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英雄(ヒーロー)と呼ばれる俺。8

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


「あの弁当ありがとう。奴らがおいしく頂いたようだったぞ。」


 光介は月奈に話しかける。しかし、月奈は不服そうな様子で、


「どうせなら光介くんに食べてもらいたかった~。」


と、ふくれっ面である。


「緊急時だったからな、仕方ないだろう。」


光介は悪びれもなく答えるが、少し待ってほしい。緊急時に使う弁当とは。しかも、光介はどんな中身かを知ったいただろう。ということは、普段月奈が作っている弁当もこんな感じなのだろう。となると、それを光介はたべている...?


 いくら本人の問題とはいえ、毒渡すのも、それを食べるのもどうかしていると言えよう。


「にしても、俺以外が食べるとかなりの脅威なんだな。一体どうやって作っているんだ?味自体は見た目通り、普通においしいのだが...」


気になった光介が、月奈に弁当の作り方を聞いていた。いや、生物を殺れるレベルのものを食べて平気とは。一体光介の体はどうなっているのだろうか。しかも、それが地球にいるときからの話だというのだから、驚きだ。


 光介に質問された当の月奈はというと、美味しいと言われて、うれしかったのか、何やら頬に手を当ててクネクネしている。典型的な照れ方だ。


「別に普通に作ってるよ?光介くんが俺の分以外は絶対に作ったり、自分で作ったものを食べるなって言うから、光介くんにだけ作ってるんだ。でも、光介くんが平気で食べてたから、問題ないと思ってたんだけど...そんな危ないものだったの!?」


どうやら、自分でも気づいてなかったらしい。月奈自身が食べていないのにも関わらず、自分だけ食べて被害を減らそうとするのは別にいいのだが、食べても平気なのはどうなんだろうか。


「結構危なかったぞ。下手したらトリカブトより強い毒だったな。おかげで『自家製解毒剤』が今までに数十本消えたな。」


おっと、今サラッとものすごいことを言いましたね。トリカブトより強い毒を無意識に生産するとは......危険人物指定してもよいのではないだろうか。


 ちなみに、トリカブトとは、自然界の毒の中ではフグの次ぐらいに毒性が強く、その昔には毒矢として、矢じりにその汁が塗り込まれ使われたほどの、猛毒を持つ植物のことである。


 トリカブトには現状、有効とされる解毒薬は見つかっていない。そのレベルの毒を解毒できる薬を作れるのなら、光介が頭脳的にもかなり優秀であることが分かる。


 さて、一度光介からフェードアウトし、クラスメイト達に目を向けよう。


 もちろん、光介と月奈の話はクラス全員聞いており、いまいちピンと来ていない生徒もいたが、ほとんどが、『解毒剤』の言葉を聞いて一斉に顔が青ざめ、少し光介と月奈から距離を取った。


 だが、この二人の話には興味があるようで、聞いている様子である。アイシャ先生は、光介に話したいことがあるようだが...というより、この教室の中にいるほとんどが、光介に話をしたいようにしている。


 しかし、その後ろで、こっそりと教室に落ちてきた端末のようなものを回収している影があった。


 そのことに光介だけは気が付いたようで、一瞬チラッと目を向けたが、問題ないと判断したのか、特にそれ以降は気にする様子もなかった。


 やっと、月奈と光介の会話も終わり、そこにいるほとんどが、こぞって光介に質問をする。


 その内容が、なんであんなに戦えたのか、月奈が作る弁当に入っている毒とは改めてどういうことなのか、光介が使っていたもの、あれは何なのかなどであった。


 当然、光介には一度に聞かれ、答えきれるはずもなく、そもそも全て答えることはできない。



 代わりに、光介がなぜ、あんな感じで戦えたのか、説明するとしよう。


 まず、あの光介の動きだが、基本的には独学だ。しかし、独学といっても、全部が全部我流というわけでもなく、格闘家の動きを動画などで見て、自分の肉体を鍛え上げた結果である。


 無論、普通はただ鍛えただけでは、ああいうことはできない。だが、光介は見た目でこそあまり変わらないが、肉体の内部の成長をさせ続けたことによって、人外レベルに達したようである。


 つまり、自分の限界を更に高くし、肉体や、戦闘の技術面では文字通り、人間をやめたのである。


 きっかけがあるのではないかと思うだろう。もちろん、光介にもそこにまで至った経緯はある。



 光介は元々普通の青年だった。テレビで見た特撮に出てくるような、ヒーローにあこがれ、ヒーローごっこをしたり、そのキャラのことを調べたりしていた。


 しかも、光介は自分の将来の夢もテレビで見たようなヒーローになるという、子供らしいことも考えていた。


 それになるためにはと、考えた結果、両親からの助言も受け、ボランティアや脱走した猫を捕まえるなど、テレビで見た展開ではないが、光介自身、そういうことをして満足していた。


 しかし、そんなことをしていたある日、光介の両親が交通事故にあった。ちょうど、光介が学校に行っていた時間帯だった。


 そんなことがあり、一度は心が折れた光介だったが、親戚の、


「自分の好きなことをしなさい。好きなことも極めてしまえば、人生の助けになるよ。」


という言葉で、立ち直ることができた。


 その言葉を受け、ますます調べた。そのうち、光介の夢はヒーローからスーツアクターに代わり、どうすればなることができるのかを、調べつつ、もしも不良や怪物がきたら...などの妄想もし、体も少し鍛えたりしていた。


 そんなある日、再び、光介の考えを大きく変える事件が起こった...



 いかがでしたでしょうか?今回は、光介が投げた弁当の正体が分かりましたね。それはそうと、光介の過去には何があったのでしょうか?来週以降にも書いていく予定なので、ぜひ、次の話も読んでいってください。


 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 次回の投稿も来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 それではまた次回お会いしましょう。


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