指導3 獣人による戦闘訓練
訓練とキオリの回想シーンが中心。
喋らすのにも空気にならないように気を付けてます。
TRPGあるある
壊れないカカシ。
8月31日修正
文章の段落開け
回想の一段下げ。
10月5日修正
後書きの『を【に変更。
文章の一部を変更
獣人。
人間の姿に耳と尻尾などが一般的に知られるのだが、この獣人は手だけが人間でそれ以外が獣いう姿をしていた。二足歩行で、靴は履かず、布のような軽装。膝と胸、肘あたりに鉄製の鎧を着用している。
元々は、人間の姿で耳と尻尾だけだったのだが、環境の変化により、獣に近づいて、最終的に手だけ残ってしまう進化を遂げてしまったらしい。手だけ人間といっても通常の人間の手とは違い、掌は肉球のように柔らかくできており、実際に触らせてもらったがとてもぷにぷにしていた。その、感触が気に入ったのか、スズカは目を輝かせぷにぷに感を満足するまで触っていたぐらいだ。
戦闘民族でもある獣人の手はマメがなく硬くもなく、柔らかくもなくいたって普通なのは、獣人でも謎らしく、今も解明されていない。
もともと領地を200年い一回移動する民族でもあるため、今住んでいる場所は非常に狩り場に適してはいるが、安心はできないのだとう。
さて、昼刻も終わり、俺たちは獣人の案内で王城の中にある戦闘訓練所へと赴いていた。
種類は多々あり、刀、剣、弓、槍、斧、薙刀、棍棒。後は見かけない武器がたくさんある。俺が知っているのは、それだけだ。
「さて、キオリ君はジャスの話によると、戦闘向きとのことだったが、この武器は、好きに使っていいそうだ。ただし、この訓練所からの持ち運びは厳禁だ。自分にしっくりくる武器を選ぶといい。スズカ君もカズキ君も手慣れた武器がいいだろう。戦いには、慣れなくても違和感を抱くことなく、持ちやすいと思う武器が出てくるはずだ。それを元に、鍛冶職人に造らせてくれるそうだ」
猫の獣人のテトさんは、戦闘訓練所で木箱に積まれている武器に指を指しながらそう教えた。
まず、最初にやるのが武器選びだ。えーっと、武器を選んだら奥の扉を開けること。
そう言われた。
武器選びは、武器が人を選ぶのだというのが獣人の言い伝え。その奥から激しい金属音がぶつかる音やら叫びが聞こえた。何言っているかは分からないが、叫んでいるってのは確かだ。
刀を手に取ってみる。俺たちのいる世界にはなじみ深い刀だ。が、あんまりしっくりこない。違和感を覚える。
「引退するまで剣道やっていたから、刀は行けるかと思ったけど、無理だな」
とカズキはそういう。
「あたしは、弓道部やってたけど、あんまり性に合わないみたい。3年間結構頑張ったんだけど」
とスズカはカズキの言葉に同意した。部活動で関連性はあまり当てはまらないのだなと思った。
「キオリくんは、部活やってた?」
「俺は、美術部やっていたよ。主に風景画をね。元々得意じゃなかったし、同じクラスの女子に誘われて入ったんだ。結構楽しかった。やってよかったと思うよ」
夕日に差し掛かる午後4時過ぎ。終業のチャイムは1時間前に鳴っているのにも、関わらず、俺はキャンパスに視線を向けたまま、片付けをしないまま、思うがままに絵を書いていた。
卒業する三ヶ月前の話だ。
俺を誘った女子も、興味ないのと誘ったくせに小声でそう言ってじゃあなんで誘ったのかと問えばそいつは答えることもなかったが、結局彼女も俺も最後の部活動終了する3年間美術部に所属していた。
その日も俺は、彼女と一緒だった。
「ねえ。キオリくん」
そろそろ帰るかというときに、彼女は話しかけた。
「なんだい?」
「無責任なこといって、キオリ君を巻き込んで、美術部に入ったけど、最初こそは乗り切じゃなかったけど、今は夢中になっている。そんな私を、キオリくんは笑ったりする?」
「笑ったりしないね。俺も夢中になったからさ。誘ってくれてありがとうって感謝しているよ」
と俺がそう言えば、彼女は笑った。
「キオリ君らしいね」
その卒業三日前の日に俺は、彼女に卒業式が終わった時に屋上で待っているという事付けをされていた。
長く回想に浸りながらも、俺はじぶんがしっくりくる武器を探していた。
スズカも、カズキも卒業三日前の日に異性から返事を返さなくちゃならないという使命があった。
絶対に生きて帰る。それが今の俺たちの指名だ。途中で投げ出すって事は、しない。
「ん? これが一番しっくりくるな」
数十分調べてしっくりしたのが、サーベルと呼ばれる剣だ。刀の別の名前だ。
半曲刀タイプの刀だったはずだ。
知っているのはそれだけだ。
「俺はこれかな」
カズキは鈍器だ。確か、テレビとかでしか見たことがなかったがモーニングスターだ。
鎖をぶん回して相手に投げる中距離タイプの攻撃をするような気がする。詳しくは知らん。
「あたしはブーメランにしたよ。一番しっくりというかぴったりはまった感じがするし」
木製で造られたブーメランのようだ。
俺たちはそれぞれの武器を手にして奥の部屋へと進んだ。
強くて冷たい風が俺たちの顔を叩きつける。
反射的に目を瞑ってしまったが、すぐに目を開けると、草木で覆われた地面とランダムに並べられた石が半分で分けられていランダムに並べた石には、狭い鉄格子の柵が20cm感覚に並べてあり、そこから冷たい風が引き起こしていた。草木に覆われた地面の方の壁は緑色のネットのような数ミリの正方形の穴が幾つも重なっていた。所々破れているが、何故か外には出ないような仕組みになっているらしく、一人の兵士が投げた槍は壁にぶつかる前に急降下して地面に突き刺さった。
草木方面に幾つかカカシが並べられており、その近くで兵士が訓練していた。
「先ほど、ここの兵士に話を聞いたら、どうやら壁側に風が送り込まれているらしい。どういう仕組みなのかは分からないがな」
と俺たちの疑問が顔に出ていたのか、テトさんはそう言ってから近づき
「ピッタリはまる武器は見つかったか?」
「はい!」
俺たちは武器を見せると、テトさんはなるほどとうなずいた。
「では、カズキ君の武器は中距離型の武器だから、ラーシュに教わるのがいいだろう。ラーシュは槍使いなんだ」
「! カズキ! ヨーデです」
「ヨーデはよろしくって意味だ」
「お、おう。ヨーデな」
ラーシュはカズキの手を引いて奥の誰も使われていないカカシに連れていかれた。
「で、スズカ君は遠距離武器だから、同じブーメラン使いのバーバルと弓使いのリドナイドに教わるといい」
ウサギ獣人のバーバルと狐獣人のリドナイドに何かを話した後、二人は向こうへと向かったので、スズカは、俺に頑張ってねと声を掛けたあと、着いて行った。
「キオリ君は俺が教えよう。俺も近距離のサーベル使いなんだ」
鞘を抜いてそれを見せる。
「奇麗だろう。常に、修理は欠かさずにすれば切れ味もいい。ついでに料理にも使えるから結構便利なんだ」
料理もするのかと感心しつつ、テトさんは真面目な顔つきになったので、俺も気合を入れる。
「利き手はどっちだい? 持ち手の方がやりやすいからな」
俺は基本右利きなので右でサーベルの柄の部分を持つ。
「まずは、馴染むまで、素振りの練習をしようか。最初は両手で。次に利き手の方だ」
基本中の基本と呼ばれている素振りを行う。剣道も野球もやるはずだと思う。詳しくは知らないがな。
10分で両手、5分で利き手の素振りを終えてからテトさんから差し出された水が入ったカップを受け取り一気に飲み込む。
冷たくて気持ちい。
「さて、次は、藁で造られたカカシで思うがままに練習するがいい。このカカシは仕組みは不明だが、壊れることはないから安心して練習してみろ」
と言われて、俺は掛け声をしつつ無防備なカカシに練習をした。
「そうだな。キオリ君は、視野も広いし、どこをどう攻撃するのか、まるで分かっているような行動をしていた。本当に初めてなのかい?」
「はぁ…………はぁ…………はぁ…………そうなんですか?」
「ああ。俺の特訓は厳しいぞ。ガンガン行くから着いてこい!」
「へ!?」
この後無茶苦茶戦闘しました。
猫の獣人。テトさんは戦闘狂であることが分かって、カズキとスズカから、大丈夫かと心配されるほど、俺は非常にバテていたらしい。休憩を挟んだどうかえ忘れた。明日は筋肉だなと俺はひそかに思ったのだ
【獣鱗界】
じゅうろこと読む。
獣、犬などの羽毛系と鱗、ドラゴンとかトカゲとかの種族などが共存している世界で、住んでいる地域は割と危険な地域。
1話でも紹介したが。200年周期で住む場所を移動している為、どれだけ危険地域であろうとも住み続けなければならない。
最初は人間の姿で耳と尻尾が生えていた状態だったが時代の流れにより、手以外は毛に覆われている。
ドラゴンなどの鱗系も同様。
手は肉球で非常に柔らかくぷにぷにしている。戦闘に長けているのに掌がゴツゴツしていないのは、獣人の謎にもなっている。
【彼女】
キオリの回想に出て来た女の子。
キオリと同学年で卒業式3日前にキオリを呼び出した張本人。
名前は今の所明かすつもりはない。根は真面目で生徒会長をしていた。
【戦闘訓練所】
武器が仕舞われている場所の部屋と訓練所の部屋がある。訓練所は正方形の石が壁に埋まっており、隙間に鉄格子の柵がある。床はランダムに並べられた石が近くに長方形の座椅子が壁際に30cm感覚に並べてある。一時期の休憩所で20cm先は草木が30m先までぎっしり埋まっており、緑色のネットが張り巡らされている。どういう仕組みかは不明だが壁に風が流れる様に仕込まれているが目視で確認できない。10cm感覚に均等に藁で造られたカカシがあるが、これもどういう仕組みか壊れることは一切ないし、炎上したりもしない。
なおこの異世界は、扇風機やエアコンなどの機械は存在しない。