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私の猫、剥がさないでいただきたいです。  作者: 緑憐
第1章 猫の皮30枚
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第8話

「初めてお目に掛かります、ドゥーンドール公爵家長女のミリレアと申します。」

「オーラン公爵家のウィアドルという。」

「ウィアドル様、よろしくお願いいたします。」

「こちらこそ。」



始めは和やかな感じに、進む、っと思いきや。

「あぁっ‼」

ガシャーン。

オーラン公爵家のメイドがお茶の入ったティーカップを落とした。

公爵様の後ろにいる執事と思われる方の顔がいっきに青ざめる。


「大丈夫ですか?」

あらら、派手にやらかしましたわね。

顔の皺や肌の艶、潤い、諸々から推測してたぶん30歳前後でしょう。

こんな大切な席にお茶を持ってきたという事は、このメイド、信頼されていたのでしょう。


「お怪我はされていませんか?」

今は『健気妖精モード』ですので、

優しく声をかけます。


「私は怪我一つありません。

 お客様こそ、お怪我はございませんでしたか?」

あらら。

わたくしがウィアドル様の婚約者となることを知らないのかしら?

こういう場合は、『婚約者様』とか

せめて『ミリレア様』とかでしょう!

お客様、は、アウトコース・・・・・・。

また執事と思われる方の顔が青ざめます。

これで青ざめると言うことは執事と思われる方は、ヤバくない。

と、いうことですね。

ちょっと安心です。


目の前にいらっしゃるウィアドル様はお母様、お父様が他界されているので

わたくしがそのうち女主人になる・・・。

その立場を利用してこのお客様、という呼び方を指摘してもよかったのですけれど。

今それ言ったらこのメイドのメンツ、まるつぶれですわ。


お茶をこぼし、婚約者様に声をかけていただき、

しまいには『お客様』と呼んでしまう。

うん、100%、まるつぶれですわ。


さすがに可哀想。

それにわたくしはただいま『健気妖精モード』。

優しいを意識しなくては。


「わたくしも大丈夫ですわ。

 周りの方々もお怪我ございませんか?」


みなさんがこくっと瞬時に頷く。


みなさんこの状況を理解しているようです。


じゃあ、この場をこれ以上ひどくしない。

という方向で進めますよ。

皆さん一人ずつに目線を送ります。


みなさんへの確認よしっ。


さあ、やりますか。


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