東の街へ向かう道中
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1月13日修正
誤字を修正。
中央の街と東の街に行く道中にある小屋は、4ケ所あるのだが、俺たちが入った小屋は、中央の街よりの1番最初の小屋である。
この小屋の特徴は、唯一、2階建ての木造建築の小屋だ。1階に台所、風呂、リビング、暖炉などはこれまで通りなのだが、寝室が2階に移動しているという具合だ。さらにコテージ付きでまるで別荘地のようだと思うのだが、俺たちはその答えを持ち合わせていない。詳しい事情を知っているであろうオージさんに訊けばよかったと少しながら後悔した。
小屋の中に入って最初に思ったのは、暖かいである。外の空気とは一変して、丁度いい暖かさというか温もりが残っていた。
近くにある暖炉に行ってみると、少し冷えてはいるが、使われていたであろう痕跡が残っていた。
「誰か使っていたのかな?」
スズカの慰問に、ソフィさんは左手を暖炉の近くに当てるようにかざしながら
「…………そうだね。5時間前誰かが使っていた痕跡があるね。僕も知らない人物だ。オージ達ではないのは確かだけどね」
どうして、そんなことが分かるのかと問う前に
「僕たちの世界のドラゴンは体温を目で計ることが出来るんだ。人間の姿だと左手で計ることが出来るんだよ。人間の姿の特典として付いてくるのが、使った人物なんだ。ドラゴンの姿では、見られない特典として重宝しているよ」
と少し照れ笑いをしつつそう答えた。
どうやら、5時間ほど前に誰かが使用していたらしい。
「2階の部屋割りは左と右で別れているが、ここは男女で分けようか。スズカ、ラーシュ、ドロシーは左の部屋を使うと言い。僕とカズキとキオリは右の部屋を使おう」
寝室の部屋割りもソフィさんの指示で決まった。寝室が2つあったことに驚くしかない。小屋が2階建てだと寝室も増えるものなか? と疑問に思ったぐらいんだのだが…………。
寝室で荷物を置いてから1階に降りて保存樽の中から野菜やらがあったようで
「あたしは、家事も出来るから、リクエストがあればつくるよ」
ドロシーの言葉に、俺たちは少し悩み、ヘルシーな料理を頼んだら笑顔で頷いてくれた。
「そういえば、ドロシーさんは食事って」
「ああ、あたしは、オイルだよ。ジャンジャン族からオイルを貰ってね。1日に1回オイルを入れるの。えーっと、ここ辺りね」
ラーシュの言葉にドロシーは、そう言ってお腹の部分を指し示す。
「1人で入れられる? 手伝おうか?」
スズカは不安そうに尋ねれば、ドロシーは大丈夫と付け加えた後
「1人で入れるようにロボットは訓練しているの。ああ、でも、監視してくれると嬉しいかな。こぼれてないとかそういうを確認しないと、直ぐに引火してしまうからね」
ドロシーの言葉に俺たちは納得して、座る場所は暖炉から離れた場所でというドロシーのリクエストで暖炉から離れた席に座ることになった。
「アルデバランさんに逢ったらえーっと何て言えばいいんだっけ?」
「エルナトさんのことと、魔王のことを知りたいでいいんじゃないのか?
夕食も食べ終えて風呂からも上がり談笑中。スズカの言葉に俺がそう言えば
「平和組の代表としてキオリが言ってくれると僕は助かるな。卒業生代表とか選ばれて全校生徒や先生が見る場面で何を話せばいいか分からん」
「あたしも。途中で頭真っ白になるから困るよね」
カズキの言葉にスズカは同意した。
「そう言うものなのか? ズバっといえば済む話だろ?」
「そのズバっとていうのが出来ないんだよ。あたしとカズキ君はキオリ君の主張に同意するだけで結構役に立っているし」
「…………反対意見があるなら、耳打ちでもいいから俺にいいな。参考ぐらいにはするぞ」
「キオリ君のその言動は羨ましいよ…………」
俺の言葉にスズカは呆れるような感心するような、どちらとも取れない表情でそう言った。
「それじゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ」
「おやすみ」
お休み前の挨拶を済ませて俺たちは寝室に入った。
寝室はベッドが丁度3つある。窓側に近いのと中央、壁際だ。俺は窓側で、カズキは壁際。中央はソフィさんだ。
翌日。
朝食を食べて、奇麗に掃除して火元をちゃんと消したかを確認してから小屋を出て東に向かった。
東の街までの道のりはいたって平凡で、芝生の上をざくざくと歩くのだが、ソフィさんとラーシュは素足なのでチクチクしないのかと尋ねたところ、
「足の掃除も兼ねているから大丈夫だよ」
とソフィさん。
「アタシは、こういうのは慣れているから大丈夫だよ。心配なのは南の街に行く用事があった時に素足は厳しいなってことだよ。行くことが決まったらそれようの靴を買わないと」
と南の街に行ったときの不安を漏らしていた。それにはソフィさんも同意のようだ。
「確かに。それようの魔法があればいいんだけどね。キオリ達も、もし南の街にに向かうなら服装を変えたほうがいいだろうね」
それようの魔法がないようでソフィさんは残念がりながらも、俺たちに服装の変更を申し立てた。
「たしかに、春用の服装だからね。冬用も買わないと」
「だな」
南の街に向かうなら冬服を買うってことが東の街に着く前に決まった。
「おやおやおやぁ~~? 平和組じゃーありませんか!」
と後ろで声が聞こえて振り返ったらピエロがいた。
白い顔に赤い髪と鼻。紫色に塗られた口紅、赤と白の縦じまのシルクハットの帽子とストライブの赤と白の服に紫色のどがった靴を履いた男性がいた。
「ピエロ!?」
「はいはい。ピエロですねぇ~~? そうですぅ。そうですぅ。ピエロで~すねぇ~~?」
ピエロは、妙な言い回しをしつつ
「いやぁ~~? 貴方たちは運がいいですねぇ~~? 運ですよぉ? 幸運とかそういうのですねぇ~?」
「はぁ…………」
スズカとカズキは俺に対応を任せてしまっているので、俺が応答する。ソフィさんとドロシーとラーシュは様子見のようだが…………。
「おや、やる気ない? わーたしと逢えたことが幸運だというのにぃ? 一体なにを言うんですかねぇ~~?」
「へーそうなのか」
棒読みになりつつ俺は返答すれば
「まー。やる気ない? わーたし。凄く悲しいなぁ~~? なぁ~~~?」
両手でしくしくと泣くふりをしながらちらっとこちらを見て泣く。
こういうの苦手なんだよなと思いつつ
「分かったから。で、何のようだ?」
「チャンスですよぉ~~? すこーし贅沢してみませんかぁ~~?」
「遠慮しておきます」
「まー。物欲がないこと! 奥さんそう言うあなたにプレゼントを!」
「女じゃないし、いらないんだが」
「まぁまぁ! 悲しいなぁ~~? わーたし、悲しいなぁ~~~?」
またしても両手で顔を隠しながら泣くフリをしてチラチラと横目を見る。
うざいな…………。
「分かったよ。プレゼントだけ貰うからな」
俺は早々にこいつと離れたい為にそう言えばピエロは
「本当にぃ~~?」
「あ、すみません。気のせいです。俺たち先に急いでるんで」
俺はそう言て先に進む前に
「冗談! 冗談よぉ~~? もぉ~~? わかんないぃ~~?」
「分からなくていいんで。それじゃ」
こいつに構っているのが馬鹿らしくなる。さっさと去ろうとする前に、ピエロは俺の腕を掴んだ。
「やだやだやだやだ! 構ってよぉ~~!!」
「いい加減にしてくれ。俺たちは暇じゃないんだ」
俺は呆れるように言えば、それに納得したのかピエロは俺の腕を放した。
「ちぇ~~。分かりましたよぉ~~~。楽しくないなぁ~~~?」
ピエロはそう言ったのち、その場から突然消えた。
「はぁ…………全く」
俺は呆れつつ、スズカ達と一緒にその場から離れた。
今までまともな連中ばかり遭遇したばかりだったので、ああいう輩もいるのだなと俺は心の中でメモえおいた。
キオリ達が立ち去ったあと。ピエロは地面から這い出た。
「平和組はぁ~~。物欲がないのかぁ~~? だから、たすけられるのかぁ~~? 凄いなぁ~~? まぁ、でも。1つぐらいプレゼントしてもいいよねぇ~~? 僕に逢ったんだからさ」
そう言ってピエロは地面に潜るように消えて行った。
【最初の小屋】
東の街に行く際に1週間近く掛かるのだが、その道中の中央の街よりにあるのが、キオリ達が入った最初の小屋。
他の小屋はも木造の平屋でコテージもないのだが、この小屋だけ2階建てコテージ付きになっている。
【ドラゴン界の温度観察】
ソフィのいるドラゴン界はドラゴン全員に目で温度が分かる能力が備わっている。サーモグラフィのような感じで見える。
人間の姿だと左手でそれを行えるのとその温度によって何時間前に誰が使ったという情報も入ってくる仕組みになっている。
【ピエロ】
一人称は、わーたし。の男性。
希少価値が高く見つけるだけで願いを叶えてくれるとまで噂されている。ピエロの格好をしているのだが、正体は不明。人間ではないのは確か。