通常魔術と通常魔法の訓練
前回のあらすじ
戦闘魔術は全体攻撃が行える魔術で、その威力が膨大であった。
視点を移動させてたりしてます。
戦闘魔術と通常魔術の場合、どちらが先に消費するのかと言えば通常魔法の方が格段に消費するらしい。本来ならば戦闘魔術の方が消費しそうなイメージがあるのだが、戦闘魔法の場合、戦闘魔法で使う魔法の威力が数十倍にはね上げるという簡単な作業であるとアルデバランさんは説明してくれたのだが、その数十倍に跳ね上がる為の作業工程が非常に難しいのだ。攻撃魔法の部類に当るファイアーボールは、単品で空から降ってくるのだが、それを大量に発生させるのが攻撃魔術だ。それを1つの演唱で済ませなければならないという難易度付きでだ。
その際の消費を例えば、10が満杯だとすれば2~3消費するぐらいぐらいには戦闘魔法で使う消費量は低いのだ。しかし、通常魔術はその倍の8~9前後だとされている。その理由についてもアルデバランさんは説明してくれた。
「通常魔術は通常魔法より倍以上の水を消費するのだが、その理由は通常魔術の内の1つである転移魔術が大きな理由だ。転移魔術は、今いる場所から行きたい場所までの距離、時間、軸をすべて把握して移動しなければならない。現在地から到着地までの距離を空間把握処理魔法という別の魔法が発生するんだが、それを除去した上で瞬間的に軸を把握した上で転移しなれければならないんだ。軸を間違えたら埋まるのは確実だからな」
「ところで、昨日から気になっていたけど、魔力と呼ばないのに何か理由があるのかな?」
ラーシュはそう尋ねれば、アルデバランさんは忘れていたという顔をした後
『先代王様が魔力という言葉を禁止令を出したんだ。魔王がいる世界の用語は一切使わないようにする禁止令がな。それが無効化されるのは先代王様が亡くなってから15万年間の期間内だけだ。つまり今年中は魔力を呼ぶのは禁止令だから会話に出せないんだ』
とさらっと書かれた白紙のノートにそう書かれていた。
紙に書くことは許されるが口に出すことは許されないようだ。
魔王を異世界に戻すには、まず逃げ出されないように戦闘魔法で動きを封じる必要があるらしく戦闘魔術に特化しているソフィさんが戦闘魔術の訓練を行っており、俺とラーシュは異世界アトランダム召喚術式に似た移動魔術を使用しなければならなかった。他に賛同する人物の手助けがあって発動するタイプなのだが、そのコツというのが先ほども話した転移魔術の応用である。
本来の転移魔術は使用した、本人が行きたい場所を思わなければ発動しないのだが、魔王を元の異世界に戻すには、魔王自身が元に戻りたい場所を把握しなければ発動することが出来ないのが決まりで、そう思わなければ魔王が戻ることはまず不可能に近いと言っても過言ではない。だが、人数が多ければ多いほど成功率は高く跳ね上がるし、不安定な術式にもならないのだ。だから、魔王と転移魔術をしてくれる人を説得をしなければならないのだ。面倒だと思うだろう。実際に面倒くさいのだが、如何せん人数が少ないのが現状だ。
魔術を使えるのは、俺が把握している時点で、特殊名を持っているアルデバラン達と俺とラーシュとソフィさん。それと魔術師3人と獣人、鱗人も含まれる。それでも不安定だとイザールさんが愚痴を零すぐらい少ないのだ。エルフとハーフエルフたちがどうなのかは不明なのだが、パドラーさんが説得しにいってくれるらしいので、それに期待するしかない。
現在、俺が行っている通常魔術は転移魔術の練習と素早く動く物体を固定させる束縛魔術である。
転移魔術には説明をしたので詳細を省かせてもらうが、束縛魔術は異世界アトランダム召喚術式にも使用された魔術要素の1つで、手足を固定させるために発動する魔術らしい。練習としてどこからか現れてくるボールを束縛魔術で止める練習をしているのだが…………
「キオリ。お前のそれは、素なのか?」
「素じゃないと思いたいんだがな…………っあ! くそっ!! また失敗した…………」
飛んでくるボールを術式展開にしてから束縛魔術を使用しているんだが、そう簡単に出来るはずもないしかも跳ね返ってくるタイプのボールだ。祭りでよく見るゴムボールと同じ仕組みだと俺は思っている。
「そうだな…………。キオリ。術式展開は閉じろ。まずそれは不要だ、術式展開を発動しないで束縛魔術を使え。」
で、アルデバランさんが俺にそれは素なのかと尋ねたのは、俺が束縛魔術を使用する際に展開させている術式展開のことだ。魔法を使用する際は必要な術式展開は、魔術になると不必要になってしまうのは分かってはいるのだが、どうも術式展開を発動させてから束縛魔術を使用してしまうというよく分からない癖が身についてしまったようだ。
「ずっと魔法ばっかり使っていたのが癖になってしまっているな…………。キオリ。ボールが来る方向に術式展開を発動させることは出来るか?」
アルデバランさんは、そう指示を出すがただでさえ瞬間処理能力を駆使しているのに、難しいお題だ。
「一応、やってみますけど、期待しないでください」
そう声をかけてから、飛んでくる方向に術式展開を発動させたら跳ね返ってきたので思わず束縛魔術を発動するが発動するのに2秒ぐらい要するので、その間にボールは別の方向へと跳ね返って飛んで行った。
「やはり、跳ね返ったか。同時に発動することは出来るか?」
やはりと言ったか。術式展開は円形状の模様なのでそれが薄い壁となって発動することによってゴムボールはそれにより跳ね返ったのだが、俺はその事実を今知ったぞと言わんばかりに遠くにいるアルデバランさんは睨みつけながら
「難易度高くなってません?」
と言えば
「当たり前だろ。練習にならんからな」
何を当たり前なことをと言わんばかりの声音で返してきた。その間にもソフィさんが戦闘魔術で何かしら爆発させたりしているのだが、音が的確に聞こえるのはアルデバランさんが発動した個人だけ聞こえるイヤホンの役割を果たしている魔法を展開させているからだ。
遠くにいるラーシュの声やソフィさんの声も聞こえないのだが会話しているのを見るに、同じような魔法を展開させているのだろう。
「やれやれってか…………」
滅多に言わないセリフを吐いてから俺は目の前に集中することにした。
「カズキくん、スズカくん、ドロシーくんには、魔法の水を一杯にさせることから始めるけど、それにはある程度の通常魔法を覚えてもらう必要があるんだ。特にドロシーくんは、この世界では見たことがない部類を処理しているみたいだから、まずはそこから埋めるとしよう」
イザールは、目の前に座っているカズキ、スズカ、ドロシーを見ながら笑顔を浮かべてそう言った。
「うげぇ…………。後回しにしたやつが後々、やってくるのか…………夏休みの宿題みたいなもんか?」
「まぁ、カズキくんの言葉通りだね。苦手科目は克服した方がいいだろう? 僕たちも魔法は基礎知識として最初に覚えるものだからね。最低でも器一杯になるのがそれだね」
イザールの言葉にドロシーは挙手をした。
「魔王を戻すのに魔法はいるものなの?」
その言葉にスズカとカズキはその考えに至らなかったとばかりに驚きながらイザールを見た。
「その説明がまだだったね。魔王を戻すのには魔術と魔法が必要なんだ、今回君達が覚える魔法は魔術を安定させる緩和魔法と呼ばれるものだよ」
「緩和魔法?」
「魔王が落ち着いて移動できるために必要な魔法のことだよ。心を穏やかにする魔法と言ってもいいかな。異世界アトランダム召喚術式には使用されていない魔法要素の1つとしてそれが魔王の間で取り入れる予定にはなっているんだよ。14年前に起きた魔王討伐に対していろいろと調べらたら、魔王はこの世界に強制的に呼び出されたことによる恐怖概念があるんだ。それで暴れてしまう可能性があってね。説得が成功しても魔王を魔界に戻すにはそれ相応の覚悟が必要で一種の恐怖心を抑えなければならないんだ。それを無くすのが緩和魔法なんだ。それをかけるのにも魔王の許可がいるのだけどね」
【水】
魔法と魔術の源のこと。
魔力と言わないのは、魔王が住む世界の用語であるため先代王様が禁止令を言い渡した。先代王様が亡くなってから15万年以上経っていなければ撤回は出来ない。
【空間把握処理魔法】
読んで字のごとくなのだが、行きたい場所の軸に人が立っていないかどうかを把握する魔法のこと。それを別の場所に移動させることも可能だが自然に移動してほしいところ。
なお、これが失敗するとくっついてしまう。失敗は許されない魔法なので、一部では禁止魔法に入れるべきではないかという抗議の声と人が立っている云々は魔術の要素じゃないのかという声が入っているが未だに解決されていない。
【束縛魔術】
別名は拘束魔術とも呼ばれる魔術の一種で、移動している人物又は物体を固定させるための魔術式で瞬間処理能力を応用する必要がある。通常魔術の中では、3番目に難しい魔法とされている。
一発で出来る人物はそうそうに居ない。
【瞬間処理能力】
飛んでくるものを素早く反応出来るかという滞在能力のこと。
【個人把握聴力魔法】
アルデバランがソフィ、ラーシュ、キオリに使用していた個人にだけ聞こえる魔法のこと。
【緩和魔法】
相手を落ち着かせるための魔法。