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世間から英雄と呼ばれた俺が異世界に行ったらすること  作者: cats&ryu
第一章

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クラスメイト救助作戦開始。1

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 日が完全に落ち、辺りは暗闇に包まれ、月明りだけが静かに地上を照らす。その様子は昼間とはまるで異なり、特殊な草の色のこともあって、どこか幻想的な風景だ。


 その中を駆ける黒い影が二つ。


「ねぇ......ちょっと.....速すぎるよぉ......ちょっ、と......待って」


 片方はぜぇはぁと肩で息をしているが。


 この二人は当然月奈と光介である。


「まだ300メートルぐらいしか走ってないだろう。あとまだ2キロぐらいは残ってるぞ。」


 光介は疲れてしゃがみこんだ月奈に残りの距離という現実を教える。


「こういう...異世界なんだから......さ、ワープとか......ないの...?」


 要は目的地まで楽に行きたいとのことだ。確かに目的地に向かうまでに疲れてしまえば、作戦の大幅な変更をしなければならないこともある。


 光介は仕方がないと、月奈をおんぶして目的地まで向かうことにした。


「いやぁ、今ならいけるかなって思ってたんだけどね......光介くんが速すぎてすぐに疲れちゃったね。」


 無理だよ......と、光介に辛うじて聞こえるような声量で呟いた月奈に苦笑する。


「だってさ、異世界(こっち)に来てから、体力も多少はついて、身体能力が一気に上がったし、行けるかと思ったんだよ。」


 おそらく頬をプクゥと膨らませているであろう月奈に光介が一つ注意する。


「別に俺に挑もうとしてくるのなら、まだいいが、重要な場面......特に命の懸かるような場面では、絶対に舞い上がるなよ?下手したら取り返しのつかない、癒えることのない傷を心に負うことがある。」


 過去の自分もそうだったと、珍しく暗い雰囲気を漂わせて語る光介に、思わず月奈はゴクリと息をのむ。


「それはわかったよ。気をつけるねっ。でも、成長してるのはホントでしょ?今もちゃんと振り落とされてないし。」


 慌てたように話を転換を図った月奈は光介を気遣ってのことだろう。


 月奈に言われて、光介は確かにと、今気づいた。今まではこの速度では、肩を掴む手が結構不安定だったが、今はしっかりと握られていて、絶対に離してなるものかという、執念すら感じそうな力強さがある。


 前までは、お姫様抱っこでしか、絶対に振り落とされないという確証のある体制はなかったが、今はおんぶでも振り落とされていない。そこはやはり成長していることの証明に他ならないだろう。


「じゃあ、もう少しスピードを上げてみるか?」


 少しおどけたように言ってみせる光介に月奈は一瞬戸惑ったが、すぐに慌てて否定する。


「いやいやいやいや、これ以上速くなったら、安全バーのないジェットコースターだよっ!!」


 その全力否定に、フッと苦笑した光介は、前を向いて目の前にそびえる城壁に目をやる。ぶつかる寸前だった。


 急ブレーキをかけ、止めきれなかった速度は後ろに無理やり跳んで、ぶつかるのを回避した。


 ぶつかると思った月奈は思わず目を瞑っていたが、体にかかる急激な変化でゆっくりと目を開く。


「すまん。話に気を取られて前を見ていなかった。」


 光介らしかぬミスに、月奈は一瞬呆気にとられたが、自分は全然大丈夫だと言うと同時に、少し光介が心配になった。自分もしっかりしないと!と、意気込む月奈だった。


(まずいな。今日の分の集中力がほとんど残ってないかもな......口でああ言ってるが、俺も気をつけないとな。)


 この自分の一つのミスで心から反省する様は、ある意味異様ともとれる。しかし、そんなことで凹んでいても、作戦も何もあったものではないので、ここは切り替える目的に表情を硬く引き締める。


「よし、月奈、ここは見る限り、正面ではない感じだ。中に入る方法がないから、毒で腰の高さまでぐらいの穴を壁に空けてくれ。」


 近くにあった手ごろなサイズの岩を見つけ、それぐらいの大きさの穴を壁に空けろと言う。


 いきなり言われた内容に、月奈は目が点になったが、すぐに理解する。


「そういうことねっ!うん。わかったよ。」


 目を瞑って毒を生成する体制に入る。


 出す量が違うのだろう。指先ではなく手のひらを壁に向ける。足元が淡く紫色に光り、手のひらにコップ一杯分ぐらいの黄色い液体が集まる。


 月奈が目を開くとそれを前方に飛ばし、壁の一部を光介の言ったぐらいの大きさで溶かした。


「それじゃあ、町の人にみられるかもしれないから、姿を消して、さっき渡したイヤホンをつけて付いてきてくれ。」


 そう言いながらイヤホンを取り出して耳に着ける。月奈も同じく耳に着けて、息を吸い込んで姿を消す。


 これではどこにいるのかわからないだろう。しかし、このイヤホンには小型カメラが付いていて、月奈の視点が分かるようになっている。


 光介も空きスキル一覧①のところにつけておいた、この気配を消すスキル.....『暗殺隠滅(アサシンハイド)』を使う。


 こちらも月奈から姿を把握できるようになっている。


 そして、穴を潜り抜け、岩でその穴を塞ぐ。


「それじゃあ、あの一番大きい建物......端的に城だな。そこに向かうぞ。」


 はたから見れば何もないところから声が聞こえてくる心霊的恐怖体験を味わえるだろう。


「オーケー。じゃあ出発しよ~。作戦開始だねっ。」


「ああ。見つからないように気をつけろよ?」


 二人とも目的地へ向けて歩き始めた。


 この出来事に終止符が打たれるまで残り4時間。はたして、光介たちは作戦成功できるのか......!?



 いかがでしたでしょうか?今回は、光介たちが立てた作戦を開始しましたね。予定通りに行けば御の字ですが......いったいどうなるのでしょうか!?


 次回の投稿も来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 面白いと感じたら、ブックマークや評価をぜひ、よろしく願いします!モチベーションや、物語の流れにもにつながるので!


 それではまた次回お会いしましょう。


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