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第四話 ~少女の既視感(デジャビュ)~

そういうわけで四話目投稿です。夏休みなので連日投稿できててうれしいです。さて、ようやくヒロイン登場します。このヒロインのモチーフというかリスペクトしたキャラ分かる人いるかな?

今回の主人公登場シーンゼロ!!はじめからだけど活躍してねぇ・・・

それでは第四話どうぞ。

 とある教室、3-Sと書かれたプレートが掲げられたその教室は学校の中でも成績優秀者が集められる、いわばエリートクラスである。生徒は世界中から集められているためとても国際色豊かな教室だ。

 そのエリートクラスは今、新学年が始まるとともにやってくるという転入生の話題で持ちきりである。

 ざわざわと騒がしい教室の中、一人窓際の席で外を眺めている少女がいた。

 赤みがかった長い髪を結ってツインテールにしている。少し釣り目で一見キツそうに見えるが、普段は笑顔を振りまくとてもかわいらしい子である……はずなのだが、今はふてくされたような表情で、校庭で体力測定に使うであろう白線を引いている山本を見ていた。


「なーに見てんの、リセ? ……って、うげ、山本!? あなた、まさかあんなのが……」


 窓際の少女、彼女の名は各務(かがみ) りせという。リセはその瞳をさらに険しくし顔半分だけ振り返ると、


「何バカなこと言ってんのよ……しばくわよ……」


 と、どすの利いた声で迎撃した。


「ご、ごめん、冗談ですって。はははは……」


 窓際の少女に話しかけたのはブロンドの長い髪がまぶしい、青い瞳の少女だった。


「にしてもどうしたのよ、窓の外見て黄昏(たそがれ)ちゃってさ?正直似あわないわよ……」


「そんなこと自分だってわかってるわよ。大きなお世話よ……セリーこそどうしたのよ、さっきまで向こうのお嬢様集団と高笑いしながら楽しそうに話してたじゃないの」


 どうやらブロンドの少女はセリーというらしい。


「あなたにはあれが楽しそうに見えたのね……いいわ、今度いい眼科紹介してあげるわ」


「視力は両目とも2.2よ」


「めちゃくちゃいいわね……わかった、脳外科の方が良かったわね……」


 こんな会話ができるところを見ると、二人の仲は親密なようだ。


「苦手なのよ、あの人たち。あのお高くとまった感じが」


「あんただってお嬢様でしょうに……」


 リセが呆れ顔で返す。


「私は親の威光をかさにきて偉ぶるほど愚かじゃないわよ、ッフン!!」


「いや確かに、私もあいつらよりはあんたの方が立派だとは思うわよ。ただ、毎食数千円のものを食べてるの見せられちゃ庶民としては……ねぇ……」


 リセのジト目に、「うっ……」っと、返す言葉に詰まったセリーは話題を変える作戦に出た。


「それはもういいのよ!! で? なんで黄昏てたのよ」


「ん~? ああ、それがね、私にもよくわかんないのよ。なんかこう……もやもやするというか、喉まで出かかってるのに出てこない感じというか~~」


 と、首を指でひっかくしぐさをしながら悶えている。


「? まず何の話よ?」


「転入生よ、転入生。なんて言ったっけ? 名字は忘れたけど下の名前……シンクだったっけ? なんか聞き覚えがある気がするのよね~」


「お!? 新手のナンパ?」


「ちょっと洗面所まで一緒に来てくださる?」


「茶化してごめん。真面目にお話ししましょう」


 セリーはリセのとってもいい笑顔の前に戦略的撤退を決定する。


「でも私たちって小学生のころからこの学園で一緒じゃない? そんな名前の子いなかった気がするけど」


「私にだって記憶にないわよ。ただ聞き覚えがあるというか……」


「となると学園に来る前かしら?」


「その頃のことはよく覚えてないのよ……」


 セリーの問いにリセは瞳を伏せ、呟くように声を出した。


「もう、いいじゃないの! 忘れてるってことはその程度のことなのよ」


「ん~、……それもそうね」


「そうそう。で、私たちも旬の話題である転入生の話しましょうよ」


 そして彼女たちも教室の喧騒の一部へと溶け込んでいく。容姿がどうだの、学力がどうだの、なぜ今頃転入してきたのか、学園長が手を尽くしたらしいなど、ああだこうだと話題が尽きない。

 だが、皆が何よりも気になるのはその’マニア’である。転入早々Sクラスに在籍することになるのだ。誰もがその力に興味を示すのも当然だろう。




 キーンコーンカーンコーン


「あ、予鈴なっちゃった。じゃ後でね」


 パチッ!! とリセにウィンクを投げその場を後にするセリー。その姿を見送りながら恐らくこれからやって来るであろう転入生に考えを巡らせる。


「(実際に見たらこのもやもやは解決するのかしらね?)」



 コツコツコツ

  コツコツコツ


 と、廊下から二つの足音が聞こえる。恐らく待つように言われたのだろう、一つの足音が教室から少し遠ざかっていく。それと同時に教室の扉が横へと動き出した。

第四話楽しんでいただけたでしょうか?といってもヒロインの登場シーンだけですね。次から絡みますよ!!というよりようやく本格的にスタートですよ学園編!!

ここで読んでくださった皆様に聞きたいんですがセリーをこのまま使うかモブにしてしまうか迷ってます。また他にもどんなキャラがい欲しいとか希望ありましたら感想に書いていただけると幸いです。必ずしも反映されるわけではありませんが参考にはさせていただきたいと思います。

あといつものように感想お待ちしてます。書いてもらえるとどんどん筆が加速します。よろしくお願いします。

ここまで読んでくださった読者の皆様に感謝!!それでは次話で。

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