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異世界で闇落ちした俺は大好きだった彼女の宿敵(ラスボス)となりました。  作者: ドットオー
第7章 ジェネラル・ワシミカド

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第83話「縮まらない距離」

地面に転がったヴァンパイア・テネロの首が燃えながら消えてゆくーー

東坂君たちがまったく歯がたたなかったヴァンパイアを鷲御門君はたった一撃で倒した。

「すごい⋯⋯」


『天音ー!大丈夫ー?』


あかねが手を振りながら駆けつけてくる。

「うん。危なかったけど、鷲御門君が強かったヴァンパイアを倒してくれたの」

「鷲御門? ⋯⋯え! あいつもうここにいるの」

「あかね、どうしたの?」

「鷲御門は乗り込んできたテロリスト全員をひとりで倒した。会場にいた300人全員の命を守ったのよ」

「⁉︎」

「はじめは鷲御門と行動していたんだけど、あっという間に姿が見えなくなって⋯⋯

必死に追いかけてったら、行くところ行くところ、すでに死体になったテロリストたちが転がっていて⋯⋯」

鷲御門君は驚く私たちを尻目に手にしていた剣を静かに魔法陣の中にしまう。

「これがジェネラル・ワシミカド⋯⋯」


『陛下ッー!』


今度は椿君と紡木さんが急いで走ってくる。

ディフェクタリーキャッスルに待機していた2人がテロリスト襲撃の知らせに駆けつけてきたんだ。

「凌凱、女王陛下は無事なの?」

「女王陛下は見ての通りだ。 会場全員も無事だ。それよりも椿」

「はい!」

「東坂が危険な状態だ。急いでヒーリングを」

「はい、すぐに」


「女王様ッ!」 「女王様ッ!」 「女王様ッ!」


今度はニュアルちゃんに求婚を迫った皇子たちだ。

「次か次へと賑やかじゃの」

「三好さんに川南君、この人たち連れて来ちゃったの?」

「すまない。女王様のところに連れて行けとしつこくて」

「女王様、ご無事でしたか?」

「見ての通りじゃ。すべて鷲御門が倒した」

「さすがは将軍!」

「よくやってくれた」

「はッ」

「私も、我が国随一の剣の腕を誇る騎士長セドリスから叩き込まれたこの剣の腕を披露するところでしたが

下手人どもはご覧の有り様。魔王軍と言っておきながら将軍おひとりで倒せる程度のこけおどしだったのでしょう。

いやー残念だ」

「僕たちもです女王様」

「今度こそ私たちの剣の腕で魔王軍を倒してみせますよ」


なんだか全員必死だ⋯⋯


「左様か。ワシもそなたらの剣の腕、逃げる際にはっきりと見た」

「本当ですか!女王様⁉︎ それはありがたき幸せ」

「そなたらの流派はおもしろい構えをするの。

剣も持たずテーブルの下に丸くなって(ケツ)を出しておった。

あれはなんという剣術じゃの」

「「「「「⋯⋯」」」」」


「プッ」


いっけない思わず吹き出してしまった。

「見てわかったじゃろ。ワシのそばに居れば常に危険に晒される。それでもそなたらがワシのそばにおりたいと

思うなら好きにせい。まぁそしたらワシはいつでもそなたたちの剣の腕とやらを見ることができて退屈せんがな」

「「「「「⋯⋯」」」」」

あれだけ口説き文句が絶えなかった皇子たちが押し黙った。

「もはや晩餐会どころではないのう⋯⋯客人たちには帰ってもらえ。

三好、連れて行け」

「はッ」

「ちょっと待ってください女王様、まだお話が終わっておりません。女王様!」

「そうじゃ、川南綾人。お前に勅命じゃ。裏切った吉備津瑠美花をそなたが殺すのじゃ」

「⁉︎」

「女王陛下、川南君にそれはあまりにも⋯⋯」

「ワシは許さん。あの女はあろうことかワシの目の前で堂々とワシを裏切ったんじゃぞ。

そんな奴を許すことはできん」

川南君が青ざめた表情をしたまま硬直する⋯⋯

「僕が⋯⋯ 吉備津さんを」

「吉備津瑠美花の世話を焼いていたそなたの責任じゃ。

ついでにそなたの辛気臭い顔ももう見たくない。うんざりしておったところだ。

吉備津瑠美花を殺したあとは報告はいらない。どこぞへでも好きなところに行け」

「⁉︎ ーー」

「ニュアルちゃんそれって」

「もうよい川南綾人。そなたはもう行け。ここで別れじゃ」

「はッ」

「ニュアルちゃん、ありがとう」

「ふん。こそばゆい! あの男を見ているとこちらがやきもきするのじゃ」

川南君のこと気にかけてくれていたんだね。

「あの男が追ってはワシもいろいろとやりにくい」

そう言ってニュアルちゃんは鷲御門君に歩みよって行く。

そして鷲御門君に抱きついて、彼の鎧に顔を埋めた。

「鷲御門、怖かったんだぞ」

やはり年頃の女の子だ。

「そなたはワシから絶対に離れるな。ずっとそばに居れ。

ずっとだ。ずーとっ。しかも、ワシの手に届くところにだぞ。

ワシはわがままだ、ワシのわがままに付き合ってもらうぞ。

頭を撫でるのじゃ。

鷲御門の大きな手で撫でるのじゃ。

そなたたちがこの世界にやって来たばかりのころじゃ。

ダルウェイル国王にいろよい返事がもらえず狼狽するワシを

そなたは頭を撫でて落ち着かせてくれた。

あのときのようにワシの頭を撫でるのじゃ」

「なりませぬ女王陛下」

「鷲御門⋯⋯」

「俺は将軍です。フェンリファルト皇国に住む(たみ)、全員の命を守らなければなりません。

女王陛下おひとりを守る将軍ではあってはならないのです」

「鷲御門君、それじゃあニュアルちゃんが⋯⋯」

「よしなさい。月野木天音」

「紡木さん⋯⋯」

「本当に苦しいのは凌凱よ」

「俺は本物の鷲御門 凌凱じゃない。女王陛下の想いに沿うことは叶わない」

「凌凱、その話は⁉︎」

「⁉︎ さがっていろ」

そう言った途端、壁が爆発して瓦礫が四散する。

すると大きく開けた壁の穴からオオカミ男が現れた。


『我が名は魔王軍が幹部ウェアウルフのロータス』


魔王軍幹部? ヴァンパイアの女王といい幹部が続々と⋯⋯


「女王陛下こんなところにおりましたか。

さっそくお命いただきます」


つづく

















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