その11 ENDING
JDWの京都と東京の拠点を抑え、大々的にJDWのメンバーを捕獲した。
捕まらなかったのは上條節子と情報を流していたという男の二人だけであった。
数年前に一度大打撃を受けたJDWが再興しかけて今度は事実上崩壊したのである。
明日も退院し春香と芹も東都大学付属高校へといつも通り登校し、日常が戻ってきていた。
芹は原口真奈美の面接に行き、彼女が出所するまで彼女が出産した子供を引き取ることにしたのである。
もちろん、その手続きや助力をしたのは矢口翔であった。
1Day探偵
春香は芹の部屋の揺りかごで眠っている女の赤ちゃんを見ると
「それで?」
名前は?
と聞いた。
芹は笑むと
「初音って名前にした」
この子にはこの子の人生があるから
「何も惑わされず新しく初めての音を奏でられるように」
と告げた。
春香は優しく初音を見ると
「そうか」
と言いそっと頭を撫でた。
その時、携帯が震えた。
見ると播磨からであった。
「あ、依頼だ」
芹は初音を抱っこすると
「じゃあ、初音ちゃんを預けて現場に、だな」
と告げた。
下では播磨が待っており降りてきた二人に
「楠木家に寄ってから現場に」
と告げた。
芹は明日と入れ替えに初音を楠木家に預けてその足で現場へと向かった。
明日は乗り込みながら
「それで事件の概要は」
と聞いた。
播磨はそれに
「東京都庁に爆破予告が」
と告げて予告状を写した携帯を春香に渡した。
春香は受け取り
「芹の得意分野だね」
と見せた。
芹はそれを見ると
「得意って訳じゃないけど」
でも暗号は法則性が分れば解けるから
と告げた。
明日は頷いて
「暗号の解読は芹に任せて俺達は誰が送ったかだな」
さて一日で解決するからな
と春香を見た。
春香は笑むと頷いて
「ああ、俺の記憶がある間に」
と答えた。
どんな難解な事件でも一日で解決する1Day探偵と彼らが名前を馳せるのはそう遠くない未来であった。