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53 クソガキ

新しくタクヤが仲間になり、能力鑑定も終えた。


――――――――

冒険者ランク: F

名前: タクヤ

レベル: 1

種族: 人間

STR(力): 150

VIT(防御): 100

AGI(敏捷性): 150

MP(魔力): 300

LUK(運): 70

魔法属性: 回復

〈スキル〉

エクスペリウム

――――――――



魔力値はかなり高そうだが、後は僕たちと比べてとそこまで特筆すべき点はないな。

一般よりはかなり高いのだろうが。



スキルのエクスペリウムというのは何だろうか。

タクヤはまだ戦ったこともないので、当然どんな効果かも知らない。



まぁこれから分かればいいか……



 

今はグリモに来ており、シエルさんにタクヤの魔法について相談しようとしているところだ。



 

「新しく回復職として仲間が加入しました。タクヤって言うんですけど、挨拶させてください。」



 

「うっす。タクヤっす。」



 

「……シエルだよ。見る限り初心者だね。魔法は使えるのかい?」


 


「使えないっすね。適正があるとは言われてるんすけど。」


 


「で……私に教えて貰おうと思った訳だね。」



 

「すみません、シエルさん。タクヤにも教えて貰えるでしょうか……」


 


「……イヤだけど、あんたの頼みならいいよ。アズサにも教えてるし、回復魔法は私の最も得意な魔法だしね。」




「ありがとうございます。ほんとすみません。」

「あざっす。」



 

タクヤ……馴れ馴れしすぎ……

悪気はないんだろうけどな……



 

「ふんっ。仕方ないね。他の2人はどうするんだい?前に教えた魔法には慣れたかい?」




「あ、2人ともばっちり扱るようになりました。次は中級魔法を教えて貰いたいです。」


 


 

「もう慣れたのかい。早いね。じゃあ、中級魔法は一つにつき金貨1枚にしといたげるよ。」



 

「金貨1枚ってどれくらいなんすか?」




確かにタクヤは来たばかりで金銭感覚が全然ないのだろう。

教えておかないといけないな。


 

 

「一万円くらいと思えばいい。」




「高っ。ぼったくりじゃん!」


 


「おい!失礼すぎるだろ。格安だぞ。シエルさん、本当にすみません。こいつ何も知らなくて……」


 

生活魔法ですら金貨10枚だぞ。

中級魔法なんて今の僕たちじゃ正規料金は絶対に払えない。

 


「……いいさ。今日だけは見逃しといてあげるよ。しっかりと、このガキを教育しときな。」




「はい……すみません。」




「すんません……てっきりタダで教えてもらえると思ってたっす。」




「あんた達にタダで教えてあげるのは初級魔法だけだよ。中級からはお金を取る。本来ならタダで教えてあげるのはヒロキだけでいいんだよ。アズサもあんたも、私の善意でやってるだけ。」




「なんでヒロキさんだけタダでいいんすか?」




「契約してるんだよ。ヒロキ、このガキに教えてないのかい?」




「今日、仲間になったばっかりなので……すみません。」




「はぁ……教えてあげる。ヒロキと私は契約してるんだよ。魔法を教えてあげる代わりに、時期が来たら私のために魔法を使って欲しいってね。」




「なんの魔法っすか?」




「死者蘇生。」




「かっけぇ……そんな魔法あるんすね。というか、ヒロキさんって回復魔法使えるんすか?」




あ……




「確かによく考えてみたら僕、回復魔法の適性ないですね。」




「だめじゃん。じゃあ、俺と契約した方がよくね?ね、シエルさん。」




「はぁ……あんたが回復魔法の適性がないことくらい知ってるさ……」




「じゃあ、何で僕なんですか……?」




「言っただろう……あんたは魔法力が高いからって。」




「でも回復魔法を使えないんですけど……」




「死者蘇生について、回復魔法だなんて私言ってないだろ?」




「違うんですか?」




「前にも言ったけど伝説の魔法で、詳細は不明。でもね、古い文献を見る限り、無属性魔法ってことは明記されてるわ。」




「無属性……魔法……とは?」




「名前の通り、属性がないの。適性なんていらない。求められるのは、発動するための魔法力を持っているかどうかだけ。だからあんたが適任。そのガキの方があんたより魔法力が高いっていうなら別だがね。まぁそんなことありえないだろ。」




「そういうことなんですね。じゃあ、まぁ……僕ですね……」





「あんたを超えてたら人間じゃないよ。まぁ早く強くなっておくれ。そこのクソガキ、私があんたと契約することはないわ。」





「すんません……ヒロキさんってそんなに凄いんっすね。なんか見た目、地味だから意外っすね。マジ尊敬。」




こいつ……舐めてるな。

悪気はなさそうだから、何も言えないわ。




「……はぁ。じゃあ教えてあげるから、まとめてそこに座りな。」




僕はフレイムボムとファイアジャベリンを、アズサさんはウインドブレードとエアロスピアを金貨4枚を支払って教わった。

タクヤは無料でヒールとキュアを教わり、店を出た。



あと回復職は敵を倒すことが困難なため、パーティ仲間の戦闘で得た経験値を共有してもらえるスキルを持っていることをシエルさんから教わった。

エクスぺリウムというのは、そのスキルのことだろう。




どうやってレベル上げをしようか不安だったので、解消されてよかった。

タクヤのレベルを早く上げて、上のランクを早く目指していこう。

次回の更新は7月28日(月)を予定しています。

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