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英雄(ヒーロー)と呼ばれる俺。10

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。


 光介はボクシングを習い始めたが、あっという間に、1年という短い期間で師匠である、元不良の父を超えてしまった。


 それどころか、大会は相手へのノックアウトがあまりにも速すぎるため、参加できなかったが、光介はそれで満足していた。


 光介は教えることはもうなくなったと、そこを卒業した。


 その後は、他に習い事をするわけでもなく、日課となってしまった筋トレや、フィジカルトレーニングをして過ごしていた。


 そんなある日、またしても事件に巻き込まれてしまう。


 遠足で行った先に、科学研究所があった。そこで、ふざけたクラスメイトが試験管を倒してしまい、中身が光介に降りかかった。


 そのときは他には何もなく、ふざけたクラスメイトに厳重な注意があったが、それぐらいのものであった。


 しかし、それから数日後、体育の授業中に自分の異常に気が付いた。


 そのときはバスケだったのだが、ゴールを決めようとジャンプした瞬間、数メートル飛び上がったのだ。


 もちろん、今までそんなこともなく、突然の変わりよう周りどころか、光介自身も驚いていた。


 その日の帰り、光介は何者かに拉致された。目を覚ますと、どこかの研究室のような場所におり、手足を縛られ、動けない状態にされていた。


 精いっぱいほどこうとするが、当たり前にほどくこともできない。


 すると、その部屋に誰か入ってきた。


 研究員のようで、その研究員には見覚えがあった。この前の遠足の時にいた研究員だ。


「君、この前ここに体験学習に来ていたけど、なんの薬品がかかったのか分かるかな?」


 その研究員は光介が縛られてるのも気にせず、質問してきた。


「いや、まずなんで俺は縛られてるんですか?」


光介は質問を返すが、その研究員は答える様子はない。むしろ、質問に答えることが質問の答えだと言うように、にっこり笑った。


 光介はその研究員をにらんでいたが、結局、


「...えっと、俺の体には何がかかったんですか?」


というように光介が根負けした。


 その言葉を聞き、その研究員は手を差し出してきた。


「私は有村(ありむら)というんだ。しばらく君の経過観察をさせてほしい。あの薬品にはどんな効果があるかわからないからね。」


と言って。


 もちろん、光介はその手を取ることができない。なんなら、その研究員を...有村をさっきよりもにらみを強くした。


「縛られてるんですよ?ふざけてるんですか?」


 こんな状況にもかかわらず、光介はキレそうになった。


 有村は苦笑いして、手足の拘束を解き、光介に謝った。


「ごめんね。上が、何があるかわからないからって、正常に対話できるまでは縛っておいてくれって命令でね。」


 そんなことはお構いなしに、光介は周りを見渡した。そこには、大きな培養液のようなものが入ったカプセルがあった。


「そういえば、まだ一つ、君の質問に答えてなかったね。君には少し研究中の特殊な液体...いや、正直に言おう。あれは研究中だった新種生物の培養液だったんだ。


 しかも、現段階の研究では、他の生物の体内に入ることで、寄生主の身体能力を爆発的に高めるんだけど、今のところは特に健康に影響はなくて、体への異常も見られないんだけど...一応、もしもの時のために経過観察だけさせて欲しいんだ。少なくとも君の身の安全の確定ができるまではね。」


光介は思ってしまった。デメリットもなしに身体能力が上がったんだったら、夢であるヒーローに近づいたのではないか?と。それどころか、それと同じぐらいになったのではないかと。


 しかも、話を聞けば、経過観察と言っても、朝、一日に一回体調を聞きに来るだけとのこと。


「まあ、僕たちのミスで実験中のものをあそこに置いちゃってたしね。できるだけ君に負担がないようにするよ。」


 とまあ、こんな感じだったので、光介は承諾した。


 結局、その日は返された。家に帰ると、光介の叔父は心配している様子だったが、有村から事情を聞くと、怪訝そうな顔をしながらも、その研究所のことを調べてみて、ちゃんとしたところだと分かると、胸をなでおろしていた。


 その次の日から日常に健康診断が増えた。しかし、それ以上は特に何もなかったが、光介は休みの日は町を見回り、ひったくりや窃盗犯を捕まえる手伝いをする...という妄想をしていた。


 しかし、筋トレや、フィジカルトレーニング、スプリントなどのランメニューや、動画で柔道や剣道、その他格闘技等も見て、自分なりに練習に追加し、体を鍛えていた。このときはまだ、人間の限界は超えることはできてなかったのだが。



 とまあ、こんな感じである。光介が英雄(ヒーロー)と呼ばれた経緯はまた今度紹介するとしよう。


 光介はクラスメイトからの質問を所々事実を隠しながら、ここまで強くなった大体の流れを話した。


 まあ、他にも原因はあるわけだが。


 とりあえず、この場は収まったとして、月奈が手を叩いて全員に呼びかける。


「はいはーい、光介くんへの質問は終わりにするとして、これからどうしていくか、クラスの方針を決めようよ。」


 どうやら、アイシャ先生も同じようなことをしようとしていたようだ。興奮冷めやらないクラスメイトを尻目に、光介は続きが気になっている小説を読み始めた。......実にマイペースだ。



 いかがでしたでしょうか?今回は光介の身体能力の原因を知ることができましたね。例の新種の生物が今後につながっていくかもしれません......?


 次回の投稿も来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 それではまた次回お会いしましょう。


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