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道にそれない。謎の人物

前回のあらすじ

これからのことを話しました。

 翌日。朝食を食べる為に、広間に向かえばパドラーさん達はいなく、ソフィさんの話によれば、パドラーさん達は、既に3番目の小屋を後にしていた。というのも、パドラーさん達の目的は、俺たちが魔王を救うののかどうかの意思確認するべくこちらに来ていたらしく、その間に念話でパドラーさんがリドさん達とイリルさん達の説得を試みたのだが、こちらが折れる形になり、さらにプライドもズタズタにされてしまったところで俺たちと合流したというのが、昨日の今朝方のことだった。

 その目的も済んだので、早朝に起きていたソフィさんが、パドラーさん達が3番目の小屋を後にしたのを目撃したというわけだ。どこに向かったのかは不明である。置手紙も置いて行かなかったみたいだからな。

「彼らなりに情報収集をするのではないかな? キオリ達から得た新たなる情報を元に、今現在協力してくれている勇者候補にその情報を渡してそして調べる。魔術師が得意な分野だろう。元々そう言う分野に特化しているらしいからね」

 調べるのに特化しているというのに納得した俺たちは朝食を食べ終えた後、掃除、片付け、点検などを行ってから3番目の小屋から出て行った。


 3番目の小屋から後にして東の方面へと進む道なり、段々と草が生い茂っていく道に強くなるモンスター集団。時には1匹で時には集団で襲ってくるものの、俺たちが協力してなんとかやっていけたのだが、今回はそうもいかなかった。

 モンスターの軍勢が押し寄せてきて一ヶ所に纏まっていた俺たちはその軍勢により散り散りになってしまったのである。その中のモンスターのボス的存在と俺は、今、目のあたりにしている。

 サーベルを構えて数分間の睨み合い。そしてモンスターのボス的存在は、口を開いた。

「貴様ガ平和組ノリーダーカ?」

「!?」

 予め言っておこう。モンスターは冒険者やこの世界の勇者などと言った人間に対して会話という行為は一切しないのである。これは、グリーバスさんから教わったことなのだが、モンスターと魔物の規定はある程度決まっており、ある程度のモンスターの討伐も限度が決まっていたりする。例えば、モンスター側に母親がいた場合は、その周辺3m範囲内はモンスターの出産のも影響もあり近づいてはいけない。などといった注意事項がこの世界にはそういう規定があり魔物はその役割を担っているのだとも。で。モンスターが会話しない理由なのだが本来は会話が可能なのだが、感情移入でモンスターを討伐出来ない人物が出てきたためである。

「リーダーになってますね」

 警戒を怠らずにサーベルを構えつつそう言えば、ボスらしきモンスターは

「我ガ住処ニ立チ入ッタ。シュレディンガーニ向カウ道ヲ大幅ニズレテイル」

「ずれている? どのくらい?」

 東の街に向かうのにその道を大幅にずれては困るので、そう尋ねればボスらしきモンスターは後ろ脚を地面に下した後

「左斜メ25度ホドダ。ダカラ我々ノ住処ニ足ヲ踏ミ入レル。侵入セヌ用、人間側デ柵ガ立テラレテイタハズダガ?」

「柵?」

 ボスらしきモンスターの言葉に俺は、ここに来た道のりを思い出してみるが…………。

「3番目の小屋あたりから柵らしきものは、無かったんだが」

「ナヌ? 君達ハ、シュレディンガーニ向カッテ入ルノダッタナ。シュレディンガーノ門番ニ、ソルトトイウ人間ガイル。彼ニ言エバ、柵ヲ着ケテクレルダロウ。今回ハ見逃スガ、次ハナイト思エ」

 そう言って俺の服の襟を噛んでからその場から離れるように促して、何とか正規ルートに戻った時には、散り散りになったスズカたちと合流した。

「なんか、モンスターに追いかけられたと思ったらここに集まったんだけど…………?」

 とスズカが頭上にクエスチョンマークを浮かべていたので、俺は、ボスらしきモンスターと会話したこととその時にそのモンスターの住処に足を踏み入れてしまったこと。本来なら東の街に向かうためには安全策として柵がつけられていることを説明すれば、スズカたちは納得した。

「なるほど。じゃあ、段々とずれていったんだね」

「ああ。でも二度とずれたら速攻で殺される運命だろうな。ボスらしきモンスターもそう言っていた。次はないとな」

 スズカの言葉に俺は頷いた。それならとラーシュは挙手をした。

「あたしが先頭に立つよ。鼻はいい方だからね。先頭をあたしにして後方をソフィさんに任せていいかな?」

「なるほど。鼻が効く者同士で挟めば道がずれることもない。ということだね?」

「そういうこと」

 ラーシュの提案にソフィさんがそう言えば、ラーシュは頷いた。

「だが、僕の方は耳を頼りに動いていることもあるから、多少ずれることもある。その場合はドロシー。君に頼んでいいかい?」

 ソフィさんの言葉にドロシーは頷いた。

「分かったわ。あたしの方でも探知機能を発動させるよ。結構燃料を消費するけど、この場合は仕方がないよね」

 結構便利な機能を使ってくれることに俺たちはお礼を言えば、ドロシーは照れていた。


 ドロシーの探知機能とラーシュの臭いで俺たちは道を外れることなく進むことが出来た。昼食には作り置きをしていたらしくソフィさん手作りの野菜サンドイッチを頂いた後、10分くらいの休憩を入れていた。

「ここは、少し安全地帯だが一時的なものだろう。準備が整い次第出発するとしようか」

 とうことでの10分だ。仕方がないね。危険地帯でゆっくりしていられるほどほのぼのした世界ではないからね。

 休憩を挟んでから再び出発! 東の街に向かうために、まずは4番目の小屋へと向かって歩き始めたと同時に足元に何かが引っ掛かりズデンとこけてしまった。

「うぇ…………。口の中に砂が入った…………。えっと水筒は…………あった」

 水筒の水を口に含んである程度ぐじゅぐじゅしてからペッと近くにあった水飲み場に吐き捨てた。…………ん? 水飲み場? 休憩した所には水飲み場なんて存在しなかったはず。そこで、俺は、周りを見た。

 薄暗く黒く覆われた壁には1m感覚で松明[たいまつ]が両側に並べてあり、地面は草が生い茂っている場所ではなく、大理石のように固い灰色が俺を映し出すほど磨きがかっている。地面に躓く要素もなく砂すらないただの大理石。だというのに、俺は口の中に砂が入ってしまった。これはどういうことだ? 上を見ても黒の固くしかも鏡のように俺の顔が映し出されるほどのやつだ。俺はここから来たわけではないという確証を得ただけに終わった。

「ここは、どこなんだ?」

 俺は訳も分からず、その場にいるわけにもいかないいので、壁伝いを頼りにまずは出口を探すこととなった。


 一方で、スズカたちは

「キオリくん。大丈夫?」

「…………あぁ。大丈夫だ」

 スズカの言葉にキオリがそう答えたと同時にソフィはスズカとカズキを後ろにやって短剣をキオリに構えた。

「え!? ソフィさん!?」

「君は、一体誰だ?」

 睨み付けるようにキオリを見てそう言い放つソフィにカズキとスズカは困惑した。

「スズカ、カズキ。彼はキオリではないよ! 倒れる前はキオリだったけど倒れた後がキオリじゃない!」

「別人です。姿形はキオリですが、キオリではありません!!」

 スズカとカズキが声を掛ける前に、ラーシュとドロシーがそう言えばスズカとカズキは驚愕してキオリを見た。

 キオリ(?)は、

「なぁんだ。もうバレたのか。ツマラナイなぁ……………………?」

 そう言うと暗闇が発生してそれが解けるとキオリではなく、紫色の頭に小さい黒色の翼、背中には大きな黒色の翼と尾てい骨には長い尻尾少し青白い肌黒くて長い爪、黒の短パン、黒のブーツを履いた男が現れた。

【モンスター】

ある程度の契約が人間と魔物とモンスターの間で執り行われている。

モンスターは喋れるが感情移入をさせないために喋らないようにしているが、わざと喋って油断したところで襲ってくるモンスターも中にいる。


【探知機能】

サーモグラフィーを利用して探知する機能のこと。結構な燃料を消費する。

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