小学校時代~コンプレックスの発端~
私の3つ違いの弟は幼いころ優秀だった。
初めて自分と弟のスペックの違いを認識したのは、小学校の頃だったと思う。
私は剣道を小学二年生からやっていた。募集のポスターを見たとき、刀を持っているのがかっこいいと思ったからだ。弟も私につられて、年中の時から始めていた。初めての大会に出たのは、1年後くらいの小学三年生の時だった気がする。私は小学校中学年の部に出て、1回戦で敗退した。まあ初参加ならこんなものだろうと思う。弟はその大会の幼稚園・低学年の部で三位か二位になっていた。その時は弟が参加したのが人数の少ない、下の部だったからその結果になったんだと思った。
その後、私は中学生、弟は高校まで剣道を続けた。私は小6の頃にあった身内に毛が生えたような参加者で行われた小さな小さな大会の団体戦で、3位入賞したのが唯一の入賞経験だった。あの時もらった小さなメダルのことは今でも思い出せる。弟はそのころにはもう、机に載りきらないくらいの大量のメダル、賞状、盾をもらい、何かの代表にも毎年選ばれていた。私が大会の一回戦で負けた後、勝ち進んだ弟の試合が終わるのを待つ時間は長かった。私は、弟があと何回以内に負ければ弟の表彰式に出る必要がなく、早く帰ることができるのかを数えながら、弟がこんなに勝てるのは弟が剣道を始めたのが単に私よりも三年早かったためだと自分に言い聞かせていた。
私は中学三年生の引退試合を、個人戦初戦敗退、団体戦補欠で終えた。今思えば、弟と歳が三つ離れていたのは幸いだった。同じ枠組みのトーナメントには一度も出ないで済んだ。