと粉微塵にし、奥にある全てを消し飛ばしながら、見えぬほどの彼方へと飛び去っていく。

 残されたのは、上部を失い背後に一部の部品をばら撒いた赤銅の巨人。レオたちが幾ら攻撃しようとびくともしなかった硬い巨体は、カラスの放つ攻撃によって完全に動きを止めていた。


「つまんないのー。もう良いや、飽きちゃった」


 本当につまらなそうに呟いた、カラスの周囲が揺らぐ。広がる幾つもの波紋が互いに干渉し合い、徐々に、徐々に空間そのものが歪曲していく。


「今日は気分じゃないから、次に会ったらきっと殺してあげるね。あっははははは――っ!」


 遠くに響いて行くような残響音を残し、カラスと白装束の姿は忽然と消失していた。

 まるで、最初からそんな者たちなどどこにも居なかったとでも言うかのように、その場に気配すら残されてはいない。


「いっつつつ……何だってんだよ、一体」

「皆、大丈夫?」

「何とか、な……」


 全てが過ぎ去った後、死んだ振りをしていた面々が頭を振りながら起き上がる。

 見逃されたというよりも、あのカラスの態度から見てシロエたちなど最初から眼中にはなかったらしい。

 適当に遊んで、飽きたから去った。それ以上でも以下でもなく、相手にしてみればただそれだけの話だったのだろう。


「村も滅茶苦茶じゃない……酷い」


 立ち上がったファムが、その光景を見て呆然と呟いた。

 あのカラスから破壊の限りを撒き散らされた村は、殆どの建物が倒壊した悲惨な有り様だ。元の状態に建て直すだけでも、相当な時間と金額が発生するだろう。

 そして、胴体を分断された巨人もまた、どうしようもないほどに無残な姿を晒している。


「う、うぅ……」


 何も出来なかった無力感に苛まれながら、シロエが瞳に涙を湛えて残された巨人の脚部に縋り付く。

 訳も解らず、ただ暴虐によって奪われ取り残された彼に出来る事など、それだけしかなかった。


『ジジッ――契約者マスター登録ヲ行ッテ下サイ』

「っ!?」


 全員が悲しみに沈む中、唐突に聞こえて来た声の場所は、吹き飛ばされて転がった巨人の頭部からだった。

 メルセの一撃によって、天井部分を歪ませた頭からしきりに声が流れる。


『本機体ハ、初期化フォーマットヲ行ッタ為上位権限者ガ設定サレテオリマセン――契約者マスター登録ヲ行イ、本機体ヘノ登録ヲ完了シテ下サイ』

「え、えっと……」

契約者マスター登録ヲ行ッテ下サイ――契約者マスター登録ヲ行ッテ下サイ』

「要は、この巨人を扱う主人を決めて欲しいって事なんじゃないかな」


 混乱するシロエに変わり、ディーが流れて来る声の意味を吟味して推測を立てた。


「主人、ねぇ。ていっても、もうぶっ壊れてんぜ?」

「それでも、という事で選ぶのなら、そんな者は一人しか居ないだろう」

「問題を解いたのもこの子だし、それで決まりね」

「けってーい」

「え? え?」


 揉める必要もなければ、確認する必要すらない。一人を除く全員にとって、それはたった一つの選択肢を選べと言われているに等しかった。

 そして、そんな流れに取り残されているのは、当の本人であるシロエだけだ。


「おい、お前の主人はコイツだ。これで良いのか?」

「ちょ、ちょっと待ってよっ。ボクそんな――わぷっ!?」


 レオの宣言に、ようやく事態を把握したシロエが泣き言を言おうとするが、それを遮る形で転がる頭部の額に埋め込まれた小さな輝石が何度か発光し、その幼い姿見を断続的に照らす。


声紋照合ヴォイススキャン終了――外見照合シェイプスキャン終了――契約者マスター登録が完了シマシタ――ヨロシクオ願イシマス――マスター』


 そして、飛び出す(・・・・)

 光った輝石を核として、内から外に捻り出されるようにして、ソレ(・・)は外へと姿を現す。

 白――というよりも、半透明な氷に近い表皮。身体から僅かに離れて浮く、氷柱の突起が手足をとして機能するのだろう、肩幅程度の身長をした少女の人型。

 切れ長の目と引き締まった表情が、正しく氷を彷彿とさせる存在がシロエたちの前に出現した。


「本機体は、陸戦支援型人工精霊、型式番号GRAKIジーアールエーケーアイ―タイプESエクストラストラテジー――略式名称グラキエスであります。グラキエス、または親しみを込めてグラ、ラキなどとお呼び下さいであります」


 空中を浮遊し、シロエの目線の高さまで上昇した人工精霊――ひとの手によって造られた精霊だと自称するラキは、右の氷柱をやや斜めに傾けて頭に添える仕草をしながら、自らの新しい主人へと挨拶をする。


「えっと……グラキエス、さん?」

「敬称は不要であります、マスター。どうかグラ、またはラキとお呼び下さいであります」


 言いながら、ラキは更にシロエへと近づくと、彼の伸ばそうとしていた右手へと自身の氷柱を触れさせ、その内在する力を読み込む。


「――魔力照合マナスキャン終了であります。本機はこれより、マスターの完全なる従者として何時如何なる命令にも従う所存であります。よろしくお願いするであります」

「え、えぇ~?」


 いきなり従えると宣言されても、シロエの方は困るしかない。

 あたふたとうろたえるだけの少年を放り、ラキは更に自分の説明を続けていく。


「ESタイプの機体は、魔道制御と演算、格機体への通信と同期に重点を置いて設計されているであります。つまり、私は指揮官機で偉いのであります」

「情報を扱う子って事?」

「流石はマスターであります。その理解力、正に私のマスターに相応しい人物であります。これこそ運命であります」

「突然の出現から、取って付けたような褒め倒しだな」


 シロエとラキのやり取りを見ながら、シルヴィアが冷静にそう評した。

 口ではシロエを褒めつつも、変化しないラキの表情と声色に何とも事務的な印象を感じてしまうのだ。


「シロエの考え一つで、捨てられる可能性だってあるからな。コイツなりに売込みで必死なんじゃねぇか?」

「酷い押し売りもあったものね」

「ち、違いますよぉ。この子は、そんな子じゃありません」


 疑念というよりも、茶化し半分で半眼を向けるレオとメルセに、人工精霊の内面を読む事が出来るフレサがあわあわと横から気真面目に訂正を入れる。


「何にせよ、これで巨人の件は一応の目処が付いたね――残るは……さっきのカラスたちと、村の現状かな」

「現実逃避させてよ……」


 ディーの言葉で、新しく現れた存在によって目を逸らしていた現実を思い出し、げんなりとした顔でファムが溜息を吐いた。

 カラスと白装束に関しては、その強さからいって自分たちの手に負える事態ではない。学園へ報告し、そちらに対応を任せた方が無難だ。

 村の方に関しては、もう手の打ち様はない。

 最早村ではなく、廃材の山と言えるほどの荒らされ具合なのだ。村人たちは森に退避していて無事だろうが、こんな廃墟然とした有り様ではまともな生活さえも出来はしない。

 そして、理由はどうであれ村を守れなかった自分たちへの糾弾は確実だろう。間接的とはいえ、村一つを壊滅に追いやった責任も取らされるかもしれない。

 責任逃れとして逃亡しようにも、ギラソールの学園生である事を明かしている以上、逃げようがなかった。

 単なる小遣い稼ぎのつもりが、とんだ大惨事である。


「ボク、必ずこの子を直してみせるよ、ラキ。約束する」


 そんな、暗たんたる未来に他の者たちが空気を重くする中で、シロエは残った巨人の一部を見ながら、拳を握ってラキに向けてしっかりと宣言していた。

 古代の技術は未知の部分が多く、今のシロエには解らない事だらけだ。だが、それが巨人の修理を諦める理由にはなりはしない。


「ありがとうであります、マスター。しかし、マスターが責任を感じる必要はないのであります」


 シロエの覚悟に、ラキは深く腰を折って感謝を示し、その後首を振ってその贖罪を否定した。


「人工精霊用強化外装M―Ⅱ型、「アルボロ」――これは、誰かの命を護る為に作り出された装備であります。目的を果たし、この外装は己の存在意義を守れたであります」


 作られたものの本懐とは、全てを失おうとその役割をまっとうする事にある。例え、失うものが自身の存在そのものであろうとも。

 何時の間にか、空が白染み始めていた。平原の向こうから太陽がうっすらと昇り、次の朝が世界に迫る。

 シロエたちにとって長い長い一夜が、ようやく明けようとしていた。







 橙のカラスを肩に乗せ、白装束が空を飛ぶ。

 そこに居るのに、その存在は何者にも認識されていない。世界から薄皮一枚隔てたような、そんな場所を誰にも邪魔される事なく飛翔している。

 カラスの放つ波紋が、それぞれを重ね合わせる事で結界の役割として機能し、その姿を外界の一切から遮断しているのだ。


「最後は、ほんのちょっとだけ面白かったねー」


 そんな中で、肩に乗ったカラスが語り掛けても、白装束は黙したままだった。


「――って、答えなんて返せないか。ちぇー」


 しかし、カラスの方はそれを当然だと知っていた。

 継ぎ接ぎだらけの白装束は、喋らないのではなく喋れないのだと。そんな能力は、持ち合わせていないと。

 何せ、自分で見つけて繋いだ(・・・)のだから、当たり前だ。


「次は何して遊ぼっか――ねぇ、ニグレド(・・・・)?」


 答えを期待している訳ではない。結局はこれも、単なる独り言の延長に過ぎない。

 彼女・・の世界は、自分の中だけで全てが完結していた。仲間は居たが、今は居ないから。

 居ないから、彼女は探す。居なくなってしまった、自分の大事な同胞たちを。


金色ごうよく黄土ぼうしょくしっと紺青しきよく灰白たいだ真紅ふんど――何時かまた、皆とどこかで会えるよね? また、一杯一杯遊べるよね? あぁ、楽しみだなぁ」


 壊しながら、殺しながら――彼女は、退屈凌ぎとして世界で遊ぶ。


「壊して、遊んで、壊して、遊んで――あっは、あっははははははははははははっ!」


 どこにも響かない狂気の哄笑が、波紋の中だけに響き渡っていた。

 一匹と一体は、底なし沼に引き込むようなおぞましい気配を放ちながら、そのまま闇の奥へと姿を消す。

 全ての物事には過去があり、終焉を迎えぬその歯車は、いずれ現在へと辿り着く。

 運命という名を持つ大量の車輪の中から、二つの歯車が再び重なるかどうかは、誰にも解らない。


しかも、年末で忙しいので次回の予定は未定――


ぐぬぬぬ……頑張ります(涙)


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