7話:米国同時多発テロ事件とアルカイダ攻撃
2001年9月11日の朝8時46分「日本時間21時46分」、アメリカン航空11便がワールトレードセンター・ノースタワーに激突した。最初は、事故なのか、意図的な攻撃なのか分からなかった。
続いて朝9時3分「日本時間22時3分」、ユナイテッド航空175便がサウスタワーに激突。攻撃だと誰もが確信した。ニュース番組の生中継が、まさにその瞬間を捉え、日本でも、その光景が流され、まるで、映画を見ているような不思議な気分になった。
ユナイテッド航空175便は搭載していたジェット燃料に火がつき、爆発・炎上。炎は2つのビルに燃え広がった。ビルに閉じ込められた人たちは窓から様子を探った。煙と炎が迫ったが、階段は破壊されていた。
この時、日本は午後21時46分。NHKでは「ニュース10」の放送直前にテロの速報が外電され、急遽、放送内容を切り替え、ニューヨークからの映像を放送した。
この時は、事件か事故かの確認中でしたが、そのわずか3分後、2機目となるユナイテッド航空175便が世界貿易センター南棟に激突した。この激突で日本でも初めて「テロの可能性」という情報が入った。
この映像は全世界にリアルタイムで中継されたため多くの人が衝撃を受けた。この映像を見ていた島村夫妻は、信じられないという感じでテレビの報道番組を食い入るように何も言わず、眺めていた。
島村善次は、これで、アメリカの世界支配も終わったかもしれないと思うくらい衝撃的な映像だった。その後、9時38分、「日本時間22時38分」アメリカン航空77便が国防総省「ペンタゴン」に激突。
5分後、FAA「連邦航空局」は、その歴史上初めて、アメリカ合衆国大陸部の民間航空機の離陸を禁止し、飛行中の民間機に近くの空港に着陸するよう命じた。
しかし、日本では、ペンタゴン「アメリカ国防総省」の近くに、飛行機が墜落したらしいと報道しか流れながれず、この話は、ずいぶん後になって報道されることとなった。当初、ペンタゴンのテロは、極秘事項で、分からなかった。
そして現地時間9時59分「日本時間22時59分」、世界貿易センターサウスタワーが崩壊。脱出する人たちは粉塵と灰にまみれた。現地時間10時3分「日本時間23時3分」、ハイジャックされたユナイテッド航空93便がペンシルバニア州シャンクスヴィルに墜落。
実行犯は合衆国議会議事堂を狙ったと考えられている。乗客は他のテロ攻撃を知り、協力して機を奪い返そうとした。10時28分「日本時間23時28分」、世界貿易センターノースタワーが崩壊。
わずか12秒で崩れ落ちた。ニューヨークでは2753人が死亡。死者数には救出活動に駆けつけた343人の消防士と救急救命士、60人の警察官が含まれる。ペンシルバニアでは40人、ワシントンD.C.では184人が死亡、死者数は3000人近くにのぼった。
9.11後、国民は攻撃の影響を受けた人々を助けるために協力した。これは、アメリカの政治・経済の中枢を狙った「同時多発テロ」であり、アメリカ政府・ブッシュ大統領は、その犯人は19名のイスラーム原理主義者である。
また、彼らに指示を与えたのはオサマ・ビン・ラディンであると発表。また、実行したのはその組織である国際武装テロ集団アルカーイダであると伝えた。2001年10月7日、アメリカ・イギリス軍「有志連合」はインド洋の艦船から戦闘爆撃機による攻撃を開始。
潜水艦から巡航ミサイルを発射して、カーブルのターリバーン政権中枢やアルカーイダの訓練所などの空爆を開始した。この空爆でアフガンに投下された爆弾は、第二次世界大戦中、1941年から42年のロンドン大空襲でドイツ軍が投下した爆弾の半分に相当する1万トンに達した。
空爆に加えて、武器や砲弾の援助を受けた反ターリバーンの「北部同盟」が攻勢に出て、マザリシャリフ、ヘラート、首都カーブルを制圧した。アメリカ・イギリス地上部隊は最後のターリバーンの本拠カンダハール攻略に参加し2ヶ月後、ターリバーン政権は崩壊。