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迷子です。

目を開けると草の上で寝ていた。


初めての体験に少し慌てたが、異世界に来たのだという事を思い出して落ち着いた。


やっぱり夢じゃなかったんだなぁ。




「うーん!しかしよく寝たなぁ!」




昨日はなんだかんだ疲れていたのか、途中で起きるかとも思ったが朝までぐっすり寝ることができた。


心配していた体の痛みもない。レベルが上がったおかげか、格闘術で覚えた【柔軟】あたりのおかげかわからんが痛まなくて良かった。



水魔法で出した水で顔を洗う。これぞ夢に見た魔法での生活だな。便利。


出来れば洗濯や風呂にも入りたいが、森の中で全裸になるのはちょっと怖い。


もし今日も森から出ることができなかったら魔法で何とかしようと思っているが。




朝ご飯は焼いたウサギ肉とリンゴもどき。昨日の晩御飯と全く同じだが美味しいから不満はない。




さて、今日こそは何とかして人里まで、あるいは人間に出会うことを目標に出かけることにしよう。


そろそろ一人は寂しくなってきたのと、これ以上人に会えないともしかしてこの世界に人間はいないんじゃないかと不安になってくるからだ。



いるよね?人間。



一抹の不安を抱えながら俺は歩き始めた。



ポンコツと思っていた【地図】だが、一点だけ良い機能があることに今朝気が付いた。端っこにコンパスが付いていたのだ。もっと分かりやすくしろよと思ったが怒りよりも嬉しさが勝った。


俺は現在【迷いの森】をずっと南下している。方角に特に理由はなかったが、行くなら一方向に歩き続ける方がいいだろう。



そう思って俺は今日も南下を続けた。





「・・・ん?」



歩き続けるとゴブリンとは違うかなり強い気配を感じた。気配察知のLv.が上がったおかげか、かなり遠くの気配まで探ることが出来るようになったが、恐らくこの気配は1キロぐらい離れているだろう。


ただ、今までに感じたことのない強い気配に正直かなりビビっている。



まだ気配は遠いが、俺はすぐに隠密行動を開始し、息を潜ませながら気配のある方向に向かって歩き出した。



今までの俺だったら厄介そうな相手は隠れてやり過ごしていたかもしれない。ただ、今の俺はかなり強くなっているのでちょっとした敵なら問題ないだろう。と思うと、どうしても気配の方に行きたくなってしまうのだ。




ちなみにレベルはまた上がっている。今日だけでなんとゴブリンを35体倒している。角ウサギは3体だ。



岩穴にゴブリンの集団を発見することが出来たのだ。恐らく巣だったのだろう。



もはやゴブリンが経験値にしか見えなくなっていた俺は、ゴブリンの巣を殲滅することに決めた。



出番のなかった火魔法の【火炎放射】を巣の入り口から撃ちこみ、生き残りを一匹ずつ倒していった。その結果、その巣だけで32匹も倒すことが出来た。


そして今の俺のステータスはこんな感じである。



―――――――――――――――――

名前:ハルヤ・セガワ

性別:男

年齢:22

職業:なし

状態:正常

称号:異世界からの救世主

レベル:43

体力:350

魔力:339

筋力:170

防御:142

敏捷:161

知力:171


スキル:

【共通スキル】


棒術Lv.5、格闘術Lv.5、剣術Lv.6


水魔法Lv.6、火魔法Lv.6、風魔法Lv.7、土魔法Lv.6、光魔法Lv.6

闇魔法Lv.6、無魔法Lv.6、回復魔法Lv.6

雷魔法Lv.5、氷魔法Lv.5、重力魔法Lv.6、召喚魔法Lv.1、

体力回復速度上昇Lv.6、魔法操作Lv.8、魔力回復速度上昇Lv.7、瞑想Lv,8、溜め時間省略Lv.7


投擲Lv.4、隠密Lv.8、忍び足Lv.8、気配察知Lv.9、観察Lv.9、回避Lv.6、視力補正Lv.7、聴力補正Lv.6、加速Lv.7、跳躍Lv.5、暗視Lv.5


採取Lv.MAX、解体Lv.7、調理Lv.4


【固有スキル】チートパック

―――――――――――――――――



だいぶ強くなっていると思う。やっぱり巣がかなり美味しかったなぁ。



それに角ウサギは何度攻撃を避けても襲ってくるという獰猛さのおかげで、【回避】のLv.上げにも役立った。




さて、強くなった俺ではあるがゴブリンと角ウサギとしか戦闘経験がない。


どちらも経験値を1~2(万)しかくれないことから、モンスターとしては最低レベルなのだろう。



ゴブリンと角ウサギの気配しか知らない俺からすると、先ほど感じた気配の相手がどれだけのレベルなのかはちょっとわからない。ただ、俺以上に強い相手な気もする。気配察知がそう伝えてくるのだ。



不安を抱えながらも、俺は気配に少しずつ近づいていく。どうしても気になるのだ。



距離にして100メートルほど離れた場所から、ついにその気配の相手を発見することが出来た。その瞬間、思わず叫びそうになった!




二本足!服も来ている!そして肌が肌色!身長は推定170センチ!




人間だ!!!





ようやく異世界人に会えたのだ!俺は叫ぶのを我慢しながらも、つい泣き出しそうになった。



いけないいけない、こんなところで泣いていたら、相手が普通の人間だったら引かれてしまう。ゴブリンだったら襲ってくるだろうがな。相手は人間だ。そう、人間なのだ。



よく観察すると、いわゆる冒険者と言った格好をしている。やっぱり冒険の世界なのかな?テンションが上がってくる。



俺は今すぐ叫びだしたい気持ちを抑えながら人間の方に近づこうとした。




ただ、どうやってコンタクトを取ればいいんだろうか?




こんな森の中にいるんだからもしかしたらヤバい相手という場合もある。


狩りをしている最中だったら誤って攻撃されてもおかしくはない。



そもそも相手からしたら俺がヤバい奴だろ。森の中に棒1本しか持ってないやつなんて俺だったらまず相手にしたくない。危険なやつだと思うだろう。



出会い様にとりあえず攻撃してくる場合もあるかもしれない。威嚇ぐらいしてくる可能性もある。

でも多分、俺はそれをされても反応出来ないのではないだろうか。前の世界じゃ喧嘩すらしたことがない。完全にビビってしまうのが目に見えている。




どうしよう。




ついクセで頭を抱えようとした時に、草をガサガサと動かしてしまった。



「……!」



ヤバっ!そう考えてとっさに息を潜めたが、相手もこちらの存在に気が付いたようだ。短剣を構えてキョロキョロと警戒している。



とりあえず、さっきはあまりの嬉しさに忘れていたが、相手とコンタクトをとるにはまず情報からだ。


俺は相手を【鑑定】した。


―――――――――――――――――

名前:サムエル

性別:男

年齢:42

職業:ハンター

状態:警戒

称号:Aランク冒険者

レベル:67

体力:803

魔力:521

筋力:351

防御:260

敏捷:872

知力:310


スキル:

【共通スキル】


弓術Lv.4、格闘術Lv.4、短剣術Lv.6、剣術Lv.3


風魔法Lv.5、闇魔法Lv.5、

魔法操作Lv.4


投擲Lv.3、物理耐性Lv.5、嗅覚補正Lv.5、聴覚補正Lv.6、視覚補正Lv.6、隠密Lv.7、忍び足Lv.6、気配察知Lv.6、観察Lv.6、魔法耐性Lv.3、体力回復速度上昇Lv.5、回避Lv.6、加速Lv.5、跳躍Lv.4、フェイントLv.3、暗殺Lv.3、マッピングLv.6、罠術Lv.6、足さばきLv.5


細工Lv.5、採取Lv.7、解体Lv.5、裁縫Lv.3、調理Lv.6、筆記Lv.5


【固有スキル】感覚鋭敏

―――――――――――――――――




え……強くね?



あれ?俺ってチートじゃなかったのか?ステータスとか、レベルの差以上にかなり違うんですけど?!神様どういうことですか?!



相手のステータスに動揺しながら、神に回答を求めたが当然答えは返ってこなかった。

俺の祈りはいつ聞き届けられるというのか。



ステータスのことはいったん置いておいて、まずはこの相手をどうするかだ。



相手がかなり強いという事がわかったので、正直事情が変わってきた。



さっきまでは「戦えば何とかなる」とどこかで思ってたからここまで来たわけだ。


話しかけるにしても「こっちの方が強い」という状況であれば平常心を保ちやすいからな。




しかし、俺よりも強い相手となると話は別だ。正直、怖い。既にビビっている。


もし相手が襲ってきたら、俺は死んでしまうかもしれない。



一応勝ってる部分もある。それはスキルだ。俺の知らないスキルを相手は持っているが、持っているスキル同士では大体俺の方がLv.が上だ。




もしかしたら勝てるかもしれない。まずは特大の【竜巻】をぶち込んで乱戦に持ち込み、【闇魔法】で目くらましをしつつ、【水魔法】で遠距離攻撃なんてどうだろうか。



【隠密】は俺の方が上だ。逃げながらでも戦えるだろう。



あるいは【火魔法】であたり一帯を燃やし尽くしてもいいかもしれない。相手は【水魔法】をもっていないから、火災を起こせば逃げるしかないはずだ。……うん、いけるかもしれない!





っていやいや、何戦おうとしてるんだ俺は!いつからそんなバトルジャンキーみたいな考え方になったんだ!



ここは勇気をもって話しかけるべきだ!

相手は情報によれば42歳!俺よりも20も年上だ!きっと懐の深さを持っているだろう!



勇気を出せ俺!今は戦う時じゃない!話しかけるんだ!






考え事に夢中になるあまり相手への注意が散漫になっていたのだろう。



気づけば相手は既に10メートル前に居ました。はい。随分と足速いんですね。




ついでにバッチリ目があいました。ハハハ。





え?それで俺がどうするかって?




すぐに持っている唯一の武器キノボーを放り出して両手を上に上げましたよ。



もちろん、人間ですから、ちゃんと口で説明もしますよ。





「迷子です。」




ゴブリンよりも緊張しますね。


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[一言] 五話まで読んだけど全然話が進まなくて草
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