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だから、これは君に託す。

前回のあらすじ。

キオリたちはクローズ博士の日誌を読むことになった。


クローズ博士視点というか、クローズ博士についての過去編

あとがきに出てきた用語があります。


11月20日修正

大幅な文章の追加。

誤字修正。

前書きの文章の1部を削除。

 とある場所の、とある一室の地下の部屋。人一人分ぐらいしかないあ狭い部屋で机にかじりつく1人の若者がいた。彼の名前は、クローズ。

 クローズの趣味は、もっぱら、何かしらの研究だった。動物の生態だったり、日光が照りだす時間とか、そんなのが趣味だった。元々、気になることがあると調べてしまうのが性格なので、それが転じて趣味と称してもクローズを知る人物は、研究者という職業に就いたらどうかと提案したのは、言うまでもない。

 クローズは、最初は近くの農業の手伝いをしていたのだが、その農業に含まれる成分が気になってしまい、農作業の仕事を疎かにしてしまい、辞めさせられたことを機に彼は研究者になる道を選び始めた。

 クローズが世間一般から有名になったのは、この時点では、まだ不明だった魔物とモンスターと人間の関係性に関する論文であった。魔物が人間と友好的に接しているのは、随分前から分かっていたのだが、じゃあ、魔物とモンスターと人間の関係性はどうなっているかという問題点だった。そもそも魔物とモンスターは見分けが付かないのにも問題があり、それについて調べる必要があったのだ。

 その研究にクローズは、直接魔物と会話した文章や見分ける方法として、魔物に胸当ての鎧を着せることで判別できるように、寒い地域に住むジャンジャン族に頼んでそれ相応の鎧を特注で作ってくれたことには感謝したのだが、その支払いはクローズになったことに、彼は眉間に皺を寄せた。いくらだったかって? 教えてあげるものか。

 とまぁ、その論文を学会で発表したところ、大いに取り出されて一気にクローズは有名になり、博士の称号を王から授与された。


 その時である。ブラックホールが現れたのは。


 当時、まだ名前が判明していないということもあり、ブラックホールという呼ばれ方ではなく、暗闇と称していた。その暗闇が発生したとき、クローズは、第一発見者でもある勇者ハーバードに、当時のブラックホールの状況を知るために、彼の住む町に訪れていた。

「ふむ。では、ハーバード君。君は、あの状況に畏怖を感じなかったというのかね?」

「畏怖…………。といより、僕はもともと臆病で怖がりだから。それは僕と同じ勇者学校を卒業した同級生にも言われているよ。でも、僕はあの暗闇に耳を傾けてみたけど、強制的に連れてこられたんじゃないかって思っているんだ」

 それからあの暗闇に近づいたら吸い込まれるから注意した方がいいという情報をハーバードから得たクローズは、ハーバードにお礼をした後に、次に魔王がいる場所へ向かおうと暗闇が出現した場所まで徒歩で移動した際に、王宮にある軍隊が暗闇がある方面から現れたのをとらえた。

「貴様。ここは立入禁止区域だぞ」

 その軍隊を引き入れて戦闘で馬に跨っている男は、クローズ博士を文字通り見下ろしながらそう言った。

「研究のために魔王に取材したくてね」

「……………………そうか」

 その男性はクローズの博士の言葉に何を思ったのか、馬から一度降りて左腕を上げて前に振り下ろせば、後ろにいた軍隊は先へと進んでいた。男性は彼らの姿が見えなくなるまで見送ったのち。

「君にだけ真実を話すが、魔王は討伐された」

「!?」

 クローズ博士は、驚愕な顔で男性を見た。男性は神妙な顔をしつつクローズ博士に聞こえるように小声で話した。

「王は、魔王は危険度19に値すると申したんだ。我々は、その命令を執行したに過ぎない。だが、あの暗闇は魔王を討伐した途端に消滅した。一瞬だった。それだけは覚えておいてくれ」

 男はそう言うと、再び馬に跨ってからその場から去った。その翌年に魔王を討伐したのはハーバードであることが知らされた。

 再び、謎の空間が現れて魔王が現れた時、王宮では、異世界から勇者候補を召喚したという噂が流れた。

 クローズ博士は、自室の人一人分しか入れない研究室にこもり研究に明け暮れた。王様に異世界から勇者候補を召喚したのは、どうやったのかを問いただしたら、押し問答が苦手だったのか王様は、クローズ博士に、【異世界アトランダム召喚術式について】という題名の本を半場投げ槍の状態で渡してきた。読めない異世界語であったため、それに奮闘するために調べていくと、小人が作り出したものであるということがわかり、その真実を確かめるために、小人がいるとされる東北東へと足を向けた。


 小人による盛大な歓迎の後に、エルナトと呼ばれる若い少年のような人物であった。そのエルナトの話によれば。緊急対処法として、この本を作ったとしており、まさかこんなくだらないもののために使用させるとは思いもしなかったと。非常に残念そうな顔で語った。

「だが、もし、君が、ハーバードの言葉を信じたるのならば、信じた方がいい。あの魔王は、我々にとっては害ではないと考えているのだ。寧ろ、異世界アトランダム召喚術式は、ほぼ強制的に連れてくるものだが、ハーバードの話した、魔王があの暗闇でいきなり強制的に連れてこられたというのなら、間違いなく似ているに違いない。魔物がいる場所に行ってみるといい。いい収穫があるだろう」

 エルナトの言葉に、クローズ博士はメモを書き残してから翌朝にスモール・スモール・パークを去り、そのまま、北北東へと足を運んだ。

 北北東にいるトカゲ。グリーバスに案内の元、魔物の長が住む城へと案内させられた。木製で出来た大きな扉が開けば魔物の長である。アトリアという人間の女性がいた。

 彼女は、どうやら外見は人間で会っても、既に人間を辞めている状態らしいのだが、クローズ博士は、人間は簡単に辞められるものなのか不思議に調べたいと思ったが、その探求心を殺しつつ本題の、魔王について尋ねた。

「なるほど。確かに魔王には異世界アトランダム召喚術式と似た系統でこちらに呼ばれているらしい。だが、相違点があるとすれば、異世界アトランダム召喚術式は、召喚した術者が帰還呪文を唱えない限り、かの異世界から、来たらしい勇者は召喚を可能とするが、魔王を呼んだものは魔王を討伐しない限り帰還は不可能なんだ。しかも、この世界で死を迎えれば、戻った魔王も死す。それだけなのだよ」

 その言葉にクローズ博士は驚愕した。

 それが真実であれば、私はとんでもないものを見逃したのではないのかと、クローズ博士は考えたのだ。

 魔王が討伐されるのに1年ぐらい時間が掛かるのではないか。というアトリアの言葉にまずは魔王がいる場所へ向かえば、紫色の靄が魔王がいる周辺に発生していて近づくことはできなかった。仕方がなくクローズ博士は、その煙を回収してそれを調べたら特殊な毒ガスであるということが分かった。しかも吸い続ければ、死に至るのではなくモンスターのような見た目になるということも判明しそれにより身体が変化していくということが判明した。すぐさまクローズ博士は、そのことを発表した。

 その時に、異世界から召喚された勇者が魔王を討伐したと風の噂で聞いたが、異世界から来た勇者は、町で起きた問題に着手しなかったことが帰還後に囁[ささや]かれた。


 クローズ博士は、魔王は討伐しなくてはいい人物である。魔王は最大の被害者であると訴えた。だが、耳を傾ける人物は、バブリックの言葉に賛同した勇者たちのみで、他は全然、耳を傾けることなく小石を投げるなどとした行為に及んだ。それでも、クローズ博士は、諦めることはなかった。

「魔王は、救済するべき存在だ。無理やり連れてこられて異世界の勇者に殺されるという残酷な運命に立ち向かう異世界の勇者が現れることを私は願う!」

 各地に宣伝という宣伝を行ったが、遂には危険度20に認定されて、クローズ博士は公開処刑として斬首されてしまった。



『もし、この日誌を読んでいるのが、魔王を救うべく立ち上がった勇者ならば、私のこの手記を頼りに魔王を救ってくれると信じている』


【クローズ】

若かりし頃のクローズ博士のこと


【軍隊】

王宮直属の騎士部隊で、騎士試験を合格した者だけは王宮直属の騎士部隊に入れる。


【危険度】

1から20までの段階があり、そのそれにより軍隊が動いたり動かなかったりする。


1~5:危険ではないが、地域住民は警戒するレベル。

6~10:地域住民は、戦闘に参加しなければならないレベル

10~15:警頭兵の戦闘参加、地域住民は、避難指示レベル。

16~20:王様直々の命令。国に影響を与えかねないレベル。

高ければ高いほど危険度が高い。


【アトリア】

人間をやめた魔物の長。エルナトの知り合い。

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