表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/54

47 新魔法

「シエラさん、新しい魔法を教えてもらいたくて来ました。」




「以前、教えた魔法はもう慣れたのかい?」




「ええ。でも昨日、僕が死にそうになったので、もっと魔法を覚えて強くなりたいんです。」




「死にそうに?相手は誰だい?」




「スケルトンクイーンです。」




「スケルトンクイーン?あんたたちはまだDランクだっただろう?」




「はい。戦うつもりはなかったんですが、戦わざるをえなくて……」



 


「へぇ。で?倒したのかい?」




 

「はい。でも僕じゃなくて、アズサさんが倒しました?」



 


「なんと⁉凄いじゃないかい嬢ちゃん。DランクがどうやってBランクの魔物を倒したんだい?」



 


「凄いでしょ?ダガーに風魔法を纏わせて斬ったの。能力鑑定で『風刃』っていう魔法を勝手に覚えてたんだけど、多分これだと思うわ。」



 

「風刃?それは中級魔法だね。自力で覚えたってことかい?そうであれば、嬢ちゃんはとんでもない才能の持ち主だね。」




「誰にも教わってないから自力ね。そうなの。私は才能があるのよ。サタにも言われたしね。」




「サタ……っていうのは誰だい?」




「あ、えーと……友達よ。」




「そうかい。でも才能があるのは間違いないね。」


 


「僕じゃなくてアズサさんと契約した方が良かったかもしれないですね。」




「いや……契約はあんたでよかったと思ってるよ。期待してるんだから頑張りな。」




今の話でなぜ僕で良かったと思うのかは謎だな。

変に期待されても困るんだがな。




「まぁほどほどに頑張るよ。それで相談なんですけど、僕もアズサさんの風刃のような魔法を覚えたいんですけど、可能でしょうか。」




「んー。そうだね。いきなりは難しいかもしれないね……まずは自分の身体のみを活性化する魔法を覚えた方がいいよ。」




「自分の身体のみ、ですか?」




「そうだね。風刃は武器を魔法で纏い、活性化する魔法なの。恐らくアズサは魔法操作の能力に長けていると思うわ。あんたはそうではなさそうだから、まずは自分の身体を活性化できるようになってからがいいと思うわ。」




「なるほど……分かりました。それでは身体を活性化する魔法を教えてください。」




「分かったわ。」




「ねぇねぇ!私は何を教えてくれるの?」



  

「アズサは何か希望の魔法があるの?」




「んー……ないわね。シエルのおすすめでいいわ。」




「そうね……とっておきの魔法があるからそれを教えてあげるわ。」




「とっておき⁉楽しみにしてるわ。」




「じゃあ、教えてあげるからここに座りなさい。」




僕らは案内された席に座り、そしてシエルさんがブツブツ言葉を唱え、僕らに手をかざした。

また知らない魔法の使い方を自然と理解できるようになった。




「フレイムアクティベーション……ですか。」




「そうよ。あんたの身体能力を活性してくれる初級魔法になっているわ。初級魔法といっても慣れるまでは時間がかかると思うから、使いこなせるように努力しなさい。」



 

「分かりました。何とか頑張ります。アズサさんはどんな魔法なんですか?」




「私は……フライト……っていう魔法ね。」




「フライト?ってことは飛べるんですか?」




「そうだね。飛行魔法になるね。覚えておいて損はないよ。」




「飛行⁉私飛べるの⁉最高よ。ありがと!」




「でもね。フライトは初級魔法だけど、とっても扱いが難しいの。だから……」




「だから?」




「体力回復ポーションは多めに持っておきなさい。これは推奨じゃなくて、絶対によ。」




「え、なんで飛行するのにポーションが必要なの?よく分からないわ。」




あ、そういうことか……

確かに危なそうだな……




「多分ですね……慣れるまで、飛んでる途中に落ちるんじゃないですか……?だから死なないようにポーションが必要ってことだと思います。」




「正解だよ。あんたも賢くなってきたじゃないか。アズサ、気を付けるんだよ。」




「え、私、死ぬ可能性があるってこと……?」





「まぁ、最悪そうなることもあるね。あくまでも可能性だよ。徐々に慣れていけば大丈夫だよ。」





「嫌よ、私死にたくないわ!」





「せっかく教えてあげたのに、使わないのかい?」




「ええ……悪いけど、怖いのは嫌なの。」




「そうかい……じゃあ、今後はアズサには魔法は教えないことにするよ。せっかく特別に無償で教えてあげてるのに、そんなこと言われたらもうやる気もなくなってしまったわ。」




「え?それは困るわ!」




「じゃあ使ってくれるかい?」





「え……っと……」





「アズサさん、もうやるしかないんじゃないですか?無償で教えてくれるとこなんかここ以外ないですよ……」




「わ、分かってるわよ!や、やってやるわよ!」




「そうかい。やる気になってくれて嬉しいよ。」




これで僕らは新しい魔法の練習を行うことになった。

そう。アズサさんにとっては地獄の練習に……


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ