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精神

前回のあらすじ

洗脳が解けたキオリはこの世界側と魔界側を共存を望んでいた。


中途半端で終わっていますが続きます


1月28日修正

サブタイトル変更

本文のあとがきを大幅に追加。

「まぁ、無理にとは言わないさ。あくまで可能性として視野に入れてほしいってだけだ。モンスターの活発化で人体的な被害が出ていると話は今のところ訊いたことはないが、困っているという話は何度か聞いた時に、なら、魔族側と協力すればいいんじゃないかって思ったんだ。カズキとスズカ…………俺と同じ世界から来た人達のことなんだが、まだ提案はしていないんだが、協力してくれると思う。実際に、この世界の大多数は2000年に1回やってくる魔王に対して何もしていないに討伐するのはどうかって意義を唱える者は多いかったからな。ただ、この世界の前の王様が、魔王や魔族に対して絶対的悪だと勝手に決めつけてきたんだ。本来なら魔力なのに、水と言い換えたりしなければならないぐらいに厳しい人だ。その人物に逆らった者は公開処刑で斬首刑が執行される。それぐらい厳しいんだ。それに耐え兼ねてこの世界の勇者は魔王討伐以外の任務を引き受けるようになったんだ。それは1400万年経った今。俺たち平和組が魔王を魔界に返すために訓練していたんだ。その結果俺だけ何故かこの魔界に来ているんだけどな…………」

 キオリは何故協力関係を結んだ方がいいかという考えに至ったのかを説明した。しかし、それはキオリ個人の感想であり、同じ世界からやってきた仲間2人には教えていないらしいが、彼は彼なりの考えをティアマト達に話した。

「ところで、話は変わるんだが。救える者ってのは、その人物が何かをしたわけでもなく1年経過したわけでもなく直ぐに戻ってきたのか?」

 とキオリは尋ねた。

 キオリの言葉にティアマト達は眉間に皺を寄せた。というのも、ティアマト達は、この世界に行ってしまった魔王が救える者よって帰還したことは訊いたのだが、それが1年後だったのか、それとも行って直ぐだったのかは語られていなかったからだ。

 これをキオリに話すべきか迷ったティアマト達は、お互いにアイコンタクトを交わした後、誰が言うか少し揉めてから

「そこまでは、言い伝えられていないんだ。多分、戻ってきた時の感動が強くて日付も忘れるほど歓喜に満ちたんだろう」

 じゃんけんの結果負けたエリゴスはそう言えば、キオリは腕を組んでから

「なるほどな」

 と納得していると、ヘルモーズの部屋内にノックの音が聞こえた。

「お話し中すみません。夕食の時間ですけれど、本日はどうなされますか?」

 入ってきたのはメイド服を着た女性である。

 キオリは洗脳された後の記憶もあったこともあってその人物がレティであることが分かった。

「ヘルモーズだけ部屋食にしてくれるか? 俺たちは食堂で食べる」

「分かりました。エリゴス様」

 レティはそう言って右に身体を向けて手招くようにすれば、白い布で覆われた手押し車の上に銀色の蓋で覆われたものが2つ並べられたものが入ってきた。手押し車を押しながらヘルモーズの部屋に入ってきたのはレティの姉であるフルーである。

 フルーは慣れた手つきで皿をテーブルに乗せてからキオリをチラリとみる。

「…………。前の貴方より、今の方が私は好みです」

 どうやらフルーには洗脳が解かれる前にキオリと解かれた後のキオリの見分けが付くらしいようだとティアマトは考えた。

(まぁ、そうよね。目に正気が無かったもの)

 ティアマトはそんなことを考えつつ

「今日はゆっくりしていいわ。必要なものは部屋にあるもので勘弁してちょうだい。さっき話した内容は全員に伝えるけれど構わないわよね?」

 フルーとレティが部屋から去っていくのを眺めてからティアマトはキオリに尋ねれば、彼は頷いた。

「ああ。俺も、記憶の整理がしたいからな。結果は明日に訊いていいか? 疲れているのか、今は非常に眠いんだ」

「洗脳を解いたからそれに伴っての反動が来るようになっているの。でも、眠るなら食事と風呂を済ませてからにして」

「…………。あ、ああ」

 キオリは眠そうな顔でそう返事をするのを横目に、ティアマト達はおやすみの挨拶を交わした後、ヘルモーズの部屋から出て食堂へと向かった。


 食堂である大広場ではティアマトとエリゴスが戻ってきたことによりにぎやかな雰囲気が漂っていた。今日はバイキング形式でより取り見取りの食材が所狭しに並べてある。そんな中、中盤をさしかかったあたりで、

「楽しい会話中に申し訳ない。話を訊いてくれるだろうか?」

 本日の主役といってもいいエリゴスが真剣な表情でそう言うので他の者たちも、静まり変える。

「ヘルモーズの精神体で救える者であるキオリの話だ」

 エリゴスの言葉に周りがざわめき始めたが、エリゴスは気にせずに続ける。

「救える者であるキオリは、ティアマトが独断と先行で行っていた作戦及び、その計画を既に察知していた。最高上位幹部を除き全員の一斉洗脳をしたうえでこの世界での復讐の数々をティアマトは、ありとあらゆる作戦を全て1人で考えていた。それを全部知っている奴はここにいる全員だ。そうだな?」

 エリゴスの言葉に周囲は押し黙った。

「ティアマトの固有能力は、洗脳なのは皆知っているはずだ。それに逆らえばどうなったかというのも知っているはずだ。だから、その作戦を訊いても誰も逆らうことはなかった。しかし、洗脳されているヘルモーズはこのことを知らないが、そのヘルモーズの精神体で1400万年後の未来のこの世界からやってきた、この世界の勇者候補であるキオリは、ティアマトがやろうとしていた行いを全て看破して、その打開策を既に練っていたのだ」

 その言葉に周囲は騒めきだした。ティアマトの考えた作戦は。最高上位幹部以外の全員に一斉に洗脳をした後、この世界に乗り込みこの世界にいる勇者候補たち全員を殺戮(さつりく)したりするなど絶望的な状況を味合わせるというものだ。勇者候補だけでは飽き足らず、この世界に住む住民など人権などを無視して人身売買、薬漬けなどと言った悪逆非道の行いなどと言った計画をティアマトは立てていたのだが、その計画全てが読まれていたことと、その打開策をキオリは、キオリがこの世界に来てから書き始めていたノートにまるで未来を見てきたかのように記されていたのである。それを記憶の欠片で見たアスモデウスとエリゴスはそれが真実なのかどうかを確かめるためにティアマトにキオリの洗脳を解くように命じたのである。

 エリゴスはそう言えば

「しかし、エリゴス様。どうして、彼が救える者だと確信したのです?」

 1人の悪魔が困惑気味に話した。エリゴスはキオリの記憶の欠片を読んで、ティアマトの作戦は完全にバレており掌の上で踊らされていた状態であることは説明したが、それ以外の記憶の欠片で何かを決定的な証拠がエリゴスはキオリを救える者であると判断したのだが、それを説明を未だにしていなかった。

 エリゴスはその問いにコップで飲み物を飲み干し喉を潤してから

「キオリが救える者だと判断したのは、この世界に召喚されたときに出た行動だ。西の街の問題を解決するために作戦を立てたり、偽勇者候補一行が現れた時も、身体が勝手に動いて通じない言語で説得を試みようとしたり、勇者候補に見捨てられた一般人の男を助けたりと自分の不利益になることなど考えずに突っ走る行動は、まさに救える者と似た行動を起こしている。それにキオリは、この世界に飛ばされた魔王までもを魔界に戻すためにいろいろと行動していたところに、キオリがいた場所からすれば過去であるこの魔界に何故か来てしまった。魔界が人間を呼び寄せることはあっても、それは輪廻転生した姿で現れる。ただし、キオリが精神のみだけこちらに来て、ティアマトが捨てるはずだった器に入った。というのは、何かしら事情があるはずだ」

 そこでエリゴスは一旦口を閉じてから深呼吸を一回だけした後

「そこで、皆の者に協力してもらいたいことがある。何故、キオリの精神体がティアマトが捨てるはずだった器に入ったのかを」

 そう宣言したのである。

【フルー】

魔王城でメイドとして働いている悪魔でレティは双子の妹。

短髪でアホ毛がある。妹がメイド長を務めているのを気にしている。クールな姉


【レティ】

魔王城でメイド長を務めている悪魔でフルーは双子の姉。

腰までのある長髪でアホ毛がある。クールな姉とは違い、活発化で元気。

姉より先にメイド長になったことを気にしている。


【精神】

魔界では、魂のこと。

その理由は、魔界にとっての魂は命そのものであり、それを尊重するものであると考えられているからである。

キオリ身体から離れてそれが魂として魔界のしかも過去の魔界に現れたとして混乱を避けるために、敢て魂と言わずに精神と呼び分けている。

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