ミッション12;乗れなくても回る観覧車は、巡るチャンスと捉えて前を向け
なろう小説大賞6に参加させてもらってます。
なんとなくシリーズ化した、ハル先輩&健太のピュアラブ。
駆け足の1年。
「健太も来いよ」
誘ってもらった日帰り社員旅行、断ったからってたいして問題じゃないと思ってた。
観覧車での告白から1年、同じシチュエーションでプロポーズか?とからかわれながら、まだそんなじゃないですよ、と照れながらも順調アピールしてたハズ。
なのに、どうよ?
工場で退職者が出たんだ。今年入社の新人が二人で、どっちも転職先が決まったとかで。
それも仕方ないとは思う、そいつらが悪い訳じゃない。
俺はしばらく応援とゆーカタチでの対応だったけど、なかなか後任も見つからないとの事で、正式に工場へ異動になった。
新しい上司に新しいチーム、新しい仕事と追われまくり、ハル先輩と会う機会も激減どころか皆無な日々。
こーゆー時こそマメに連絡した方が良いんだろうとは思いつつ、何をどう伝えるのか思い悩むだけで過ぎていく。
せっかくくれたメッセージの返信もままならず、無難なスタンプを返すのがやっとだ。
中途採用で入った一人と、一緒に仕事をするようになった。
仕事は最低限と割り切っているのか、情熱はカケラも感じられない。淡々と与えられた作業を時間内の間で出来る範囲をこなす。
家庭の事情とやらで残業は一切しないと言い切られるので、無理をするのはいつも俺だった。
月日は流れる。
そーいえば最近、弁当作りも雑になってるよな。
もやもやを織り込んだ紙飛行機は、庭まで飛んだ。
来年は弟も高校卒業、今年は受験費用もかかるな。
カレンダーに記した入社日、高校の後輩が来た。
母の散歩に付き添うと、カフェでハル先輩に会えた。
ああ、腐ってトレーニングすっかりサボってたな。心身共に鍛錬!
先輩ん家のベランダに咲いた朝顔の写真で元気出す。
他愛のない返信が出来るようになって、またプールに行った。
元ルームメイトだと先輩の友達に紹介された。
先輩に聞かれた寝言は、「事務所に戻りたい」だったらしい。漏れすぎだろ。
目まぐるしい1年が過ぎ、俺は元の事務所勤務に戻った。
こっちには新人の配属が無かったので、俺はまた一番の下っ端だ。相変わらず課長はちょっと嫌味で主任はマイペース、赤城さんは人使いが荒い。
この居心地の良さに甘えるばかりじゃダメだ。
工場での実務と人脈は俺の経験値、もっと活かせるようになりたい。
ハル先輩にも甘えっぱなしだから、もっと頼られる男になりたい。
想いを込めて、異動の挨拶をした。
「改めて、よろしくお願いします!」
読んで下さって、ありがとうございました。
週明けにも投稿したかったのですが、前作アップ後にインフルにやられておりました。
ぶっちゃけ、過去イチのキツさとしつこさです。皆様、お気を付けください。
あと1作で、シリーズ完結予定です。
お付き合いいただけると嬉しいです。