新たな光、照らす先。1
楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。
「さて、着いたわけだが、サーナは顔知られてるんだったな?ちゃんと周りにバレないようにしておけよ?」
ガヤガヤと喧騒賑やかに人々が入り乱れる中、光介はフードを深く被ったサーナに声をかける。
「もちろんです!光介さんにご迷惑をかけるようなことはしません!」
と、元気と自信を満々にして答えるサーナに、少しだけ不安を覚える光介。
その傍らで物珍しそうに、周囲をキョロキョロと回している月奈。特にとある部分に目を長く向けていた。
「奴隷って言っても、こうムチでバシバシしてるわけじゃないんだね。あまり目を向けたくないような扱いをしてるのかと思ってたけど……」
視線の先には首輪をつけてはいるものの、着けていない子供と一緒に遊ぶイヌミミの生えた男の子がいた。
「もちろん、そういう方もいます。むしろ一昔前はそれが主流だったようです。しかし、それをしてしまうと損害が出たり、悪評が広まったりしてしまうため、今は奴隷も最低限大切にしようという空気感になってますね。」
月奈の疑問に答える形でサーナがいう。
「地上はいいんです。問題は地下で奴隷の競りや扱いをしている商人と貴族たちが問題なのです。」
一変して陰りのある表情を見せ、やるせないとでもいうように悔しそうな表情を見せる。
光介も辺りを見てみたが、基本的に首輪をつけている人たちは曇りのある表情はない。少しばかり身なりがよくないが、それでも街中を楽しそうに駆け回っている。
どこにその主人とやらがいるのかはわからないが、少なくとも止めていないということはある程度自由にさせてる証拠だろう。
「サーナ、教えてくれ。もしもだが、自ら奴隷のとなったときのメリットはあるのか?」
遊んでいる様子を見て、誰かに奴隷にされたわけではないのかと、光介の頭の中に疑問が浮かんだ。その質問に、サーナは首をかしげつつも答える。
「メリット......ですか?確かに自分から奴隷になったという人はいますが......何でしょうかね?願望を持ってなりにいく人は例外として......その主人に付き従いたいとか、生活の保証目当てでしょうか?」
「生活の保証?」
「はい。一応主人は奴隷を買うときは必ず生活の保証をしなければならないんです。身分の差ができてしまうとはいえ、同じ生き物ですからね。奴隷は主人にすべてを委ねる代わりに、主人は奴隷を養う。この関係が基本にはなってますね。
そもそもよっぽどのお金持ちでないと、消費目的で奴隷を買う人なんていませんよ。ちょっとした家事のお手伝いや小動物のように、愛玩生物としておいておく人の方が多いんです。」
だから大金持ちの貴族はひどい扱いをする人は多いんです......と、地上と地下での扱いの差が生まれる原因を語る。
表では影響力のある者が、裏でコソコソ奴隷を競り合っているとは中々に皮肉なものだ。それすらを隠すために権力を使う場合があるならなおさら皮肉的なものなのだが。
「地上の奴隷の方々は大丈夫そうですが、今回の目的は地下にいる奴隷たちですからね、護衛とかもいるかもしれないのでいっそう気を付けて参りましょう。」
「もちろんだ。」
「でっぷり太りに太ったおっさんたちを懲らしめるんだね!」
「偏見がひどすぎるな......」
月奈がここまでの話を聞いてこのような偏見を抱いたようだ。
一部そのような人物はいるが、大部分は当てはまらないため、おおよそ間違った偏見である。
「さて、このまま真っ先に地下に向かうのもいいが、地上での貴族についての評判や地下の認知度について知りたい。」
「でしたら、奴隷市場に行くのがよろしいかもです。あそこには色んな情報と噂とが行き交うので。」
サーナが光介に勧め、自分がそこに案内するという。
「奴隷の市場か......あんまり気乗りしないが、この世界の人々の価値観を実際に見ることはできそうだしな。行ってみるか。月奈、変な気起こして暴れたりするなよ?」
「いや、私のことなんだと思ってるの光介くん......」
その問いには答えず、サーナの案内についていく。その道中、光介の耳についたインカムから声が聞こえた。
『光介くん?できたら奴隷市場で首輪と拾ってきて欲しいなぁなんて......』
若干申し訳なさそうにしながらも、声に期待を隠しきれてないこの声は言うまでもなく未来である。1つだけだとデータ不足だから最低もう一つは欲しいらしい。
「まあ気が向いたらな。」
光介は小声で答えるが、未来がつまらなそうにいう。
『それ絶対持って帰ってきてくれないやつじゃん......送られてくる映像で我慢するしかないみたいだね......』
見ただけでもかなり解ると、規格外のことをいっているが、むしろ未来は平常運転であるため、もはや驚かない光介。
過去に光介が改造に改造を重ねたモデルガンを、触れもせずにどこにどういう改造を施したかを言い当てていたので、その目で見て解析する能力はある程度信頼に足るだろう。
さて、奴隷市場に近づくほど喧騒が遠くなった。
一行は空気感の変化を肌でヒシヒシと感じる。
「それでは、ここからはなるべく他の人を刺激しないようにお願いします。」
とサーナの注意が入ったことで月奈はゴクリと息を呑む。
三人は中に足を踏み入れたのだった。
いかがでしたでしょうか?今回は、光介と月奈とサーナが水晶探しと奴隷の少女を助けるために新しい町に来ましたね。なんかこう、解説役がいると安心できるよね。右も左もわからないよりも断然いいですし。
次回の投稿も来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。
面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!
それではまた次回お会いしましょう。




