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新たな光、照らす先。5

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 道中、どこからか悲鳴のような声や歓声などが聞こえてきた。同時に金属同士がぶつかるような音も。この、目が痛くなるような通路に反響して、小さくなって消えていった。しかし、数秒でまた追加。


 月奈が気になったようで、途中にある上へと続く階段に向かおうとしたが、とりあえず光介が止める。


 そして、扉の隙間から歓声や悲鳴の聞こえるところの様子をうかがう。


 そこでは目を当てるだけで辛くなるほどの惨劇が起こっていた。


 地面は多数の死体と血の海、立っている者も血まみれで、虚ろな目、震えた手で剣を握り、もう力が入らないという様子で、弱々しく他の者と剣を打ち付けあっていた。


 少しでもバランスを崩せば、そこを切られ、絶命させられる。


 その様子とは相反するように、それを嘲笑うのかの如く、人が切り伏せられる度に歓声が上がる。


 コロシアム的な闘技場の上には、観客のようにニヤニヤと気色の悪い笑みを浮かべた貴族とやらがいる。


 金でも賭けているのか、血眼になって叫んでいたり、リストを見て、近くの燕尾服を着た誰かに宝石を渡したりしていた。


 なるほど、これも貴族連中の遊びの一つなのだろう。自分または他人の奴隷を闘わせて誰が勝ち残るか、それを見て愉しむという、なんとも悪趣味な。


 しかも、悲しいことにその犠牲者は時間がたつと追加され、壁に表示されている、現在30:16のカウントダウンが終わるまで続くのだろう。


 あまりにも人命を軽視した光景に、光介は苛立ったように歯噛みして。相当ショックだったのか、スキルが解け今にも戻しそうな様子の月奈。何かを決意したかのように、表情を引き締めるサーナ。


 三者三様の反応ではあったものの、次々増えていく犠牲者に心が締め付けられる。


 しかし、本来の目的はここではなく、サーナマップによればまだまだ奥らしいので、それに向かって歩いていく。


 余程の衝撃的な光景で気分が悪いのか、月奈は光介に支えられながら進む。


 進むと所々のドアから洩れる熱気の意味合いが変わった。どこか甘い空気が漂う空間に、所々扉の隙間から洩れる嬌声、鞭うつような音、身体同士がぶつかる音......正直三人とも鼻も耳も目も塞ぎたかった。


 特に月奈は光介に掴まる手の力を強め、歩みが少し速くなる。サーナは不快そうに眉をひそめながらも、周囲の観察は欠かさず、目的の少女......メルシーがいないかを確認していた。


 途中で奴隷とその主らしき人物とすれ違ったが、年端もいかない子どもが丸々肥えた貴族の男性に連れられ、部屋に入っていったりしていた。


 もしかするとメルシーもいるのかもしれないが、幸いというべきか、むしろこの先のことを考えると不幸ながらというべきか、その姿はここにはいなかった。


 サーナによると、主に地下の奴隷市は大きく四つのゾーンに分かれるようだ。


 先ほど通った、闘技場、休憩所(意味深)、そしてこれから通る、オークションゾーン、その奥の何かしらの問題を抱えた奴隷たちの販売ゾーン。


 メルシーは後者二つのどちらかにいるという話だ。可能性としては奥にいる可能性の方が高いらしいが、いつオークションゾーンに来てもおかしくないらしい。


 今のところ三人にとって不快感しかない空間を抜け、オークション会場へとやってきた。そこではちょうど競っているのか、250,270......と貴族たちの希望価格が読み上げられていた。


 さっきまでの衝撃がまだ頭に残ってしまっているせいか、月奈は結局スキルを発動させられなかった。そのため、光介にしがみつく形で競りの様子を伺う。


 対象とされている奴隷は、首輪の他に手枷足枷がつけられ、自らのできることや、魅力としての部分を言わされていた。少しでもためらうと電撃が走る仕様になっているという。そして万が一、誰も買わなかった場合、処分という名目で闘技場送りになってしまうのだという。


 この地下の奴隷市はもはや市場として、貴族たちの娯楽の場として出来上がっているようだ。


 その事に不快感を隠しきれなくなりそうになるも、震える手を精一杯抑え、状況を見る。


 現在、赤髪の狼っぽい耳と尻尾の生えた少年が競り合われていた。


 三桁、果てには四桁突破したところで決着がつく。一応、数字のあとには万がつく。


 そして、次また次と流れていったが、やはりというべきかメルシーの姿はない。


 そろそろ奥に向かおうとしたとき、衝撃的なものを見た。


「さぁ、ここにいますは悪魔モドキ(エセデビル)!悪魔の格好を真似しただけの元一般人のようです!さあ買いたい物好きはいるか!?」


 司会のような人が紹介するが、誰も値段の札を上げない。この世界において、天使や悪魔、神といった超常的な存在を騙るのは相当忌避されることらしい。


 このようなことをしておいて何がダメなのかはわからないが、誰も買いたいとは思わなかったようだ。その奴隷は一々香ばしいポーズをとっているが、かなり無理している。足は震え、歯はくいしばられ、恐怖の色がその目に浮かんでいる。


「ねぇ光介くん、あの子もしも誰も札をあげなかったら闘技場行きなんだよね?」


 月奈が小声できく。月奈の言わんとしたいことは分かる。彼女を助けたいのだろう。だが生憎お金は少量しか持っていないうえに、当初の目的も達成できていない。


 どうするべきか、光介は悩むのだった......



 いかがでしたでしょうか?今回は地下の奴隷市の様子を少し知れましたね。闘技場と休憩所とオークション......もうこの時点でヤバさしかないですが、そこに性格の悪いやつらを1つまみ加えるという想像だけで、あまりいい気はしませんでしたね。


 正直、奥の二つ以外は光介一行は使わないので説明は省略させていただきましたね。


 次回の投稿も来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それではまた次回お会いしましょう。


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