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英雄(ヒーロー)と呼ばれる俺。1

 楽しんでいただけたら幸いです。最後まで読んでみてください。

「君はわたしを助けてくれる『英雄(ヒーロー)』なんでしょ?」


 屋上でそう言った彼女はフェンスの向こう側だ。


 光介は彼女に思い直すように必死に叫ぶ。


 しかし、その思いに反し彼女は倒れるようにして宙に投げ出された。


「____!!____!!」


 光介は必死に彼女の名を叫ぶ。光介が最後に聞こえたのは


「次は助けられるといいね。」


その言葉だけだった。



「っっっ!!はぁはぁ...」


 呼吸が荒い。いつもの光介ならありえることはない。なぜならその鍛え上げられ、人外並みのイカれたフィジカルを持つ彼は当然スタミナを切らすことがほとんどないからだ。


 悪い夢を見た。と、光介(こうすけ)は頭から何かを追い出すかのように頭を振り、ベッドから起き上がり、顔を洗いに洗面所へと向かう。


 洗面所へと向かう途中、そこにあるのは国内、海外、SF、アニメに限らず、数多くのジャンルから来たフィギュアやキャラ図鑑などがある。


 一見すればただのオタクにしか見えないだろう。だが、光介にとっては大事な研究材料(・・・・)である。


 なぜならそれは......ピンポーン...おっと、だれか尋ねてきたようだ。


 光介は顔を拭き、タオルを首にかけたまま玄関へと向かう。


 ドアチェーンをかけてからドアを開ける。この時間に来るとある人物を警戒しながら。


「おはよ!光介くん!今日もいい天気だね!学校に行く準備を手伝おうか?」


と、太陽を体現したかのような無邪気で明るい顔をしている彼女に、光介は思わず怪訝そうな顔を向ける。


「何のようだ?いつも朝っぱらから来るなと言ってるだろう。」


「えっとね、今日はお弁当作ったからお昼一緒に食べよ?」


「相変わらず人の話を聞かないな。しかもそれを言うのは明らかに昼休みとかいうものだろう。」


「それじゃあ、お弁当が無駄になるか、お弁当あげる人を太らせる事になっちゃうじゃん。学園モノの見過ぎだよ。」


「そうか。じゃあいらない。俺は自分で作るからな。」


光介がそっけなく答えると、彼女は見るからに「不機嫌です!」と主張するように頬を膨らまし、不満を伝えるのかと思いきや、一転して笑顔になり、上機嫌に頬を紅潮させながら光介に言い始める。


「いやあ、だってさ、せっかくお弁当を作ってきたのにこうやって冷たくあしらわれたら嬉しいじゃん?」


 おっと、少し精神に問題があるようだ。


 光介は少々悪寒を覚え、いつものように暴走を始めそうな彼女を止める。


「おい、いい加減にしないと学校まで『飛ばしでおんぶ』を最高速で20週するぞ。」


 おっと、こちらも少しおかしいようだ。そんなもの聞いたことも見たこともない。


「え〜たったそれだけ?あと80週くらいしないと私は止まらないよ?それかお弁当を食べてくれるなら許してもいいよ?」


 光介はこのいつものやり取りにめんどくささを覚えたのか、ため息をつき、観念したように手を上げ、


「わかったわかった。食べることにするよ。」


と言ったが、手を上げても彼女から見えない事に気が付き、すぐに手を下げた。


 その言葉を聞いた彼女は目をランランと輝かせ、


「えっ!?それって私を食べてくれるってこ...」


 光介は無言で音を立てずにドアを閉め、鍵をかけた。更にどこからともなく持ってきた自作のドアをロックする装置を付け、キッチンへと向かった。


「そろそろ、家に装備(・・)させたほうがいいんだろうか。」


 やはりこの人は周囲よりズレているようだ。今の言葉は決して悪口や誹謗中傷の類ではない。


 朝食は何を食べようかと光介が悩んでいたところ、


「その材料ならスクランブルエッグとベーコンとコーンスープと、トーストでいいんじゃないかな?」


と、突然後ろから聞こえた。


 しかし、光介はそのことを知っていた、あるいは予測していたかのように、


「今日はどんな方法で中に入ったんだ?月奈(ルナ)。毎回対策してると思うんだが。」


振り返りもせずに彼女に尋ねる。


 彼女はソファーに座り、さっきと変わらない笑顔で、されど、先程とは異なる意味合いの笑顔で、


「対策できるならその対策の対策ぐらいはできるよね!」


といつも通りに自慢げに答える。


 まあなんでもいいが。とエプロンを付けつつ光介は小さくつぶやき、


「せめて靴ぐらいは脱げ。」


と靴のままソファーで飛び跳ねている彼女に言う。


 しかし、彼女は悪びれる様子もなく、


「え〜だってねえ。光介くんはかわいい女の子の脱ぎたての靴は大好物でしょ?これを光介くんの朝ごはんのおかずにしようと思って。」


やはり、この人もネジが数本マリアナ海溝の底で錆び朽ちているようだ。


「誰が変態だ。そんなことはいいから早く靴を脱いでこい馬鹿野郎。掃除がめんどくさいだろうが。」


「は~い!わかりました!」


月奈は悪びれる様子もなく、なぜか敬礼して廊下へと出ていった。靴を履いたまま。


 床にカーペットを敷いておらず、フローリングのままであることに感謝したほうがいいだろう。むしろ、神と称え崇めても誰も文句はないだろう。掃除は少しでも楽にしたいものだ。


 


 いかがでしたでしょうか?さてさて、物語の展開はどうしようか悩んでいる僕ですが...この作品で二作目となりました。とは言っても一作目もまだ全然終わっていないので並行してやるのですが。頑張っていきます。自分が面白いと思う物語を書いていきますので、皆さんにも楽しんでいただけたら幸いです。


 一応、一作目のサブとして書いていくつもりなので、読んだことない人はメインである「便利なスキルがあるから異世界サバイバルぐらい余裕だよ?」もぜひ読んでみてください。


 次回の投稿は来週の土曜日の予定です。※都合により遅れる場合があります。


 それではまた次回お会いしましょう。


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