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異世界チート魔術師(マジシャン)  作者: 内田健
八章 強敵・対決・完遂

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二十八

 時は少し戻る。

「じゃあ行くわ」

 ミューラはそう宣言すると、剣を抜いてゆったりと歩き出した。

 砲台魔術師タイプであるレミーアと凛を後方に置き、ミューラが敵と接近戦を行う。

 いつものスタイルだ。

 少しずつ魔力を高め、自己強化を施していく。

 使っているのは当然ただの魔術ではない。

 そんなものでは通用しない。

 最初から、精霊魔術による強化だ。

 ミューラが契約しているのはミドガルズ。

 土属性の精霊なので、精霊魔術による強化は主にパワー、膂力関係の強化が得意だ。

 なのでもっとも顕著に反映されるのは攻撃力なのだが、それ以外が強化されないわけではない。

 タフさだって、スピードだって強化される。

 その様子は、ミューラの身体からたちのぼる魔力ですぐに分かる。

 もう宣言したから続く言葉は不要とばかりに、強化が終わると同時にミューラは一気に飛び出した。

 アンテはそれを面白そうに眺めている。

「はっ!」

 まずは蹴りを脇に。

 続いて肘打ちをみぞおちに。

 最後にもう一度蹴りを顎に。

 その三回でアンテは吹き飛ぶ……かに思われたが、空中で動きを制御。

 難なく体勢を立て直して見せた。

「ふふふ、いいわね。やっぱりこうでなくちゃいけないわ」

 アンテは口の端から流れた血をぬぐう。

 一方のミューラ。

 油断なく構えながらも、ミューラは攻撃が通じたことに一縷の希望を感じていた。

 精霊魔術を魔力の強さという意味では、明らかにアンテの方が強力だ。

 なので攻撃は通じないかと思っていた。

 手加減をしたつもりはないが、それでも一発一発すべてに全身全霊とはいかない。

 連続で放てる範囲での全力、というやつだ。

 それでダメージが通るということは、かなり希望が持てる。

 これだけ魔力の強さに差があれば相手がタフ過ぎて攻撃が通らないことも普通に起こりうるからだ。

『アイスピラー!』

 これで終わるつもりなどない。

「っ!」

 足元から急速に氷結しながらせり上がっていく氷の柱。

 アンテはサッとその場から大きく退避した。

 この魔術だけで決まることはないが、無防備に受けていい威力でもなさそうだ、と、瞬時に判断した結果である。

 その判断はきっと正解だった。

「ひゅう♪」

 思わずアンテがこぼした口笛。

 それもそのはず。

 凛が作り上げた氷柱は、直径一〇メートル、高さ五〇メートルにもなる立派な代物だったのだ。

 それだけではなかった。

 屹立する氷柱に一気にひびが入り、砕けた。

 へし折るにはアンテであっても多少苦労するだろうほどの氷柱が、だ。

 ただの氷柱なら苦労などしない。

 問題はこれを魔術で組み上げたということ。

 池はおろか、水たまり程度の水源すらもない場所で。

 使い手によって威力が変わるのは今更言うまでもない。

「これは。……!!」

 砕けた氷柱。

 それによって生まれた破片、そのどれもが氷柱の様になっていたからだ。

 空中で氷柱は向きを変え、鋭い切っ先のすべてがアンテに向けられた。

「二段構えか!」

 これほどの規模、間違ってもただの魔術で可能なものではない。

 防いでも回避してもいいが、これだけの数をすべて避けるのは面倒くさい。

 ならばいっそ、射線から逃れてしまうのが一番手っ取り早い。

「させぬよ」

 杖の先をアンテに向けているのは、凛とミューラの師を名乗る妙齢の美女。


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