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新たな光、照らす先。11

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 光介は、水晶の中から消えた影を探す。辺りを見てみるが、そもそも夜目がきく光介の探知能力にもかからなかったのだ。


「あれっ!?いつの間にか水晶の中の生き物が消えちゃってるよ!?」


 月奈が驚いた声をあげる。それに釣られて全員が水晶を除きこんだ。


「そもそも生き物なんていました?」


「いたよ!なんかウマみたいな形してる生き物。」


 サーナの疑問に月奈が答えるが、あまり答えになっていない気がする。


「ルンちゃん.....いない...の?」


 怪我をしてしゃべるのも相当きついはずだが、メルシーはハッキリと、そういった。だがしかし傷に響くのか苦しそうな声をする。


 おそらく彼女の言った『ルンちゃん』というのは水晶の中の影につけた名前なのだろう。


「ルンちゃんね......とってもいい子...だからっ......見つけて......も、イジワルしない.....でね...?」


 それだけを言いたかったのか、いい終えるとすぐに気を失ってしまった。どうやら、彼女にとって『ルンちゃん』というにはそれほど大切な存在らしい。


 そして、なぜこんなにメルシーが必死になって注意したのか、その理由が光介にはわからなかった。


 だが、メルシーの言い方から推測するに、誰かに攻撃しにいったのは確かだろう。


 この辺りで手がかりを探そうと立ち上がったところで、インカムからノイズが聞こえる。


『光介くん!その水晶と中の動物についてとんでもないことがわかったよ!』


 何やら未来が慌てた口調で叫んでいた。


『どんなことだ?』


『ええと、その水晶は、自由を司るとかなんとかって書いてあったんだけど、その実、自由を約束するものではなく、自由を縛るというものらしいよ。だからその水晶の力を誰かに使われると、使った相手の奴隷的な立ち位置になっちゃうらしい。』


 それを聞き、光介は一種納得する。自由は必ず裏に不自由があり、自由を約束するなら誰かを不自由にしなければならないということであるからだと。


『それでね、中にはいってるペガサスなんだけど、水晶の一番近くにいる人を守る代わりに、一定回数以上守ったら解放されて、逆に水晶の近くにいる人が取り込まれちゃうの。』


 光介はその情報を聞き、嫌な予感がした。


『しかも、取り込まれるとその人はペガサスの形になってまた次の持ち主を守るようにできてるって。』


 自由を守るために敵を排除するが、享受し続けると囚われる......実に恐ろしいマッチポンプだ。


 水晶の力を使ってしまえばその分恨まれる可能性が高い。その結果襲われる回数が増え、ペガサスが守るごとに自分も囚われの身へと近づく......人間の醜さを逆手にとったようなやり口だ。


 中々卑怯なやり方に納得できない部分がありながらも、光介はメルシーは大丈夫なのかと心配する。


『あ、ちなみにそこの女の子はしばらくは大丈夫だよ。守られた回数を調べたけど、そこまで多くなかったし。それに、ペガサスが守れなくて怪我させてるから守らないといけない回数も増えてるらしいよ。』


 未来が言うと、光介はひとまず胸を撫で下ろす。まさかのペガサス側にも制約がついているとはと思ったものの。


『待って、今奏華ちゃんに調べてもらったんだけど、そのペガサスはさっきの奴隷市で暴れてるらしい。しかも貴族奴隷関係なく、メルシーちゃんを傷つけた元締めを殺すまで止まらない感じだよ。』


 未来に言われた出来事に、感情的になりすぎだろ......とため息をつき、先程メルシーに言われたことを守れなさそうなことに、光介は内心メルシーに謝る。


「三人とも、とりあえず休めそうなところでメルシーを守っててやってくれ。」


 光介は三人にそう告げた。


「光介くんはどこか行くの?」


 光介の言い方に少し引っ掛かるところがあったのか、眉をひそめながら月奈がいう。


「さっきの奴隷市でこの水晶の中にいたはずのペガサスが暴れてるらしいんだ。奴隷も貴族も関係なく殺してるらしい。それを止めにいってくる。」


「待って、私も一緒にいく!」


 月奈が言うが、光介は首をふって月奈を止める。


「月奈はここで三人を万が一のときに守ってくれ。さっきみたいに突然狙われる可能性もあるしな。」


「それはそうだけど......」


「それに、さっき見ただけでも限界そうだっただろ。そんな状態でついてこられても邪魔になるだけだ。」


 光介にバッサリ言われ、少しシュンとしたがすぐにその通りだと自分に言い聞かせたのか、光介にサムズアップをする。


「光介くん!こっちで守ってるから頑張ってルンちゃんを止めにいってね!」


 しかし、光介はいつの間にか姿を消していた。これ以上月奈が駄々こねる前に向かった結果なのだが、月奈の顔が赤く染まった。


「あれあれぇ~?ルナさん?誰に向けてやってるんですか?」


 エルノがニヤケ顔をしながら言ってくるので、


「べ、別に誰にもやってないし......」


と、小さくなりながら消え入るような声で言ったのだった。



 いかがでしたでしょうか?今回は、メルシーが持っていた水晶とその中のペガサスについての言及がされていましたね。誰かを自由にするには誰かを縛らないといけない......深いようで深そうな言葉だなと我ながら思いました。


 次回の投稿も再来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それではまた次回お会いしましょう。


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