第6話
「お嬢様~、おきれいでございます。」
「当然じゃない、リーン。」
「そうでしたそうでした。」
リーンは小さい頃から私付きの侍女。
リーン以外では私の自信満々(顔が)なんて所は見せません。
うふ.。だってわたくし、三十枚ぐらい猫かぶってますので。
ラージュには月に一回私の情報調査をしてもらっています。
ほら、猫をかぶっているつもりなのは本人だけで
赤の他人から見れば本性がバレバレ、なんて事があったら
たまったもんじゃない、ですから。
今のところは健気でバッチリ通ってますわ。(表だけ)
話は戻って、
今日はウィアドル様との初見なのです。
しっかり、健気で妖精のように美し~い。
婚約者、という印象をゲットしませんと。
「うふふふふふふふ.....。」
「あの、お嬢さま?その笑い方はちょっとぉ。」
「リーンの前だからでございますわ。
おーほほほほほほほーーーーーーーーー‼
ウィアドル・オーラン公爵、わたくしに、ひざまずかせて見せますわ~‼」
「お嬢、さま。」
(どうか、その本性をウィアドル・オーラン公爵様に見せないで下さいませ。
たぶん、婚約どころか、幻滅されてしまいますので。
表では「健気」なミリレア様が実はこんななんです、なんて、知った人は、間違いなく気絶しますね。)
主人に対して、かなーり失礼なことを心の中で思ったリーンであった。