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50 募集

やっとの思いで僕らは新しい魔法を習得したわけだが、体力ポーションを大量に購入したため、持ち金がかなり減ってしまった。




「ねぇ、ポーション買うのもったいなくない?」




「そうですね。でも回復手段がそれしかないので仕方ないですよ……死ぬよりマシです。」



 


「そうじゃなくて、回復魔法が使える人を仲間にしない?ってことが言いたいのよ。」




「まぁ仲間になってくれるのなら嬉しいですが、誰か心当たりはあるんですか?」




「そんなのいるわけないじゃない。」




自信満々に言い切られてしまった。

じゃあ、なんで言ったんだよ。


 


「では無理ですね。僕も見つけることができていないので、仲間にできる人がいないです。」




「あんたバカね。募集すればいいじゃない。」



 

「募集?そんなのできるんですか?」



 

「やったことないから知らないわ!」



 

知らないのかよ……



 

「でもね、私たちは専属契約をしている将来有望な冒険者なのよ。仲間になりたいって人は絶対いるはずよ。」


 


「まぁいるかもしれないですね。でもどうやってやるんですか?」




「アンジュに任せましょう。」



 

「アンジュさんか……頼めますかね?」




「大丈夫よ。断るようなら、契約解除するって言えばやってくれると思う。多分。」



 

こいつ最低だな。




「それはダメですけど、とりあえず相談してみましょうか。」





ギルド内で、アンジュさんに相談してみたところ……




「回復職の募集ですか?募集自体はかけることはできますが、回復魔法は適性を持っている人が少なく人気職なので、該当者がいたとしても低ランクの冒険者になると思います。」




「低ランクでも全然いいです。僕たちもランクは低いので、回復魔法さえ使える人なら誰でもいいです。」




「では、魔法を使える以外に条件はないということでよろしいですか。」




「ちょっと待って!」




「どうされましたか?」




「イケメン……」




「あ、他の条件は必要ないです。でも出来れば性格の良さそうな人をお願いします。宜しくお願いします。」




「承知しました。それでは募集の手続きをしておきますね。」




アズサさんが僕を睨んでいる。

当たり前だろ。ただでさえ人気職って言われてんのに、イケメンとか超優良物件だろうし見つからないよ。

あとイケメンとか能力には一切関係ないので、いらない。




「あと依頼を請けたいです。」







持ち金が少ないので、Dランクの依頼を1件請けてきた。

オークの集団を討伐するという依頼であった。




オークは豚の顔をした二足歩行の魔物で、Dランクの中では比較的弱い魔物らしい。

動きは早くないが、攻撃力は高いので注意が必要であると聞いた。




今回覚えた魔法の練習台としてはちょうどいい相手だろう。 

ただアズサさんは飛行ができるので、空を飛んで魔法を撃っているだけで倒せるのではないかと思ってしまう。



結局その日は宿に戻り休息し、次の日に討伐に向かうことになった。







オークとは初めて戦ったが、正直物足りなかった。

明らかに動きが遅い。




フレイムアクティベーションで身体能力を活性化した結果、力・スピードが大幅に向上し、オークは成すすべなく力尽きる。

アズサさんはフライトを使いながら、ウインドアローとウインドカッターを駆使し、オークは近づくこともできず力尽きる。




新しい魔法習得によって成長を実感することができ、Dランクでは僕たちの敵はもはやいないだろうと確信した。



  

「早くCランクに上がって強い敵と戦いたいですね。」




「強い敵となんて戦わなくてもいいわよ。あんたこの前殺されかけてたくせに。」



 くそ。痛いところをついてくる。

 


「あれはBランクが相手ですよ。さすがにBランクと戦うには、中級魔法を覚えてからでないと厳しそうです。」




「ふーん。でもしばらくはDランクでいいなじゃない?回復職の仲間を増やしてからにしよ。」




「それは、まあそうですね。」




確かに回復職の仲間は必須のような気はする。




「とりあえず討伐報告にいきましょうか。」




早く見つかるといいのだが、いつになるだろうか。

次回の更新は7月21日(月)の22時ごろを予定しております。

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