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英雄(ヒーロー)と呼ばれる俺。9

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 光介の考えが大きく変わったこととして、やはり、中学の頃のいくつもの事件が関係しているだろう。


 中学1年生の頃、光介はとある事件に巻き込まれた。自分の友人が不良に絡まれていた時のことだ。


 恐喝されている様子を見た光介は助けに行った。相手の体格的に高校生だったが、臆さず向かっていった。


 不良たちは光介の姿を見たときに『なんだ?こいつ?』と、怪訝そうな顔を浮かべていた。


 光介の友人は、「光介は関係ないから逃げろ」と言っていたが、そんな言葉には聞く耳も持たなかった。


 この時の光介はこんな経験は初めてで、内心足がすくんだ。しかし、自分が成長するためには必要なことだと、状況に似合わない考えをしていた。逆にそんなことを考えていないと、今にもその友達を置いて逃げそうだったからだ。


 相手は三人。不良たちはいいカモが来たと、ニヤけながら光介を煽った。


「おいおい、友達を助けに来るなんて飛んだいい子じゃねえか。偉いね偉いね。とりあえず君。こっちにこようか。」


「そう言ってやんなって。友達想いのただのバカなんだから。」


「確かにな。ヒーローにでもなったんですか?っていうやつな。」


「いいじゃねえか。中二病のおかげで巻き上げられる量も増えんだからよ。」


しかし、その瞬間に光介は動いた。


 一人の股間を蹴り飛ばし悶絶させ、すぐにそのそばにいた不良のすねを蹴り飛ばした。


 それに気が付き、光介から距離を取った。


「やべえよ。このガキ。手ぇ出すつもりはなかったのに、襲ってきやがった。」


すねを蹴られた不良が痛そうにしながら、何もされなかった、もう一人へと言う。


 しかし、そのもう一人は面白そうに笑い、


「いいや。最近こんなのがいないって、親父が嘆いていたんだ。これぐらいで来てくれた方がおもしれえじゃん。」


と言った。


 その間に光介は友人を逃がし、自分は残った。この時、光介は逃げようとは、なぜか一切考えておらず、立ち向かおうとした。


 逃げた場合でも追いかけていたため、逃げていても追いつかれていた。


 不良は光介に向かってゆっくり歩いていき、光介へと殴り掛かった。


 もちろん、光介はそれを避け、股間を蹴っ飛ばそうと足をふりかぶったが、逆に避けられ、よろめいてしまった。


 その瞬間を見逃さず、不良は光介のこめかみあたりを殴った。


 それによって、光介はフラフラとよろめき、耳鳴りもし始めた。立っているのがやっとという状況だ。


「おいおい、こんなんでくたばるんなら、期待外れだな。まあいい。おい、お前ら、恥をさらされて、イラつくんだったら、こいつをうちに持ってかえるが、どうする?」


 意識が朦朧としている中で、そんな言葉が聞こえた。


 光介にいい様にやられてしまった不良たちは、もちろんとばかりにもっとやれと言う。


 さすがに逃げようと、おぼつかない足取りで逃げようとするが、フラフラとしていて、おぼつかない。


 それに気づかれ、不良の一人に首根っこを掴まれたが、たまたま通ってきた通行人に見つかったことで、光介から手を離し、どこかへ逃げて行ってしまった。


 その際、光介の顔は覚えたとばかりにガンを飛ばされた。


 フラフラしつつも家へやっとのことで帰り着き、ベッドにダイブした。そして、自分のしたことを後悔した。いくら何でもあれはやるべきじゃなかったと、後悔していた。


 考えているうちに眠ってしまい、目を覚ました時には朝になっていた。


 すると、リビングの方から怒鳴り声が聞こえてきた。声から察するに、前日の不良が家に上がり込んでいるようだった。


 リビングへと行くと、叔父が不良と、その親らしき人が俺へと話しかけてきた。


「僕ちゃん、よくも俺の息子の友人に恥をかかせてくれたな。ちょっとうちに来いよ。“歓迎”してやるからよ。」


その言葉に光介の叔父が顔を引きつらせながらも抗議する。


「ちょっと待ってくれ。光介に何をする気だ!?痛めつける気なら、警察に連絡するからな。」


その言葉に当然だとばかりに笑い、叔父に言う。


「おっちゃん、あんたが考えるようなことはしねえから大丈夫だ。こいつは見所があるそうだからな。少しうちで鍛えてやるだけだ。」


と言ってきた。そばにいた昨日の不良も驚いていた。


「なぜそんなことをするんだ?」


当然、光介の叔父は質問した。


「うちの息子と競い合わすためだよ。うちの息子には実力はあるが、経験が足りねえ。そこの僕ちゃんはセンスはいいが、底力不足だ。実力とセンスを戦わせたら、どっちにもいい経験になるだろう?だからこそだ。」


光介の叔父は、困惑したように聞く。


「そんな理由じゃ、普通はそんなことはしないだろう?何で教えようとする?」


光介を鍛えようとする人物は懐かしむように目を細め、遠い目をする。そして、つぶやくように言った。


「まあそこの僕ちゃん...光介くんのお父さんとは昔からの親友だったんだ。もしお互いに息子ができたら、得意なことを教えあおうってな。」


そして、その言葉を聞いた光介は叔父が口を開くより先に言った。


「放課後とかで大丈夫ですか?」


と。それに頷き、こう光介に言った。


「今日の放課後から、3時間。親友のよしみだ。ちなみにボクシングだからな?」


昨日の不良は、親父が言うんだったら...と、自分を納得させていた。



 いかがでしたでしょうか?今回は、光介の中学生のエピソードの一つが出てきましたね。高校生になるまでにも様々なエピソードがあるようなので、そこも書けていけたらなと思います。


 次回の投稿も来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 それではまた次回お会いしましょう。


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