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私の猫、剥がさないでいただきたいです。  作者: 緑憐
第1章 猫の皮30枚
7/12

第7話

「行ってらっしゃいね、ミリレア。」

「行って来ますわ、お母様。」

わたくしは健気スマイルでお母様と会話。

すでにわたくしの息がかかった従者が自然な感じで

「美しい。」

と、声をこぼす。


「ミリレアなら大丈夫ですわ。こんなに可愛いんですもの。

親馬鹿かもしれませんけど。」


「お母様、今のお言葉で自信100倍ですわ‼」

「そ~う、。」


そんな会話を交わし、馬車に乗り込む。

お母様に健気スマイルで手を振って。。。。。


公爵家が見えなくなって・・・・・。

シャッ・。

カーテンをさっと閉めます。


そして馬車を引いている従者に声をかける。

「さっきの言葉、凄くよかったですわ。自然で。」

「ありがとうございます。結構あの言葉は自然に言えたなとおもいまして。」

「指示されている言葉を、さも自然な感じで言う才能が光り輝いていますわ。」

「嬉しい限りです。」

従者が周りをチョコッと見て言う。

「そろそろイイですか?敬語、崩しても。」

「ええ。」



・・・


途端に従者が大笑いし出す。

「あははははははっっっっっっ‼

ホントにおもしろいっすね、ミリレア様って。」

「そう?それは、褒め言葉なのかしら、?」

「勿論っすよ、オレ、天涯孤独の身なんで、いろーんな方に尽くしてきたんですけど、

 こーんなに仕事中に笑いをこらえた方、初めてっすよぉ。

 あの、なんでしたっけ。

 奥様の、親馬鹿かも、とかいう発言。

 ミリエア様、絶対、『親馬鹿ではありませんよ、お母様。わたくし、本当に可愛いので』

 とか、思ってたっしょ。」

「正解。

むしろ、わたくしを可愛いって思わない人がいるのかしらって、思うわ・。

まあ、欲を言えば、。

可愛い、にプラスして。

『妖精のようね。』

と、言ってほしかったですわ。」

「あはははっっっっっっっっっっっ。」

「そうだ、忘れないうちに。これ。

 公爵家の地図、ね。

 迷子になったら、この地図を見て、帰って来ること。

わたくし、思ったの。

 次、来たときよく分かるように、目印をきっちり地図に書き込んでくれてあると、貴方も、わたくしも、助かるわって。」

「了解しました。

 つきましたよ、公爵家に。

オレは、これから迷子になるんで、早く降りて下さい。」

「そう、地図を、しっかり、持っていくのよ。」

「勿論です。」

「「じゃあ。」」


*



『迷子になったふりをして、公爵家の地図にどんな感じか、どんな使用人が外にいるのか書き込め。』

実に優秀な従者(天涯孤独のため、影として働いた経験あり)は

ミリレアの考えをしっかり理解していた。


「さあ、迷子になるか。」


優秀な従者は、迷子になるのだった。

 


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