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6話:投資信託は打ち出の小槌と島村が銀行を退職

 一方、日本経済では、6月の完全失業率が過去最悪の4.9%を記録し低迷を続けていた。しかし、島村の買ったヤフー株は、思惑通り、将来性を買われ年に2回の分割という前代未聞の事をして、株価を急上昇させていた。


 やがて1999年が終わり2000年を迎えた。この頃、島村は、投資信託の販売で、自分の顧客から銀行の手数料の方が、私の利益より多いと怒られ平身低頭の毎日だった。


 それが、嫌で嫌でたまらなく、金を稼いだら、すぐにでも、この銀行の上司に辞表をたたきつけたいと言う気持ちでいっぱいになっていた。そんな気分の悪い2月に、神様がご褒美をくれた。


 それは、ヤフー株の爆上げで、2000年2月22日、朝8時過ぎ、証券会社の担当者から16790万円の気配値が出てると連絡があり、問答無用で、全株、2分割2回で4倍、3株が12株に増え成り行き売りを指示した。


 これによって、なな、なんと、155000万円を手にしたのだった。さらに、3月1日、証券会社の担当者からソニー株の気配値が33700円と出てるので成り行き売りしたらと言われ成り行き売りを指示した。


 その結果1992年に購入したソニー株、1株3600円で4千株、1440万円が、2000年3月1日、税引き後10700万円、ヤフーとソニーで合計、165700万円となった。


 これで、島村の腹は、決まり、2000年の夏のボーナスをいただき、上司に辞表をたたきつけ、胸がスーッとした。今後は、遊んで暮らせると、たかをくくった。


 まず、和光市駅からバスで10分圏内の大きな家の賃貸物件を探すと、築20年4LDK150平米の家を月8万円で借りられた。そこに、妻と小学校6年生の長男の秀一、と小学校4年生の長女の博美で住み始めた。


 そしてカローラも古くなったので、どこでも走れる、三菱スペースギアを300万円で購入した。退職当時、島村善次は、37歳と若かったが、十分に金もできたので、銀行での辛い仕事を考えると、仕事をする気になれなかった。


 今後も投資で生活して、自分の子供たちの将来のために役立てようと考えたのだった。そこで子供たちの教育に力を入れ始めた。そのため2001年4月長男の秀一に、進学塾に通わせて始めた。


 その時、秀一に、将来どんな道に進みたいと聞くと実業家になりたいと言った。その他、自分の将来についての希望を詳しく聞いてやった。大学に入って、アメリカ、カナダ、イギリス留学したいと言った。


 その話を隣で聞いていた妹の博美が、私もアメリカ、カナダ、イギリス留学したいと言った。そして英語が上手になりたいと語った。そして、何の勉強が好きと聞くと、絵を描くのと音楽を聴くのと素敵な建築とデザインが好きと言った。


 父が、その中でも何が一番好きというとデザインと建築と言った。学科では何が好きと聞くと英語と文学、音楽、デザインと言った。わかった、君たちの希望をかなえてあげるようにするから、しっかり勉強して、頑張るのだよと言い聞かせた。


 その後、島村善次は、奥さんと話し合って、家から近いスポーツジムに入り子供たちが学校に行っている間、通いだした。その後、6月の梅雨が過ぎ暑い夏を迎えた。昨年、証券会社の担当者にヤフー株が下がったら、もう一度、購入したいと言ったのを思い出した。


 そして、電話を入れると2001年300万円台まで下げてるので、下値は近いと思うと言い、個人的には200万円が底値と考えてると担当者が語った。お盆と過ぎの2001年8月29日、妻をN証券に連れていき彼女名義の投資口座を作り400万円を送金した。


 9月4日、朝8時過ぎ、島村善次の所に証券会社の担当者から電話で今、ヤフー株、182万円の気配値が出ていると言われ、島村善次が、成り行きで2株ずつ購入と指令。9時過ぎ買えましたと電話が入った。この1週間後、2001年9月11日の朝、ニューヨークで米国同時多発テロの発生。

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