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クラスメイト救出作戦開始。9

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


「ちっ。もう来たのか。侵入者が。やっと王妃との初めての夜を過ごすことができるのに。」


 恨めしそうに言う様子は光介に対する憎悪で満ち溢れていた。そして、その言い方をそのまま受け取ると、王女とは夜を過ごしたというように聞こえる。尋ねてみるとこんな答えが。


「安心しろ。てめぇが誰か知らねえが、俺は人妻にしか興味ねえんだ。そっちの王女ちゃんには手を出したりしてねえさ。決して俺はロリコンじゃない。今、王女が下着姿だとしてもだ。」


 特に何も言うわけでもなく、ジッと男を見つめていた光介だったが、段々とジト目になってきた。嘘をついてはいないとわかったゆえに、その弁明の内容に呆れてしまったからだ。


「んなことはどうでもいいが、どの道、めちゃくちゃ気持ち悪いぞ。やってること理解してるか?」


 そしてこの一言だ。もちろん、光介には悪気はないのだ。悪気はないのだが、ストレートに物申してしまった結果がこれである。


 あまりの物言いに男は頭に血が上ったのか、床に何かを叩きつけてしまった。それは家族写真のようで、国王と王妃、王女が笑顔で写っている。今の王女の様子からしても最近撮った写真のようだ。


 それに目を向けつつ、大臣にさらなる追い打ちをかける。


「ロリコンじゃないとか言うなら、なぜ王女の服を脱がせてるんだ。そういう趣味があるから言ってるのだろう?というか、この世界にロリコンって言葉があったんだな。」


「て、てめぇ、馬鹿にしやがって.....!!」


「馬鹿になんかしてないぞ。今ここでする話じゃあないが、性癖は人それぞれだ。他人がとやかく言うものではないし、否定するものでもない。


 だが、他人に迷惑をかけるようなことをするっていうんなら、それはダメだ。そういう妄想は頭の中だけでしとけ。犯罪を犯すから全体としてマイナスな印象になるんだからな?まあ、自分の中だけでとどめておくだけでいいって話だが。」


 なぜか大臣は正座し、光介の話を頷きながら聞いていた。


「つまり、こういうことはしてはダメということですね!?」


 なぜか敬語だ。


「ああ。相互同意があったとしても、倫理的に考えたり、法律で考えて、アウトなところは突いてはいけない。そもそも今回の場合、王女は洗脳されている。それだけでも王女の意思の尊重がされていないのに、下着姿にするなんて尚更だ。」


 なぜか説教している。


「はい......すみませんでした。今後同じようなことがないように気をつけます。」


 なぜか反省して......いや、反省するのはむしろいいことだ。


「わかったら、王女の洗脳を解いてください。そして、王女本人に謝りなさい。洗脳したのはあなただとこちらは分かっているのです。ついでに壊した写真入れのことも。」


 なぜか月奈が洗脳を解くように促していた。面白く感じたのだろう。


「はいわかりました......って、今の誰の声......違う違うちがーう!!」


 急に立ち上がり、大臣は一応寝ている王妃に配慮したのか、音量を落として叫んだ。


「そうじゃなくて、簡単に言うぞ?俺は悪役。君はヒーローみたいな立ち位置なんじゃないの!?なんで説教されて俺は納得しそうになってんだ!?」


 残り少ない髪の毛を引きちぎり、己の正気を疑うといった様子に、光介と月奈は若干引く。それはそうと、このおっさんはテンプレを理解しているようだ。


 ポケットから緑色の水晶のようなものを取り出し、光介たちに向ける。


「ほら、これを見ろ。これでお前は洗脳される。俺の傀儡人形となるのだ!」


 自信たっぷりな様子を見るに、この男も何度も使ったことがあるのだろう。しかし、光介はあからさまに胡乱な眼差しを向ける。


「何してんだ?別になんともないぞ?少しその中身は気持ち悪いが。」


 言葉通り、水晶の中でなにか粘着質の生物のようなものが、(うごめ)いているところしか見えない光介は、何がしたのかわからず、困惑する。


 そして、すぐ後ろに嫌悪感を感じた。とっさに「睡眠導入グレネード」を投げて煙幕を作り、扉のすぐ横に転がる。


 すると、さっきまでいたところにヤマブキ色の液体が、叩きつけられた。


 地面からシュウシュウと黄色い煙が上がっていた。また、飛び散ってきたそれが皮膚に当たり、燃えるような痛みに襲われた。


 最悪だ。と、カメラを見て月奈の位置を把握しつつ、煙幕に隠れて、大臣の手から水晶を奪い取る。


 幸い、部屋の中までは攻撃してこないようだった。


 月奈が洗脳状態になってしまった。なぜ光介が洗脳されなかったのは謎だが、ここで月奈が敵に回ったのはかなり痛い。しかも、あの威力の毒をまともにくらったら一瞬で骨まで溶かされてしまうだろう。


 光介がふと足元を見ると、ガタガタと歯を鳴らし、震えて腰が抜けた様子の大臣がいた。よく見ると、腕が焼けただれたように、肉が見え、痛々しい様子を醸し出していた。


 月奈が部屋の中まで攻撃できないのをいいことに、光介は大臣に話しかける。


「なんでこんなことをしようとした?俺としても敵に回されたらかなり厄介だったんだが。」


「な、なんだよ今の......魔法とかスキルとかいうレベルじゃねぇ......何でも溶かせる毒とか聞いたことないぞ......」


 話を聞いていないようで、視線はひたすら部屋の入口へと向いている。


 ちっ、と光介は舌打ちをし、なんとかこの水晶を壊せないか、試してみることにする。


 一旦、スキルで姿を消し、飛び出してから黒田の剣を借りて、水晶に叩きつける。


 思いっきり弾かれ、しゃがみ込んでいた光介は体勢を崩し、尻餅をついてしまった。しかし、その音で月奈が気がついたのか、再び先ほどと同色の毒を放ってきた。


 光介はすぐさまその場から離れ、転がって避けつつ、しっかりと受け身を取る。水晶は後回しにして、月奈を無力化するのが先だと思ったため、一旦水晶をポケットにしまう。


 そして、操られた月奈を面倒に感じてしまう光介だった。


 やっぱり月奈は置いてきてたら......と思ったが、何度か月奈は光介を援助しているので、一概にそうとも言えないな。と、一瞬でもネガティブに考えてしまった自分を恥じるのだった。あくまでも敵として面倒に感じただけである。一瞬でも月奈そのものが面倒だと感じたわけではない......はず。



 いかがでしたでしょうか?今回は、光介が黒幕に出会いましたね。割と気持ちの悪いことをやっていましたが、おっさんの心に何があったんでしょうね?下心しかないでしょうとも。


 それはそうと、光介は果たして、月奈を止めることができるのでしょうか?お楽しみに。


 次回の投稿も来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それではまた次回お会いしましょう。


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