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24 終末世界

アズサさんが言うにはスキルを持っていたらしい。


 


「良かったですね。パーティを組むかどうかはどんなスキルを持ってるかで検討しますので、後で教えてくださいね。」




「え⁉なんでよ!スキルを持ってたら仲間にしてくれるんじゃないの⁉」




「そんなこと言ってないですよ……」




当たり前である。

持ってるスキルが、もしゴミスキルだったらパーティを組むなんてありえない。

きちんと確認しないといけない。




「えー……」




アズサさんは不服そうだが、こればかりは仕方ない。

生活がかかってるからな。



  

「とりあえず僕もついでに能力鑑定をしますので、少し待ってください。アンジュさん、お願いしてもいいですか?」




「承知しました!」




ついでに僕も能力鑑定をしもらった。

アンジュさんがいる前で、堂々と所有スキルの話もできないので、今は一旦アンジュさんに退席してもらっているところである。




「で、アズサさんはどんなスキルを持っていたんですか?」




「えっと……探知っていうスキル……」




 お。なんか想定していたよりもまともなスキルの気がする。



 

 

「探知か……何か役に立ちそうな気も……でも戦闘スキルではないな……」


 



「と……」





「と?」




「隠密と、危険察知と、逃げる、っているスキルを持ってたわ。」



 


「えっと……スキルが全部で4つってことですか?」





「うん……仲間にしてくれない?スキル少ないかな……?」





いやいやいや、僕よりスキルの数が多い。

しかも役立ちそうなスキルばっかりだよ。

逃げるはよく分からないけど。




「えっと……スキルの数は一般的な数が分からないので、少ないかは分からないですが……」




 

「ですが……?」




アズサさんは僕の返事を恐る恐る待っている様子である。




ほぼほぼ期待していなかったのが本音だ。

でも……予想よりも良さそうなスキルを持っている。

これは僕としてもきちんと評価しないといけないな。




僕は脳内でサタに問いかけてみた。すると、




【主の好きにしろ。まぁ悪くはないと思うがな。】




サタも素直じゃないな。

では返事をしてあげよう。



 

「アズサさん、予想以上に良さそうなスキルだと思います。」




「⁉ということは……」




「はい。僕とパーティを組みましょう。」




「やったー!有難う!!」




嬉しそうに僕の手を握り締めている。

目には涙を浮かべている。相当嬉しかったのだろう。




「でも、ちゃんと仕事してくださいよ。魔物とも戦ってもらいますからね。あまりにも役に立たなかったらパーティ解散もあるかもしれないので頑張ってください。」



  

「え……わ、分かっているわよ。任せなさい!」


 


ちょっと自信は無さそうだが、しばらくは様子を見よう。




「じゃあパーティ申請しましょうか。」




「そうね。あんたの気が変わる前に早くしなくっちゃ。」




この人って思ったこと全部口に出るタイプだよな……

まぁいいけど。




パーティ申請するためにアンジュさんに声を掛ける。



 

「この人とパーティを組みたいんですが、申請って本日できますか?」




「もちろんできますよ。お一人は心配でしたのでパーティを組まれると聞いて安心しました。パーティ名はお決まりですか?申請の際に必要になります。」



パーティ申請用紙というものを渡された。

パーティ名をここに記載するらしい。


  

「パーティ名……そんなの必要なんだ……アズサさん、何かいい案ないですか?」

 


 


「え、急に私にふらないでよ。そんなのすぐに思いつかないわよ。あんたがリーダーなんだから、あんたが考えなさいよ。」





「僕がリーダー?」




「いや、普通に考えてそうでしょ。私があんたの仲間にしてもらうんだから、あんたがリーダーよ。だからあんたがなんとかして!」




こいつ役に立たないな。

解散しようかな。




「(サタ、何かいい案ないか?助けてくれ……)」




【ふむ……終末世界はどうじゃ?】




「(終末世界?どういう意味だ?)」



 

【そのままの意味じゃ。特に深く考える必要もない。気に入らなければ他にしろ。】


 


特に他の案もない。まぁよく分からないがこれでいいか。



 

「じゃあ、終末世界、でお願いします。」



申請用紙に記載して提出をする。




「終末世界ですね。承りました。」




「え?終末世界?ダサっ!」



 

「じゃあ、パーティ組むのやめましょうか?それかアズサさんが考えてください。」




「冗談よ。良い名前ね。これでいきましょう。」




全然納得してなさそうだが、これ以上考えるのも面倒だ。

とりあえずは終末世界というパーティ名で受理された。


 


今後依頼は共同でこなすことになり、宿屋オアシスにはアズサさんも宿泊できることになった。

報酬については後々揉めるのが面倒なので、完全に折半することにした。




パーティ申請も終わったことだし、僕らはギルドを出た。




「とりあえず今後は宜しくお願いしますね。」




「ええ、よろしくね。」




「今からゴブリンの巣の殲滅に行きますが、スキル以外のアズサさんの能力も把握したいのですがいいですか?もちろん僕の能力も教えます。」




「ええ、いいわよ。言っとくけど、弱いからね。今更、パーティ解散とかなしだからね。」




 

「分かってますよ。」




アズサさんは自分の能力値を、持っている紙にペンで書き写して、僕に見せてくれた。




「アズサさん……」




 

「な、なによ。」



 


「今まで何していたんですか……」



 

「え?」




「あなた、結構才能あるじゃないですか……」


 


「え?」


 

――――――――

冒険者ランク: E

名前: アズサ

レベル: 2

種族: 人間

STR(力): 50

VIT(防御): 40

AGI(敏捷性): 200

MP(魔力): 310

LUK(運): 87

魔法属性: 風

〈スキル〉

探知

隠密

危険察知

逃げる

――――――――


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