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アンデーキア攻防戦

アンデーキアの街が、大量のモンスターに襲われている。


数は正確にはわからないが、前回同様、数千のモンスターがいるんじゃないかと思う。






俺はすぐさま特大魔法を使用するため、魔力を練ろうとした。


最初は魔力を練り辛かった。それでも時間と共に段々魔力を練りやすくなった。



恐らく、スキル使用中は別のスキルを使うことは出来ないのだろう。今は【浮遊】を使ってるところだしな。



ただ、二つのスキルを同時に使えるスキルがあり、それを今取得したのだと思う。


そして成長補助によってスキルLv.が現在上がっている最中なんじゃないだろうか。おかげでどんどん魔力を練りやすくなってるからな。



まぁ、後でステータスで確認すればいいだろう。とにかく今はやつらを蹴散らす必要がある。


俺はそこそこ練り上げられた魔力で風魔法を撃とうとした。あれが最も一掃しやすいからな。




ただ、撃てなかった。



この感じは、【不殺】のスキルの影響だ。



モンスターの中に人が混じっているということだ。マズイな。既に交戦している。


そうなると、魔法で一掃はしにくい。




こうなったら接近戦で行くしかない。



ただ、実は接近戦はそこまで得意じゃない。というかほぼ経験がない。


ゴブリンと角ウサギ、あとはフォレストウルフとしかやったことがないからな。



もうちょっと戦っとけばよかった。





今さら考えてもしょうがないか。


それに俺はチートだ。戦略だ何だの前に、力でねじ伏せればいい。




結界を上から壊そうとしている翼の生えたモンスターたちを先に攻撃しよう。


あいつらなら他の人は巻き込まないはずだ。




そう考えて、まだ距離はあるが水魔法の【水刃】を魔力をかなり込めてモンスターめがけて放った。


とんでもない速度で発射された水の刃は、数匹のモンスターの首や胴体を跳ね飛ばした。



モンスターは絶命したのだろう。そのまま、街の中に落ちていった。





・・・あれ?街の中に落ちていったけど、まずくね?





どうやら結界は生きているモンスターにしか反応しないようだ。


死んだモンスターはそのまま街の中に落ちてしまった。




マズイマズイ。誰か下敷きになってないといいんだが。


建物も壊れたりしてないか?




不安もあるから確認したいところではあるが、とにかく今はモンスターを何とかしないといけない。



上空にいたモンスターは風魔法で街の上空から追いやってから首を跳ね飛ばした。


上空のモンスターを倒し終えたところで、ようやくアンデーキアのすぐ近くまで来ることができた。



地上の戦況を上空から見ると、既に交戦していたことがよく分かった。




モンスターは街の周辺を囲むようにして陣取っている。


一番激しく攻撃されているのは街の門だ。


北と南に設置されている門の周辺には、モンスターが殺到している。



街の兵士たちだろうか、街の人たちはモンスターを通すまいと、門の周辺を固めるようにしてモンスターと戦っている。



ちなみに、エリーは空から門の前まで連れていき、街の中に避難させた。


コイツは実のところ回復魔法を使えるので、もし怪我人が出た場合は頼むと伝えてある。さっきのモンスターが落下した地点とかちょっと怖いしな。




空から来た俺たちに門番は驚いていたが、身分証を見せ、中に入れてもらった。


と言っても門は閉められていたので、横の小さな扉から入れてもらった。




援軍であることも伝えたが、一人で何が出来るのかという目で見られた。まぁしょうがないだろう。見た目ただの盗賊だしな。


聖装があったらちょっとは対応が違ったのだろうか。早いところ欲しいものである。




さて、地上のモンスターだ。かなりの人数が戦っているが、それでも分が悪い。


既に倒れている人もたくさんいる。



昨日、葬儀も睡眠も無視すれば助けられたかもしれない命だ。


そう考えたら、心が痛む。




でも、今は気にしてもしょうがない。


過ぎたことを考えるのは後だ。目の前の助けられる命を助けるのが先決だ。




俺は一先ず近かった北門の方に飛び込んだ。


その際に戦場に落ちていた剣を拾った。


短剣じゃリーチが短すぎるからな。剣の方が今の場面ではちょうどいい。


―――――――――――――――――――――

E.鉄の件

攻撃+35、【剣術】習熟度補正

―――――――――――――――――――――



この剣が落ちているという事は、使っていた誰かが死んだという事だろうか。


落としたという可能性もあるだろうが、その可能性は低いんだろうな。





襲い来るモンスターの群れを、剣で次々に倒していく。


こういう時に【不殺】は便利だ。その方向に人がいたとしたら、スキルが止めてくれる。


制限なようで、今のところは助けられていることが多い。というかほとんど助けられている。



スキルが守ってくれるので、俺は存分に力を込めてモンスターを攻撃しまくる。



スキルLv.の上昇によって覚えた【衝撃波】や【剣風】、【リーチ上昇】を使いまくり攻撃していると、特に問題なくモンスターを一掃することが出来たが、耐えきれなくなったのか剣が折れてしまった。




急いでその辺に落ちていた槍で対応する。剣は見つからなかったからしょうがなく槍だ。


槍は使ったことがなかったが、それでもこっちはチートだ。すぐにLv.も上がっていく。




槍で攻撃していると、段々と相手の急所を狙って突くことが出来るようになっていった。


ただ、突いてばかりでは時間がかかる。周囲に人がいないようなので、槍スキルで覚えた【薙ぎ払い】で周囲の敵を一掃する。



しかし、こちらも力任せに振り回しすぎたのか、10回も使う前に折れてしまった。



クソ、武器はやっぱり重要だな。ちゃんとしたのを手に入れないと。


やはり聖装、その中でもあるのかは分からないが聖剣の入手を早急にしたいところだ。




とりあえず近くに武器がなかったので、格闘術で応戦する。


格闘術は体力の消費が激しいが、俺の体力は馬鹿みたいにある。死にはしないだろう。



時折倒れている人や疲れを見せている人に回復魔法をかけ、ついでに少し下がってくれとお願いする。早く魔法で一掃したいからな、正直、邪魔でしかない。



中には、回復魔法を使っても、回復しない人もいた。


悲しいが、それ以上はどうすることも出来ない。これ以上、体に損傷がないように、倒れている人の周りのモンスターを一掃しておく。




さて、そろそろ俺のことに周囲の人が気がつき始めている。



そりゃそうだ。こんだけ暴れまわったら、気がつくに決まっている。



バラのような花の紋章が書かれた装備で統一されている人たちは、この街の兵士なのだろうか。


段々と、俺の攻撃の邪魔にならないようにと、街の側に引いている。


良い判断だ。今の俺にとっては大変ありがたい。



それでも、まだ戦い続けている人たちがいるな。どうするか。



すると、一人のおじさん兵士が俺に声をかけてきた。



「そこの盗賊の服を着た者よ!援軍か?!」


「あぁそうだ!助けに来た!」


「感謝する!」



ちなみに、この会話は30メートルぐらい離れての会話である。


おっさんはスキルなのかわからないが、クソでかい声で話すので、すぐ近くで喋ってるんじゃないかと疑いたくなるほど大きな声が聞こえてくる。


双方戦いながらの会話だが、俺はともかく、おっさんもまだ余裕そうだ。かなりの強者なんだろう。


となると、指揮官か?ちょうどいい。撤退させてくれねぇかな。


「俺はかなり強力な魔法を放てるが、人を巻き込む可能性があると魔法が撃てない!これはスキルの影響で撃てないようになっている!だから、戦っている人たちを一端退かせることは可能か?!」



「なんと!その接近戦の腕で魔法まで使えるのか!よし、皆の者!今の言葉を聞いたか!馬鹿でかい魔法が来るぞ!倒れている奴は全員抱えてでも撤退しろ!戦える奴は殿だ!合図が出るまで前線を守れ!」



馬鹿でかい怒号が戦場に響いた。対応が早い。暴れ回って力を見せておいて良かった。


どうやらおっさんは指揮官であっていたようだ。おっさんの一言で兵士たちは見事な連携でけが人は撤退、踏ん張っていた兵士たちは前線を守り抜いている。


俺は少し下がって魔力を練る。すると、おっさんがこちらに手を振った。準備が整ったのだろう。



「撃つぞおおおおおお!」



俺の大声に、おっさんも大声を挙げる。やはりバカでかい大声だ。


「皆の者!!下がれええええええ!!」



光魔法Lv.9【多重光刃】を放った。


この魔法のいいところは、前方のみであるが、かなりの範囲に攻撃できるところだ。


一発横3メートル程の光の刃がまるでショットガンのようにモンスターを襲う。


威力も高いが、広範囲なのはこういった戦場では便利である。


撃った方向にいたモンスターの殆どが上下真っ二つになっている。


至る所で聞こえる悲鳴に、俺まで悲鳴を挙げたくなるが、今は我慢だ。




無事に撃てたという事は、全員が撤退できていたということだろう。良かった。




地上にいたモンスターのかなりの数を魔法によって殲滅することができた。


しかし、まだ生き残りもいたので、【浮遊】で上から確認し、追加の魔法で蹴散らしておいた。



これで北門付近の一番の激戦区は大丈夫だろう。



門の方に戻ると、兵士たちはあまりの出来事に唖然としているが、いち早く気を取り戻したさっきのおっさんが声をかけてきた。



「私は、アンデーキア軍大将のフェレディだ!援軍に感謝する!」



うるせぇ。せっかく近くまで来たのに、なんでまだ大声なんだよ。


しかめっ面をすると、フェレディも気がついたのだろう声量を少し落としてくれた。少しな。



「すまんすまん!戦いで興奮してつい大声になってしまった!改めて、大将として、そなたの援軍に感謝する!」



改めても相変わらずうるさいが、もう放っておこう。



「気にするな。俺はハルヤだ。街が襲われてたから助けに来た。ただ、まだ街の周りにはモンスターが囲んでいる状況だ。俺は急いで南門のモンスターを倒しに行くが、あんたらの他に戦っている奴はいるか?」



「私たちは全員で門を守っていた!この門からだけはモンスターも侵入できるからな!なので、街の周囲には人はいないはずだ!いたとしても、既に死んでいるだろう!」



なるほど、だから門周辺に広がるように兵士たちがいたのか。


にしても、周辺にいる人たちは既に死んでると来たか。まぁ、確かにそうだな。冷たいかもしれないが、それが現実的な判断だ。生き残りを探しに行く前に、多くの人がいるところに行くとしよう。



「わかった。俺は南門に向かう。」



「我々もついて行くぞ!」



フェレディさんの申し出は有難いが、正直いても邪魔になってしまう。街を助けたい気持ちは理解できるが、申し訳ないがここに残ってもらおう。


「いや、ここを守っていてくれ。さっきの魔法みたいにすぐ終わらせるから。」



「なるほど、先ほどの魔法か!であれば我々は邪魔だな!了解した!」


物分かりのいい人だな。本当は自分たちも協力したいだろうに、街の事を一番に考えてるんだな。偉い人だ。


ただ、このフェレディさんの大声は事情説明に役に立つな。ついてきてもらおう。



「あ、ただフェレディさんはついてきてくれ。大声でまたみんなに声かけてくれ、そっちの方が早い。」



「ん?!私の大声がか?!構わないが、私はそこまで足は速い方ではない!時間がかかることになるが良いか?!」



「よし、ならすぐにいこう。足の遅さは俺が運ぶから関係ない。」




そう言って、浮遊を発動し空を飛ぶ。フェレディさんの脇の下に手を入れ、この人を南門まで持っていくことにする。



「おぉ!なんとお主飛べるのか!これならあっという間だな!」



そういって街の上空を突っ切っていく。ただ、フェレディさんがうるせぇ。



「ひぃぃぃ!高い!高い!もうちょっと低く出来ないのか!」



「これでも十分低く飛んでる!これ以上は面倒だ!それに高く飛ばないと戦況が見えない!我慢するか目をつぶってろ!あとうるせぇよ!!」



騒ぐフェレディさんを抱えて南門に行くと、そこは北門以上に疲弊が大きそうだった。


フェレディさんの指示に従って、一番良い装備をしていそうな髭面の渋いおっさんの所にフェレディさんを下す。



「総隊長!」



「む?フェレディ大将!?どうした、なぜここにいる!」



あれが総隊長か。フェレディさんの大声を聞いてもビクともしない。器の大きさか、慣れなのか。日ごろ爆音を聞きすぎて難聴になったという可能性もあるな。



「北門は既にこの者の魔法でモンスターが一掃されました!」



「なんだと?!それは真か!」



驚いている。そりゃそうか。あの数のモンスターがこの短時間で倒されたんだからな。



「これは事実です!この目で確認しています!さらにこの者は引き続きこの南門近辺のモンスターも魔法で一掃するとのこと、急ぎ兵士たちを撤退させてください!」



「なるほど、フェレディ大将が言うのなら真実なのだろう。わかった!頼む!」



「この者はスキルの制約により、人に向けては魔法を撃てないとのこと、生き残っている人全てを撤退させてください!」



「了解した!フェレディ!号令を頼む!」



こちらの事情を疑ったりなんだりはなかった。相当にフェレディさんが信頼されているという事か。いずれにせよ、話が早くて助かる。



「皆の者!これから特大の魔法が放たれる!スキルの制約によって人には撃てん!街を守るため、怪我をしている者を救助しつつ、全員撤退しろ!」



その号令に、全員が従った。この戦場でよくもまぁここまで響くものだ。



さて、話を聞きながらも俺はずっと魔力を練っていた。



フェレディさんの合図が出ればいつでも撃てる。



しばらくすると、全員が撤退したのだろう。フェレディさんが手で合図を出す。



先ほどと同じように重力魔法を発動しようとする。






その瞬間【不殺】が発動した。

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