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新たな光、照らす先。6

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


「さぁ、この奴隷に札を挙げる者はいないのか!?残り五秒で誰もいないならこの奴隷は取り下げとなります!」


 司会の声が響き、檀上の子が今にも恐怖故か、倒れこみそうだ。この様子だと、あの闘技場も見てしまったらしい。


 貴族たちは次の奴隷を期待して、もはや眼中にすらない様子。


「では締め切りますよ?あと三秒だけ待ちますよぉ!さぁん、にぃ、い~......」


「10。」


 誰かが札を上げた。


「おおっと、ここで札が上がりました!しかし、金額はたったの10!どこの貧乏貴族でしょうか。」


 貴族からどっと笑いが起こる。


「例え罰当たりでも、貧乏貴族なら欲しがるこの奴隷!さぁ、値段は10のままですがいかがいたしましょう!?冷やかしや、不当な値段のつり上げはここのモラルに反するためご容赦を。ならばさぁ他に誰もいない!では締め切りです!


 さぁん、にぃ、い~ち......ぜろぉ!!さぁ、過去最低金額落札です!おっと失礼。少々私のお口が達者でないようで。それではおめでとうございます!落札者様は後ほど、こちらへとお越しください。さぁさぁ、どんどん参りますよぉ!お次はこちらぁ!」


 壇上の女の子はホッとしたように、舞台袖へと向かった。どこか安心したように涙をぬぐっていた。


 その様子を見て、光介は一安心する。とりあえずあの子が闘技場行きは免れたのだと。


 その後、しばらくオークションの様子を見ていたが、誰かしら貴族が札を上げていて、闘技場行きの奴隷はいないようだ。しかし、オークションに出ている奴隷たちはほぼ全員表情が暗く、落札されてもむしろ表情に陰りを落とすものも少なくなかった。


 光介は、実際に目で見て確めて思ったことは、自分たちのような外部の人間だけの力でどうにかできるような施設ではないということだ。仮にここで暴れたところで、どうにもならない。


 となれば、内部の人間を丸め込みたい。内部から弱点を突いてもらう役割をしてくれるような貴族が。


 交渉材料はあるにはあるが、どう考えてみてもこの施設をひっくり返すには弱いため、探り探りでいくしかないだろう。


「さぁラストは皆さんお待ちかね、今日の大目玉お披露目です!ホップステップバニー、世にも珍しバニーガール、齢は自称15歳、その実年齢18歳!今ならお得なフワリお手玉尻尾付き。さぁさぁ、ウサギの獣人、狩りや索敵夜の営みお手の物、耳も尻尾もあなたの独り占め!さぁさぁ、今からオークション開始でございます!はい上がりました550!お客さん、いきなり飛ばしますねぇ~はいそして600!670!ピョンピョン跳ね上がりますよぉ、ウサギだけにって?」


 少し会場が静かになる。


「コホン。......多少冷えましたが値段はまだまだ過熱にヒートアップ!830!850!さぁまだまだ上がるぞぉ!」


 会場に笑い声が所々からあふれる。司会は少しホッとした様子だ。


 結局、メルシーは姿がなく、今からオークションに参加したとしても勝てるわけがないので、とりあえず奥へと向かう。


 そこでは、落札された奴隷たちが静かに並んで待機していた。その傍らでは金銭の受け取りをするためか、煙草をくわえ、一人一人の値段を確認する会計さんが。


 とりあえず、先に来ていた貴族の後ろに並び、順番を待つ。


 ちょうど順番が来たところ、会計の人がすぐに奴隷を連れてくる。


「お~、あんたさんが、たった10万で奴隷を落札したってやつかい。」


 気さくに話しかけてくるが、光介はどうしてもその下に見える、金に目がくらんだ色に不快な表情になりそうになる。


 頷いて、金額分を差し出すと、会計は、奴隷の首輪につながる鎖を光介に渡す。


「お兄さん、知らねぇかもしらねぇが、天使や悪魔を騙る人間は他人に不幸をばらまくって噂だ。くれぐれもコイツの扱いには気をつけるようにな。あ、これは奴隷の誓約書だ。燃やしたり、破れたりするとそいつは奴隷じゃなくなるから、保管場所には気を付けな。」


 会計の人は、光介の手に四つ折りの紙も握らせ、行くように促す。


 そう、先ほどのオークションで誰も札を上げないところで札を上げたのは光介だ。奥に行く口実と、三人の意見が一致し、落札することになった。あまり良くないことなのだが、目の前の助けられる一人を助けないのはいささか気分が悪いのである。最悪生きていればどうにかなる精神だ。


 一応建物の中なので、鎖を掴んでいるが、外に出たら誓約書ごとなくすつもりだ。


 トボトボとうつむきながら、少女はついてくる。なるほど、悪魔の角のようなカチューシャに、腰のあたりに着けている黒く、先が尖った尻尾、そして、カチューシャの角で支えられるようにして、頭の上に浮いているくすんだ色の光輪。なるほど、たしかに、イメージの中の悪魔にコスプレしているようにしか見えない。


 光介は、オークション会場からも、休憩所からも少し離れたところで、少しかがんでその子に話しかける。


「なあ、ここの奥のエリアに行く道を知っているか?」


「......え?」


 一瞬どういうことか理解できず、少女は固まっていたが、すぐに意味を理解したようだ。


「あ...あのすぐにお答えできず...その、失礼しました!そこの道を少し行くと、壁と同化した隠し通路がある......ので、そこから入れる...と思います。パスワー、ドもその、わかりま、す......」


 緊張しているのか、少し強張った顔で少女は答える。そしてすぐにハッとして、なぜか土下座をした。


「も、申し訳ございません!申し遅れました!私の名前は『エルノ・フィカーゴ』と申します。」


 土下座の体勢のまま自己紹介をする。


 とりあえず月奈と光介は困惑したため、土下座をやめてもらって普通に自己紹介してもらうことにした。



 いかがでしたでしょうか?今回は、落札されず闘技場行きになりそうな少女を、光介たちが落札しましたね。目の前だけでもなるべく多くの命を救うという、光介の信条は、この地下の奴隷市においても変わらないようです。しかし光介たちが見落としている点が......それに気づいたときが少し怖いですねぇ......


 一応次回から奥へと入って、潜入捜索開始になります。果たして、光介一行はメルシーを見つけられるのでしょうか?


 次回の投稿は再来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それではまた次回お会いしましょう。

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