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魔王討伐の出発、モンスター魔物の違い、山小屋、盗賊の話

RPGあるある。四次元ポケット並に入る荷物、お金と備品を落とすモンスター。


8月31日修正

文章の段落開け

一部、文章を変更


9月27日修正

一部、文章を変更

誤字修正


10月11日修正

後書きの[を【に修正+文章の一部を変更

 異世界アトランダム召喚術式によって、この異世界に転移されてから約一ヶ月経った。

 準備期間を終えた俺たち平和組とラーシュは、ようやく城下町から魔王討伐の出発することとなった。

 実践訓練で、モンスターの激変ぶりには俺とスズカは思わず呆気にとられたり、テントの組み立ては、中央広場で実際に組み立てた後に、どういう理由か不明だが、その形状のまま縮小していきそれを何処に入れるかをじゃんけんで決めて、それに勝利したスズカ専用の四次元麻袋に収納されることとなった。金銭管理は、元の世界で家計簿を付けていたというカズキに任せて、俺は体躯と体力だけが取り柄なことから荷物運びとなった。一緒に同行することが決まっていた狼の獣人のラーシュだけは手ぶらとなったのだが、体力には自信があるという言葉を信じ、俺との荷物運びを交代することとなった。元々、力仕事を任せられることが多かったという付け加えもあったのだが。

 ちなみに、異世界アトランダム召喚術式の際に俺たちが持っていた荷物は、王様が預かっていたらしく、通訳係の使用人によると、帰還の呪文を唱える際に返してくれるらしく、暫く預かってもらうこととなった。教科書とか大した荷物しか入っていない為、大変ありがたい。ここは、電波が通っていないため、携帯を持っていても意味がないから、中身だけを無事なのを確認したのち、王様に預けた。


 王宮を出て城下町を出てから、魔術師、ドワーフ、ハーフエルフ、エルフ、妖精、ラーシュを除く獣人達とはここ入口付近で別れた。何かあったら念話で連絡という話と、平和組の最初の行先は、リドさんの助言で、西の方向に少し大きな街があるため、そこで情報収集をした方がいいと教えてくれたので、その方向に向かうことが決まった。

 別れる前に、王様が大事なことを言い忘れていたらしく、各通訳の兵士達が、魔王討伐は同時と言っても同じ日に倒せば同時のカウントに入るという事を言い忘れていたらしく、謝罪したあと、王宮へ素早く戻って行った。こいつら忍者か何かと思うぐらい一瞬で戻る。

 その一瞬だけの光景に呆気にとられながらも、俺たちは別々の方向へ歩き出した。


 歩く順番として縦に歩くか横に歩くか、どうでもいい状況を考えた結果、ひし形の形で歩くことにした。

 近距離の俺が上。右と左にカズキとラーシュの中距離、下が遠距離のスズカとなった。その際に荷物運び認定されていた俺なのだが、四次元ポケット並の麻袋は何を入れても軽い状態という不思議さがあった。

 結構昔に召喚されたエルフだって首を傾げるレベルだってのに。そこの解明を切実にして欲しい。


 暫く歩いていると、警戒心ないモンスターと出会って戦闘したり、警戒心バリバリのモンスターと戦闘したりしていた。不思議なのは、銀貨30枚ほどお金を落とすことだろうか。何処に仕舞ってあったのか切実に知りたい。

 人間に交友的なモンスターと出会った際に、彼らはカタコトな日本語で

「モンスタートヨブナ! 魔物と呼べ」

 後半はカタコトじゃなかったな。いい慣れている。

「えっと、あたしたちの言葉が分かるんですか?」

 スズカは尋ねれば。

「キミタチハ、ユウメイジン。魔物ハ、巨人ト、人間、ユウコウカンケイ。キミタチガ、キタコトハ、ゼンイン、シッテイル! ニホンゴ? ハ、オボエヤスイ」

 そうか、日本語覚えやすいか。方言やら慣用句やら、四字熟語やら俳句やらを覚えきれない俺もいるけどな。多分言いやすいってことなんだろうな。うん

 脳内でそう思いつつ

「それで、えっとモンスターと魔物の違いは?」

「ユウコウカンケイガ、アルノガ、魔物。ユウコウカンケイ、ナイノガ、モンスター」

 ということらしい。

「見分けの付け方とか、教えてくれないか? 間違えるかもしれないだろ?」

 カズキはそう尋ねると

「魔物、ヨロイ、キテイル」

 と長く黒い爪で鉄製の鎧を見せてくる。あーなるほど。

 魔物は鉄製の胴体鎧を着ている。下半身が膝と思われるあたりにガードがあるだけで、武器は基本槍のようだ。

 ちなみにこいつは、トカゲの魔物となる。

「モンスターが、お金を落とすんだが…………。どういう仕組みなんだ?」

「モンスターガ、キンセンオトスリユウ? シラン」

 ここの世界の、謎がまた増えた。

「魔物ノ村アル。巨人トハンタイガワニアル。キタラカンゲイスル」

 そういってトカゲの魔物は俺たちに非常食代わりに干物肉を幾つか渡したのちその場から離れた。


 暫く進むと、山小屋を発見した。大分、日も暮れてきたし、山小屋を軽くノックすると、髭の生やした爺さんが出て来た。

「こんな時に律儀じゃの。もしや平和の奴らか?」

 異世界語の概念を捨てないでくれ爺さんや。

「あ、はい。あ、こいつは狼の獣人のラーシュで一緒に旅している仲間です」

「なるほどの…………。ま、中に入りなされ」

「お邪魔しまーす」


 山小屋

 木製で造られた小屋で広さは大体10LDKぐらいだ。

 意外と広いな。

「元々、この小屋は無料で提供されていた宿じゃ。ここからさらに遠い町の休憩所になる。山を登ったりする。山に必要な備品はわしが買い取ろう。銀貨3枚でこれとこれとこれが交換できるからの」

 と爺さんは髭を触りつつ豪快に笑いながら、商売を進めた。


 夕食は、山小屋に備蓄してあった、干し肉を蒸して食べて、爺さんに西にある街に行く予定があると言えば、西にある街の情報を教えてくれた。その街の名前も教えてくれたのだが、異世界語だった。つまり現地語。

「そうじゃな。この言葉では言いにくいからの。すまないな」

 日本語では翻訳不可能な異世界語とは。

 その街は、魚が主に盛んな街で、毎年のこの時期に大漁祭が行われているらしく、着ぐるみショーまであるらしい。

 この世界、着ぐるみとかあるのか。

「最近は、魔王の影響か、影響を少なからず受けているかもしれないの。君らの歩幅じゃと…………。せいぜい3日程度で着くじゃろ」

 ということだった。


 夜に盗賊がやってくることなく朝を迎えた。髭の生やした爺さんは既に居なかったが代わりに一枚のメモがあった。

 そこには西の街の地図と銀貨7枚と登山で必要な備蓄品を幾つか渡すことと、世話になったお礼が書かれてあった。

 優しい爺さんは最後まで優しい。

 増えた銀貨はカズキに渡して荷物は四次元麻袋に仕舞い込んだ。そして忘れ物がないか確認して山小屋を出た際に、後ろから風が吹き抜けてから

「キオリ、カズキ、スズカ! 後ろ! 見テ!」

 若干カタコト気味であるラーシュに言われて後ろを振り返ると、そこにあった山小屋は消えていた。

「……………………は?」

「え? さっきの風で吹き飛ばされた?」

「それだったら薪とか残ってないか?」

 山小屋を出てから移動していない俺たちは困惑していると、ラーシュの狼の耳がピクリと動いてどこかを見ていた。

「ラーシュ? どうしたんだ?」

「んー? ナンでもないデス!」

 ラーシュは首を傾げただけのようだ。

「西の街に着いたら山小屋について尋ねるか…………。通じるか分からないがな」

 俺の言葉に3人とも頷いて、そのまま西の街へと向かった。


 山小屋を離れてからモンスターのエンカウント率が上がったような気がする。どれも警戒心がないモンスターで、ズバズバと倒していくと、小石を頭に投げられたので振り返ると、盗賊っぽい男たち3人が鉈を持っていた。

 もう一度言おう。鉈を持っていた。

「!? 敵!?」

「あれって鉈だよな!? なんだよアレ!?」

「え!? いつから後ろに!?」

「盗賊コワイ!!」

 上から、俺、カズキ、スズカ、ラーシュである。

 思わず密集して、そういえば、オレンジのバンダナをした男が、驚愕した顔をしたのち

「!? お前たち、あの平和な世界の住人か!?」

 そう叫んだ。

「?!」

 俺たちは驚くしかないよな。


 唯一日本語が喋れるオレンジ色のバンダナをした盗賊は、何故か俺たちに握手をしたのち

「いやー。すまん。すまん。最近何かと物騒でね。アハハ。そっちは獣人だろ?」

「狼の獣人のラーシュ!」

「ラーシュな。いやぁ…………、まさか、ここで出会えるとは。あ、頭は怪我してないか? 幻か幻覚かと思って小石を投げたんだよ。悪かったな」

「あ、いや…………大丈夫です」

 俺は苦笑いをする。

「それで、どこに行くんだい?」

 と尋ねられたので西の街に行くといったら、盗賊の一人は腕を組んでから

「魚の街ね。ここ最近は、不漁続きだって言っていたな。魔王討伐での情報収集だろ? それなら、不漁の原因を調べれば、情報はくれるんじゃないか? 俺のような平和の言語が分かるやつらもいるだろうしさ」

「それはどうも…………。あの、どうして日本語喋れる人がいるんです?」

「……………………魔王討伐後に教えてもらった方がいいぜ。絶対気絶する可能性があるしさ」

 若干遠い目をした。ラーシュまで遠い目をする。

 俺たちは互いに顔を見て首を傾げるしかない。

 そこで、俺たちはオレンジ色のバンダナをした盗賊にあることを教えてもらった。


「自称勇者御一行が金銭を盗んだりしているんだ。人の事は言えないが、あいつらは、お前たちを平和の世界の住人の言葉が分からないんだ。それだけ頭に入れておいてくれ。俺たちは平和の世界の住人が召喚されたことは世界中に広まったと誰かが教えてくれたはずだ。自称勇者御一行はその平和の世界の住人がいることすら知らないんだ。気をつけろよ」

 オレンジ色のバンダナをした盗賊はそう言うと、俺たちにあった褒美として狩りでとれた猪のような獣を一頭くれたのと、銀貨9枚をくれたのち、その場を立ち去った。


【魔物】

人間ダイスキ。平和組は知らないが、平和組のいた世界を題材にした本がこの世界には、数多くあるため、平和組が召喚されたことは世界全体に広まった。

基本的に鉄製の胴体鎧を着ている。

頭身にバラツキがあるが、大体8頭身前後が多い。


【モンスター】

何故か、お金やら備品を落とす。

魔物も理由を知らないし、この世界の住人は当たり前だと思っているため疑問にも思っていない。

違和感を感じるのは勇者アトランダム召喚によって召喚された人物たちのみ。

警戒心丸出しのモンスターは大体コカトリスだったりする。

戦闘終了後、何故か消滅する。


Q:都合よく日本語喋れる異世界人って多くない?

A:この異世界は、平和組がいる地球が題材となる物語や文献が多数存在し、喋れるのは、ファンだたったりします。好きな言語を喋れる=憧れがそれです。

キオリ達平和組が知るのは、魔王討伐後の帰還する時なので、それまで知りません。

ちなみに何かしら銀貨を渡しているのは貢いでいるから。推しに貢ぐ。そんな感じです。


Q:なんで山小屋が消えたの?

A:元々、髭の生やした爺さんが、生前に住んでいた山小屋で、この世界から数えて2400年前に火災で髭の生やした爺さんと山小屋は燃えて亡くなったのだが、幽霊のような状況で留まっていたました。

心残りは、最後に優しい旅人がいたらという名残でキオリたちがやってきて優しくしてくれた恩恵で成仏出来たので、山小屋もそのまま成仏しました。キオリ達は西の街に住む住人に話を聞かない限り知らないままです。山小屋と髭の生やした爺さんは成仏出来たお礼として、暫くモンスターが警戒心がない方のモンスターが出現するようにさせました。


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