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クラスメイト救出作戦開始。4

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


「そういえばさ、光介くんは私を助けてくれた日のことを覚えてる?」


 小麦と月奈の方を見たまま、唐突に光介に質問した。


「急にどうした?俺はちゃんと覚えているが......」


「あのときは光介くんが人間じゃないと思ったね。」


「まあ、少なくとも一般的な人にできることじゃないだろう。」


 アハハと未来は笑い、


「壁を駆け登って、ビルの屋上にくる人なんて、普通......っていうか、いると思えないもんね。」


と当時を思い出したのか、懐かしそうに目を細めながら言った。


 正確には光介はビルの壁を走るような事はしていない。強いて言うのなら、ビルの窓のふちのわずかな出っ張りを足場にして跳んで登っていっただけだ。どのみち、人間にできるような代物ではないが。


「今考えれば、あの日のことがあったおかげで、今があるわけだしね。懐かしいなぁ〜。」


 未来が懐かしそうにしているのを見て、光介も思い出す。


 あれは光介が立ち直って数カ月後のことだった。


 下校中、複数人の覆面をかぶった男たちが、当時の未来を誘拐しようとしていた。そのときは二人はまだ面識はなく、それが本当に初対面であった。


 そして、男たちに連れ去られそうになっている未来とバッチリ目が合い、助けて。と、訴えてきているのは明白だった。


 男たちも周囲を警戒していて気がついたのか、光介を見つけた。男たちは目撃者だが、どうする?と相談したうえで光介もついでに連れ去ろうと手を伸ばしてきた。


 もちろん、誘拐されるわけにもいかないので、光介は男たちを次々と倒していった。しかし、その隙に二人の男が未来を連れ去ってしまっていた。


 とりあえず、男たちのことを警察に通報し、その時に見た車のナンバーと車種を伝えた。あまりにも正確に覚えすぎていたため、警察からは関係者じゃないか?と訝しまれたが、記憶力が良く、こういうときの対処法を最近学校で習ったと伝えると、一応納得はしてくれた。


 それからは早かった。その晩に、未来を連れ去った男たちの犯行声明が出されると、犯人が指定した場所に警察が集まり、様々なメディアも殺到した。中にはドローンまで飛ばして、中の様子を映そうというところもあった。


 そこからは数時間にらみ合いが続いたが、メディアが警察に注目している間、光介がその現場に現れた。場所がわかった理由は簡単だ。


 各メディアがあることないことを報道している中、共通して場所は同じだとわかったからである。光介の家からは20キロほど離れたところにあった。


 目的地に到着すると、前述したとおり光介が屋上まで駆け上がり、背後から男たちを次々殴り倒して気絶させていった。


 最後の一人が、辛うじて未来の首元にナイフを当てることができた。


「そこのお前、止まれ。こいつが刺されてもいいのか?」


 余裕たっぷりなにやけ面で光介に言うが、焦っているのは明白だった。とはいえ、流石に目の前で人質を取られているとなると、光介でもどうしようもない。どうしようか迷っていたときだった。


 突然、男が痙攣し、地面に倒れ伏した。白目を剥いている。


「もぉ~こいつら私が発明家だって知ってるの?護身用の道具ぐらい作ってるっていうのに......」


 未来の仕業だった。さらわれて怖かったはずだが、光介を視認するやいなや、気丈に振る舞っていた。しかし、その足は震えていて、よほど怖かったのだとわかる。


 その時は光介はなだめるために、未来から話を聞いていた。


おくびにも出さなかったが、実は光介も内心では怖くて仕方がなかった。万が一、助けられなかったらどうしよう、でも、自分がやればあの子は助かる。だけど怖い。だけど、助けてと訴えられたし、助けてあげたい。


 そんな思いが渦巻いていた。しかし、そういった恐怖や不安という感情を押し殺し、実行に至った。その根源はやはり、過去にあの子を助けられなかった分、これからより多くの、せめて自分の近くにいる人は助けてあげたいという思いだろう。


 当時、男が突然倒れた理由は訊けなかったが、その後、ボールペン型のスタンガンで気絶させたという。普段は普通のボールペンとしても使えるらしく、護身用兼勉強道具だった。


 なお、投げると煙幕を発生させる消しゴムや、とあることをすると、鋭く尖って、人に刺さる速度で飛んでいく、文字通りのロケット鉛筆、投げればどこかに刺さって小規模な爆発をする、定規なども文房具シリーズの護身武器として持っていたらしい。誤作動もないとのこと。


 とまあ、話がそれてしまったが、未来を助け出し、落ち着かせたあと、一緒に1階に降りていった。そして、階段前のところで、見つからないように未来と分かれ、光介は帰路についた。


 出てきた未来にメディアが殺到し、未来を困らせたが、警察が止めたことで、メディアの先行取材争いは止まった。


 そちらに全員が注目している間、裏から光介は出ていったのだが、その後、メディアの取材を受けた未来が光介のことを話してしまったのだ。


 未来は名前を聞きそびれていたので、特徴しか話せなかったが、その特徴を基に似顔絵が作られ、彼女の両親が血眼になって光介を探していたという。


 また、メディアは光介のことを取り上げようと、光介近辺を探っていたようだが、中々調べられず、事件の熱が引いていった。そのため、やっと一件落着といったところだった。


 少なくとも、光介は中学校の同級生などに、お前に似てるな。と、似顔絵を見て言われ、苦笑いすることになっていたが。


「そういえば、よく考えたら、あのとき光介くんに迷惑をかけちゃってたね。ごめんね?」


  当時の光介の様子も想像してみたのだろう。光介に謝っていた。


「いや、俺も中途半端に名前も告げずに帰ったんだ。仕方なかっただろう。それに、当時の似顔絵で勘ぐられただけで、別に悪いことはなかったぞ?」


 迷惑は一切かかっていないという光介。その優しさに未来はフッと笑い、ただ一言。


「あのときは、ありがとっ。」


 とだけ言った。光介が信頼されている理由が、少し解明された。




 いかがでしたでしょうか?今回は、光介と未来の出会いのときが語られましたね。結構、独特な出会い方ですが、本人たちからしたら、むしろ、それで良かったとのことみたいです。


 次回の投稿も来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それではまた次回お会いしましょう。


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