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52 タクヤ

アンジュさんから紹介されたタクヤという男は、細身で高身長、かなり顔立ちが整った、所謂イケメンであった。




「タクヤさんですね。僕はヒロキと言います。応募いただき有難うございます。」




  

「うっす。仲間にしてもらえるって聞いたから来たんすけど、本当っすか?」





「少しお話させていただいてから決めようと思ってます。回復職は貴重なので、前向きに検討させてもらいます。」





「話って……俺、昨日回復魔法に適性あるとか言われたんすけど、魔法なんか使えないし、何も話せることないんすけど……」



 


「今は適性あるというだけで大丈夫です。魔法書を読めば多分覚えられると思うので気にしないでください。」




「それならよかったっす。じゃあ、聞きたいことって他にあるんすか?」




「そうよ!話しなんかしなくてもいいでしょ!もう採用でしょ!」




「マジっすか?」




「そうよ。回復職はね、仲間にしたくてもなかなか見つからないの。あなたは貴重な戦力になるはずよ。」



そうよ、じゃねぇよ。

勝手に話進めんなよ。

 


「俺、頑張るっす!こんな可愛いお姉さんもいるし、俺絶対パーティに入りたいっす。」




「まぁ!可愛いですって!ヒロキ、聞いた?この子、絶対仲間にするべきよ!貴重な回復職よ!」




あんたが仲間にしたいのはイケメンだからだろうが。

あと可愛いって言われて、テンションさらに上がってるし。




「貴重なのは分かってますよ……タクヤさん、冒険者になった理由を教えてもらっていいですか?」




「理由っすか?生きるためっす。」



 

「生きるため?他にも職業はあると思いますが、なぜ冒険者を選んだんですか?」




「いや、他の職は知らないんっすよ……実は昨日、この街に来たばっかで、街の人に聞いたら冒険者になるしかないって言われたんで……仮身分証の発行でお金も払えって言われてるんで稼がないといけないんすよ……」



何か聞いたことある話だな……




「仮身分証……ちなみに今までどこで暮らしてたんですか?」




「あー……実は俺、今まで全然違う世界にいたんっすよ。でも昨日急にこの世界に来ちゃったって感じっす。だからこの世界のことなんも分からないんすよね。まぁ信じてもらえないかもっすけど、嘘は言ってないっす。」


 


あ……やっぱりか……

名前もそうだもんな……




「えっと……ちなみに、その前にいた世界って、『日本』だったりしますか?」




「……え⁉なんで知ってんすか⁉」



 

「いや……僕の名前は『ヒロキ』、この子の名前は『アズサ』って言ったら分かりますか?」




「え、マジっすか⁉俺と同じ感じ?うわぁ、俺一人でめっちゃ寂しかったっすけど、良かったぁ……」


 


同郷か……仲間にするしかないな。

本当に寂しかったんだな。なんかいい奴っぽいしな。




「タクヤさん、事情は分かりました。これからも宜しくお願いしますね。」




「ってことは仲間にしてもらえるってことっすか⁉あざっす!よろしくっす!」




「ヒロキも分かってるじゃない。タクヤ、これからは仲間よ。私をどんどん頼りなさい。」



 

「うっす。姉御もよろしくっす。」

 



「姉御はやめて……アズサでいいわ。」




「うっす。」




よし。回復職の仲間も増えたことだし、上のランクも目指せるようになるだろう。

とりあえずは、タクヤには魔法を覚えてもらってから、レベル上げだな。



タクヤには頑張ってもらおう。

次回の更新は7月25日(金)の22時予定です。

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