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君は君たちのペースで

前回のあらすじ

魔術師を含む、コボルト、ドワーフ、神、魚、鱗人、妖精、ピクシー、獣人が魔王を救うことをデラミラさんから明かされました。


1月13日修正

2000年前を18000年前に変更しました

 デラミラさんと今後についていろいろと語りつつ気づけば3番目の小屋に辿り着いた。その間にモンスターは俺たちに休む暇もなく襲ってきたものの、主に練習として成果をだそうと生きこんだ俺たちが薙ぎ払ったり切り裂いたりとしていた。もちろん逃げるモンスターもそのまま見逃すという慈悲はある。俺たちは、そこまで戦闘狂ではないからな。

 3番目の小屋は、1番目や2番目の小屋と違い外見が狭いなと感じられたのだが、中に入ってみれば外見よりも相違があるほど広く感じた。そうだな…………。例えば、外見は一般的な狭い一軒家なのに中身は体育館並みに広々としていた。それぐらいそ差がある。それにどこか上品で豪華のような気がした。

 そんな俺たちに気づいたのかアレクロさんは

「この世界で一般的に使われている幻覚魔法の一種と考えていいだろう。私も何度か目撃しているから間違いないはずだ」

「一般的に使われてるものなの?」

 ラーシュはmそう尋ねればアレクロさんは近くにあった椅子に腰を下ろしてから

「外見で狭いと感じたら中身も狭いと感じてしまいそれで、言い争いとなり最終的には決裂してしまったというのが、この世界の過去に1度起きたらしい。それまでの魔法は、一般的にモンスターを討伐するものとして街中での使用を禁じられていたのだが、それがきっかけで幻覚魔法と言った簡易魔法だけの使用が許可されたと確か…………エポニムだったな」

 とそう言った。ソフィさんとデラミラさんは、パドラーさんを寝室へと運んでいるのが視界に入った。

「…………え、なんだって?」

 カズキは聞きなれない単語に首を傾げた。

「エポニムだ」

「えぽにむ?」

「?」

 お互いに頭上がクエスチョンマークでいっぱいになったところで、デラミラさんとソフィさんが戻ってきた。

「どうしたのですか?」

 デラミラさんの言葉に、アレクロさんが説明すると

「ああ、西の街のことですよ。エポニムというのは西の街の名前です」

「え!?」

 デラミラさんの言葉に俺たちは驚愕する。

「ついでですから、教えましょうか。中央の街がエメット、北の街がストライトサンド、南の街がダニングと呼ばれてますね。東の街がシュレディンガーって呼ばれいるのは、既に知ってますよね? それ以外では、その人物が村を命名したりしていますが、5大都市。つまり中央の街を含んだ、北の街、西の街、東の街のことですが、これらに関しての命名の由来は、未だに分かっていません」

 胡蝶蘭だったり、SSPだったり、フォレスト・ティータイムだったり名前の由来は訊いたことがあったが5大都市に関しての名前の由来は、今現在でも分かっていないらしい。誰がどういう理由で名付けたのかというのが疑問に残るところだ。


 夕食と風呂を済ませた後、俺たちは、東の街にいるというアルデバランという人物が魔王について詳しいことを小人のエルナトという人物から教わりそこに向かう予定であると説明すれば、魔術師たちは驚愕した。

 夕食の時に体力を回復させたパドラーさんは

「あの気難しいアルデバランの招待状をエルナトという人物が渡してくれたと?」

 とかなり動揺していた。

「そうなんだ。エルナトさんは、俺たちというか、平和組が来ることを予知していた事が王宮にある図書館にある2冊の本に俺たちの世界の言語で書かれていてそれで、小人がいる東北東に向かったんだ。その時に、エルナトさんは、俺たちが来ることを未来を占える魔女に出逢って俺たちがこの世界に来ることを予言して、魔王が救えるのは、俺たちがいた時だけだと教えてくれたんだ」

 確か、そう言っていたはずだ。3週間前だからな。少しあやふやな部分がある。ちなみにため口なのは、パドラーさん達がため口で構わないと言ってくれたので、遠慮なく使わせてもらっている。

「なるほど。それで、アルデバランのところへ向かうのか…………。アルデバランを知るきっかけになったのは?」

「18000年前に倒された魔王の1人の名前がタルタロスという名前で」

 カズキがそう言えば、パドラーさん達は驚愕する。

「タルタロスだって!? あの爺さん!?」

「!?」

 突然大声で叫ぶものだから、俺たちというより平和組が驚愕する。

「あ、ああ。エルナトさんが言うにはタルタロスは、少し先の未来を見渡せることが出来るといっていたが…………。それで、タルタロスは俺たちが救える者なのかと尋ねてきたんだ。もちろん頷いたけどな」

 俺は驚愕しつつそう言えば、パドラーさん達何かを考える仕草をしたのち

「少し先の未来を見渡せることが出来る。…………だから、ああいったのか。タルタロスは、18000年前に私たちの前に現れたんだ。その時に何かを言いかけたのだが、当時は、意味が分からなかったな…………」



「君たちには、いずれ救える者が現れるだろう。それまでは…………」



「その救える者が平和組のことだったのだな。今更になって納得した」

 パドラーさんは関心するように頷いた。

 これまでに判明したことは、18000年前にタルタロスは、パドラーさん達、魔術師に救える者が現れることを伝えていた。それを受けてもう1人の魔王に対して俺たちが現れることを話していた。

 そして14万年後の現在。14万年ぶりに平和組を含んだ勇者候補が各々違う異世界から同じ異世界へ召喚されたというわけだ。後の流れは分かるだろう?

「でも、良かった。今回の魔王の人数が多いから他の人たちもお願いしようって思っていて。ね? キオリくん」

「ああ。納得出来る説明をして、お願いするつもりだったんだが嬉しく思う」

 スズカの言葉に俺が同意すれば、パドラーさん達は恥ずかしそうに照れた後

「実は、私たちも一番の難関は君たちだと思っていたんだ。私たちが過去にやってしまったことは平和組としては絶対に許されない行為であろうことも理解していたし、それに対しての非難も受け入れるつもりだったんだ。だが、君たちは私たちを非難することはなく優しくしてくれた。過去の魔王も君たちに出逢っていれば、少しは変わっていたのかも知れないな」

 パドラーさんの言葉に俺は

「俺は、そこまで意地の悪い人間じゃないんだけどな…………。俺は困っている人を放っておけるほどお人好しではないが、手助けするぐらいは必要だろう? 助けてくれるってのに冷たくあしらうってのは、俺の性分に合わないからな。魔王を救ってくれるのを手伝ってくれるのなら俺たちはそれを歓迎する。そうだろう?」

 俺がそう言えばカズキとスズカは力強く頷いた。

「もちろん! あたしもキオリくんの言葉に同意するよ。あたしも過去に不幸なことがあって、それを助けてくれた人たちがいたの。あたしはその人たちのように恩返し出来るあたしでありたい。そう思ったんだ。だからあたしは出来る限りの人たちを救う。そう決めているんだ。魔王を救うことがあたしの出来ることならあたしは救う。それを一緒にやってくれる人がいるのなら一緒に手を取って目標に向かっていきたい! そう思うんだ」

「僕も2人の意見に同意するよ。僕は、スズカのように何かに目標があるわけでもない。キオリのように何か出来るよう人でもない。だけど、そんな僕だからこそ出来ることがある。僕は2人のように前を向いて一緒に進むことが僕にとっての最大限で出来ることなんだ。僕は自分なりの目標を立ててそこに進むことを目指した。それが、前を向いて一緒に進むことだ。他人のように何かに怯えるような弱い人間じゃないってのを僕自身が見せつけるんだ。高くなくてもいい低くなくてもいい自分自身にあった目標でやればいい。パドラーさん達も無理に僕たちに合わせようとしなくていいんだ。僕たちは僕たちのペースで進む。だからパドラーさん達はパドラーさん達のペースで一緒に魔王を救おう!」

 俺とスズカとカズキの言葉にパドラーさん達は目を丸くしたのち

「ああ、やっぱり君たちは、すごいね」

 そう笑顔で答えたのだ。

【一般的な魔法】

過去に戦闘魔法、一般的魔法は基本的使用禁止されており、町外から出なければ使用できない仕組みであったが、結婚を前提にしていた男女が、旦那になる予定の部屋へ妻になる予定が泊まりに来た際に、部屋が狭いと妻になる予定だった女性が呟いたのが切っ掛けで喧嘩が勃発し王宮側の警頭兵が出動する羽目となったため、一般的魔法のみ街中での使用が許可され、緊急時の時には戦闘魔法も使用が許可された。それが起きたのは西の街である。


【エポニム】

西の街の名前のこと。


【エメット】

中央の街のこと


【ストライトサンド】

北の街のこと


【ダニング】

南の街のこと

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