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疑問の答えを知るために

少しダーク系になってますけど、最終的には明るい話で終わります。


1月27日修正

誤字を修正。

『洞窟が発生する際に、クローズ博士曰、王宮側が行う召喚方法とほぼ類似していることが判明したのだが、王宮や世論はそれを受け付けなかった』


 とノートの方に書いたところで、俺は唸った。

 俺たちは【洞窟の発生について】に書かれた本と、【異世界アトランダム召喚術式のやり方】と書かれている本も借りて、俺が寝泊まりしている部屋に預けることになった。洞窟が何故出現するのかさえ解明とまではいかないが、魔王が洞窟の発生時に異世界アトランダム召喚術式とほぼ同じで逃げられないようになっていたとすれば、それこそ大問題に発生する。それが大昔からとなると、世界の問題だと思うようになった。だが、それに何故疑問に持たないのかを疑問に思ってしまった。

 【異世界アトランダム召喚術式】も日本語で書かれていたのだが、誰も手が付いていない状態だった。埃が被っていたし、汚れていたりもしたが、所々で掠れて読めないということは無かったのだが、1ページ毎にくっついているので、慎重にはがしつつ読み取ることが出来る状態だったのには、安堵したのだが、剥がす作業には、神経を使ったし、冷や汗が出た。


『異世界アトランダム召喚術式は、勇者候補となる人物を自動的に選び抜き、その人物の足元に術式を展開し、自動追尾を行い、術式から逃げきったとしても、術者の元へ移召喚しない限り、術式を解除するのは皆無と言ってもいい。これを解除できるのは異世界アトランダム召喚術式を行った人物のみで帰還できるのも異世界アトランダム召喚術式を行った人物のみである。たとえその人物を殺したとしたら生還は皆無に等しい』


 異世界アトランダム召喚術式の闇をみたような気がするのは、気のせいだろうか。術式に詳しい魔術師でさえ、解除は出来ないと言っているようなものだ。解除出来たとしても、影響が出るのかと思いつつ俺は、続きを読む。


『もし、異世界アトランダム召喚術式を強制的に解除した場合、解除した本人を事故、事件のどちらかのに巻き込まれて死亡してしまうことが確定される』


 一気に物騒になったなと俺は思った。今日も訪れていたスズカとカズキにそれを見せれば、2人とも顔を青ざめた。

「これと、同じ様なものがあの洞窟に発生するってこと? 洞窟の正体って一体なんなの…………?」

 スズカの言葉に俺とカズキは頷きつつ、カズキは次のページをめくった。


『異世界アトランダム召喚術式が使用される前後には、洞窟発生時と同じ様な災害が発生するが、主に被害が出るのは王宮のみと明確な違いがある。クローズ博士はそれに気づいて研究していた』


 新事実の発覚である。もし、これが事実ならば、どうやらクローズ博士は、洞窟と異世界アトランダム召喚術式で呼び出される魔王と勇者は被害者なのではという結論に至ったようでそれを論文として発表。しかし、王宮側も街の住民も信じてもらえなかったがゆえに公開処刑されているようだ。真実を確かめるべく小人がいるところへ向かいたいところだ。


「別に構わないわよ」

 平和組だけで、小人に会いたいと勇者一行の中で最年長のエルフのリドさんに尋ねてみれば、あっさりと許可が下りたことに俺たち3人は、放心状態になりかけた。

「え、いいんですか?」

「ええ。王宮側が貴方たちに報酬を渡すつもりなのよ。ビーデルを人間に戻すことが出来たのだから、その報酬としてね。小人に会いたいのなら、王宮側は直ぐに許可を出すと思うけど」

 と言われた。詳しいことは王様に訊けということか。

 ということで、王様にあって小人がいる東北東へ向かいたいと説明すると

「いいだろう。逆行を行く者たちよ。既に道が記されている。機関に準ずる者も連れて行け」

 と言ってきた。うん。相変わらず意味が分からない。

 側近の男性は咳払いしてから

「そうですね…………。平和組が小人のいる場所へ向かうことを許可しますが、王宮の者を1人ほど同行させますが、それでいいですか?」

 と尋ねた。翻訳お疲れ様ですと心の中で呟き

「あ、はい。行けるのなら」

 と返事をした。


 王宮の者として選ばれたのは、ペーパーという見た目が40歳前後の女性だ。

「初めまして、平和の勇者候補様。私はペーパーと申します。小人がいる東北東へ向かうということですが、場所は、ご存じでしょうか? 良ければ説明いたしますよ」

「あ、お願いします」

 よく聞く音声案内と似たような口調をしているペーパーさんに小人のいる場所を教えてもらえることになった。

「おほん…………。では、説明いたしますね。北北東より東の方面が東北東です。自然豊かで、1年中穏やかな気温を常に維持していますので、乾燥すること自体は少ないので、他の街からの観光客からも良く訪れる場所となっておりとても有名です。ですが、その観光客でさえ小人が住んでいる場所すら分からないほど、複雑な構成になっておりますので、平和の勇者候補様でも迷子になる可能性は十分に高いので、何度も訪れて土地勘もある、私が案内役を任さることとなりました」

 咳払いを口に出していったのは、ツッコミは入れたくないので、しないが、なるほど………。小人のところまで案内役がいるのか…………と納得していると

「準備が整い次第、いつでも出発できますがどうしますか?」

 ペーパーさんの問いに、少しだけ時間を貰い、俺の部屋から【洞窟の発生について】と【異世界アトランダム召喚術式のやり方】の本を持って、それを四次元麻袋に仕舞い込んだ。2冊とも結構な量のページ数なのだが、四次元麻袋はそれを気にしない。不思議がある。

 俺がペーパーさんの所に戻ればカズキもスズカも既に準備は終えていたようだ。

「集まりましたね。では、こちらに寄ってください」

 とペーパーさんに言われてペーパーさんの近くに寄れば、周りが光り出した。

「え!?」

「この世界の転移魔術です。酔いますので、私の服でも掴んでいて目を瞑ってください」

 服を掴むのはちょっとと思い俺は、スズカの左手とカズキの右手を握れば、カズキは左手をペーパーさんの服の裾を掴み、スズカの右手はペーパーさんの手を握ることになった。

「では、移動をします」

 全員が目を瞑ったのを確認したのち、足元がぐらっと捻じ曲がるような感覚がした。テレビでよくあるぐにゃ~となったあの感じだ。アレは観るだけで酔うから、その時だけは目を逸らすようにしているか、興味がない内容だったら、別の番組に切り替えるかだ。

 そんな思考回路しているうちに、地面が漸く平になった感覚がしてきて

「つきましたよ。目を開けてください」

 と言われて目を開けると、そこに広がっていたのは、森林のど真ん中ではなく、小屋のようだ。

「え、小屋?」

 スズカの言葉にペーパーさんは頷く。

「はい。転移魔術で指定した場所に移動できる場所で、ここは王宮が認定した転移場所なんです。それに、外を見てください」

 と言われて窓の外を見ると、辺り一面、暗い場所のようだ。太陽の光が届いていないのだろうとか疑問を感じていれば、ペーパーさん

「転移魔術は時間を消費しますので、夕方出発だったのが夜になってますね。一晩此処で休んだ後、明日ぐらいには出発しますけど、いいですか?」

「夜なんだ…………結構暗いんだな」

「そうですね。小人は夜行性なので、少しでも明るいと、混乱してしまうのです。ですから、灯は、今ココを照らしている松明のみです。えーっと、飲み物は…………ああ、ありましたね。果実系しかありませんでしたが、それでいいですか? 苦いのと甘いの2種類ありますけど」

 ペーパーさんの言葉に納得しながらも、俺たちは窓から離れて飲み物を選ぶことにした。

【異世界アトランダム召喚術式のやり方】

異世界アトランダム召喚術式のやり方について書かれてある。全2300ページ。


【ペーパー】

見た目が40歳前後の女性だが、実際は43歳。

道案内のアナウンスのような声音をしているという。

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