51 応募
「討伐依頼が完了しましたので報告しに来ました。」
「相変わらずお仕事が早いですね。大変助かります。それでは手続きを進めてまいります。」
結局、今回の報酬は全て含めて金貨5枚であり、前回に比べてかなり少なかった。
前回は100体以上を相手にしたということもあるので、比較は難しいのだが、オーク程度であればそこまで稼げないということが分かった。
「皆様、ご依頼いただいていました新しいパーティメンバー募集の件ですが、早速1名見つかりましたのでご報告します。」
「もう見つかったんですね。回復職は人気と聞いていたので、もう少し時間がかかると思っていました。」
「実はですね……まだ一度も依頼を達成したことのない、登録したばかりのFランクの冒険者になるんです。新たに登録される方に片っ端から全員にですね、回復職なら将来有望なパーティがメンバー募集しているとお伝えしたところ、その方が応募したいとおっしゃったんです。」
アンジュさん、有能すぎる。
「有難うございます。大変助かります。」
「お話した限りでは特に性格に問題がありそうには感じませんでしたが、一度しかお会いしてないのでまだ定かではありません。あと、Fランクの方になるので、皆様と経験の差がありますが、それでもよろしいでしょうか。」
「経験の差は問題ありません。一度その方とお会いして、そこから決めるということでもよろしいでしょうか。」
「はい。もちろん構いません。その方とはいつでもご連絡が取れるように、ギルドでご宿泊先等は確保しておりますので、すぐにご連絡することは可能です。本日、お会いされますか?」
「そうですね。早い方がいいと思いますので、その方の都合があえば、本日お会いさせてください。」
「承知しました。それではご連絡を取りますので、待合室でしばらくお待ちください。」
アズサさんと、ギルド内の待合室でその方が来るのを待つことになった。
◇
しばらくするとアンジュさんに呼ばれ、別室に入ると見知らぬ男が座っていた。
「こちらが先程ご紹介した回復職のタクヤ様です。」
「どうも。タクヤっす。よろしくっす。」
あ……イケメンが来た。
次回の更新は2025/07/23(水)を予定しております。ご覧いただけると嬉しいです。




