新たな光、照らす先。8
楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。
中へと足を踏み入れると、道がほんのり照らされる程度の光が灯り、カビ臭いにおいが地面から立ち上っていた。
そして、遠くから水の流れる音や、時折ジャラジャラと鎖が擦れるような音が聞こえた。
「皆さん、なるべく静かにお願いしますね。見つかるととんでもないことになってしまうので。」
エルノがそう忠告すると、月奈はサーナを掴み、スキルを使って姿を消した。
同様に、光介も姿を消した。
突然前説明もなく使われたことで、エルノが驚く。
「ちょっ、えっ?え…?み、皆さん?どこに…どこに…?え?」
驚きもあるが、困惑しているようだ。姿が突然見えなくなったことに不安にもなっている様子だ。
しかし、暗いところで突然にこんな説明もなくスキルを使われたら、何が起こったか分からなくなるのは当然ではあるだろう。
月奈がエルノの手を掴み、姿を一緒に消した後、説明した。
「エルノちゃん、これは私のスキルで、姿と気配を周りから見えなくするものなんだ。今、周りからは私たちの姿は見えてない状態だよ。」
そう説明されて、エルノは未だ少し困惑しつつも理解することはできた。
「あ、手を離すと効果発揮されなくなっちゃうから、離さないように気をつけてね。」
「はい、わかりました。」
手を繋がれることに、少し気恥ずかしそうにしながらも、とりあえず案内すべく、手を引いて進む。
「この先に段差があるので、お気をつけくださいね。」
エルノが細かく注意しながら進んでいく。
段々と明かりが減っていくと、ほとんど周りの様子が見えなくなった。
一瞬、炎魔法で照らそうかと光介は考えたが、それをすれば見つかるリスクが大幅に上がるだけなので、暗闇に目がなれてくるまで壁づたいにちょっとずつ道を進むのだった。
しばらく歩くと、椅子の上に軽めの鎧を着て腰にじゃらじゃらと大量の鍵をつけた看守がいた。しかもお約束的に腕を組んで、ふんぞり返りながら眠っている。
「えぇっと、エルノちゃん、ちょっと見えにくいかもだけど、あれって牢屋の鍵?」
「......あ、はい、ここのほとんどの鍵はそこで寝てるような看守がまとめて持ってます。」
月奈がエルノ確認して確信を得たため、光介は看守に近づく。
近づくほど看守からはアルコール臭が漂っており、相当呑んでいたことは明らかだった。
なんでこんなやつに看守を任せているのだろうかと、疑問に思いつつも、看守の鍵をとろうと、鍵に触れる。小さく金属同士がぶつかるカチャカチャとした音はしたが、看守の眠りは深いようで、そんなものでは起きる様子はない。
結局、何事もないまま鍵を奪うことができた。
「ね、光介くん。あの人あの椅子に縛り付けてさ、晒し者にしたりしない?」
先ほどまでなにやらコショコショと話をしていた月奈によれば、こいつはサーナやエルノ含め、多くの奴隷たちにセクハラやらなんやらで嫌がらせしていたらしい。
ならば晒すという意味がわからなかったが、最悪あとで起きられて通報されても困るので、手足を椅子にくくりつけ、口も喋ることができないようにしておいた。
その間も起きなかったので、やはり人選ミスとしか考えられなかった。
「あ、いいねサーナ。それも張り付けちゃえ。」
月奈がサーナに向かって呟いた。サーナ何を持っているのかは分からないが、月奈の口調とテンション的に、ろくなものではないのだろう。
すると、縛られた男の服に何かを張る。なにやら紙のようだ。
"この人はセクハラ親父です!そのうち、まだ幼い奴隷たちにさえ手を出す可能性があります!"
読んで、光介はため息をつく。まあだが、この程度のイタズラは何も問題ではないので、光介はもうそのままにすることにした。
というより、このイタズラで少しでも心が晴れるならいいまである。さっきまでの出来事で心が無意識にでも疲弊していることを考えるとだが。
さて、五分ほど道草を食ってしまったが、サーナの記憶にあるものと、事前に調べた情報によると、この道の奥に中々買い手が決まらないような奴隷たちがまとめられていて、そこにメルシーがいるらしい。
他の捕らわれている奴隷たちを見ぬふりするのは心苦しいが、光介たち一行はメルシーをこの暗い中で頑張って探すことにした。
いかがでしたでしょうか?今回は、光介一行が地下市場の奥へと足を踏み入れましたね。そして物語いがちな、もはやいる意味がないような看守が出てきましたね。今後もしかしたら再び登場するかもしれません(未定)
次回の投稿も来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。
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それではまた次回お会いしましょう。




