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異世界に召喚された勇者候補達が魔王を討伐する物語【修正中】  作者: 華鳩羽
異世界への転移と修行まで
3/177

指導2 妖精による念話の教え

次の訓練は念話。

念話は妖精界ならでは可能なもの。訓練すれば人並に出来る者であり、得意不得意が激しく分かれる。

念話の会話は、〈〉で統一します。


8月31日 修正

文章の段落開け


10月03日 修正

誤字を修正と文章の追加


10月5日 修正

後書きの『を【に変更。

 魔法の回復術式を習得して3日後の今日は、妖精たちによる念話というのを教えてもらうこととなった。

 平和組でも出来るのかという疑問があったのだが、平和組でも、コツを掴めば可能は可能らしいが、才能によりけりな上に難しいこともあるため、平和組のうち誰かが覚えれば、携帯電話でいうところのアンテナ代わりになり、受信、送信が他二人でも可能なのだとか。


 場所は、魔術の時と同じ中庭。

 妖精の年長者のジャスさん曰、障害物が多いと関係ないものまで聞き取ってしまうのだとか。

「妖精ってもっと小さいのかと思ったけど、以外と大きいのね」

 とスズカがそう言えば、ジャスさんは笑ってから

「平和組の世界は妖精は小さいのかね?」

「掌サイズのイメージなんだよ」

「掌…………ああ、なるほど。異世界によって妖精のサイズは結構食い違っていてね。この世界の妖精像が人間より少し大きい10頭身なのさ。わしら妖精はその創造によって姿かたちも異なっているのだよ」

 ジャスはそう付け加えた。


 妖精では最年長のジャスは男性で。特殊な加工を施してある透けている服を着ているこれは男女共通のようで、ズボンかスカートかの違いがある。一応触らせてもらったが布のような生地で造られているようだと思った。触った感触は布のような感触。実際は知らん。

 クータンさんは、他の妖精より髪が長くポニーテールにしているが男性だ。名前が可愛らしいのを気にしているらしく、通訳のジャスさんはなんとか励まそうとしていた。

 唯一女性であるディーネさんは、クータンさんを何とか元気付けようと異世界語で何かを言ったりしていたがクータンさんの反応がなかなか回復しなかった。


 数分ぐらいして、クータンさんが、ようやく立ち直ったので、ジャスさんは咳払いをしてから念話のメリットとデメリットを教えてくれた。メリットは先ほど冒頭で説明した通りのことなのだが、デメリットはというと

「念話というのは、平和組の世界でいう心の声なんだ。だから、他人が思っていることを練習しないと受信してしまうんだ。訓練すれば、なんとかなるが、慣れないと気が病んでしまうからね。気を付けた方がいい」

「受信してしまった場合は、どうすればいいですか?」

「すぐに切って深呼吸をするといい。たまに邪念が入る場合があるんだ。近くに水辺があるなら顔を洗うなり。相談するといいだろう」

 カズキの質問にジャスさんは、真剣なまなざしでそう答え、すぐに明るい笑みを浮かべた。

「さて、では、平和組の諸君。目を瞑って、まずは瞑想とやらをしようか。初めて念話をするからには、瞑想をするのが妖精界の習わしでね」

 と言われてその通りに俺たちは目を閉じた。

 風の揺れる草木の音、どこからか遠くに聞こえる言い争いの声などが鮮明に聞こえてくる。

「雑音は気にしなくていい。それも瞑想の一つだ。心を落ち着かせるのには、丁度いいものさ。さて、そのままでいいから聞いてくれ。念話の受信は頭に響くんだ。平和組の世界では、女神が直接話しかけてくるが、姿が見えないっていうアニメ? だったかな? それが流行っているのだろう? そういうのだと思ってくれ」

 そういえば、召喚されたその日に、どんな世界かを説明するために、いろいろと説明したんだが、カズキがアニメ好きでその話題も一応教えていたんだよな…………。

「じゃあ、今から適当な単語を送信するぞ。聞こえたら目を開けて書いてくれ。一応10の単語を送信するぞ」


〈……………………………………………………………………………………〉


「はい、目を開けて書いてくれ」

 目を開けてから瞬きを数度繰り返し、ペンを持って紙に書くのだが、どうやら俺は受信すら出来ないタイプのようだ…………。

「スズカは3単語だけか。ふむふむ。カズキは全部か。キオリは聞こえないか。じゃあ、この中だとカズキが電波塔の役割でいいかい? キオリは今度は送信側をやってみてくれ。そうだな…………。この単語を言って欲しい。3人で送信するから、心の声で頼むぞ」

 ジャスさんに渡された紙を心の声で呼んでいく。

 えーっと


〈ジェミ、ユンス、コルキ、カーロ、コンソ、キュルリック〉


「えっと言い終えました」

 何の単語が一切分からなかったがな。

 ジャスさんは首を傾げて、クータンさんとディーネさんと何かを会話したのち

「送信も出来ないようだ」

 と言われて少しショックだ。ガーンという音が頭の中に響いたと思う。

「妖精界でも念話出来ない人物はいるにはいるんだ。希少価値が高くてね。だが、その場合戦闘面だと多方面な力を発揮するから、キオリはそのタイプだろう」

「キオリくんは前衛タイプってこと?」

 スズカの言葉にジャスさんは強く頷いた。

「ああ。これの次が戦闘面のやつだったはずだ。そこで、いろいろと試すと良いだろう。さて、スズカ。君も送信をしてみようか」


 結果。

 スズカは送信タイプ、カズキは受信タイプということが分かった。

 俺は戦闘方面タイプだ。回復魔術も完璧に出来るようにしないとな。と新たな決意を胸に抱きつつ

「妖精界では戦闘するって言ってましたけど、どういうのがあるんです?」

 と俺は疑問に思ったことを口にすれば、ジャスさんは

「魔術師と変わらないと思うが魔法の類だな。基本、緊急時以外の戦闘は控えているんだ。妖精界では、争いごとが嫌いなんでね。会話で解決したりするんだ」

 と苦笑いで答えた。

「緊急時というと?」

「盗賊や山賊などの賊と争う時とか、山火事が発生する時に他の妖精が暴れるからそれを抑えたりとかだ」

「盗賊とかいるんだ…………」

「平和組世界でいう外国人? がその盗賊だ。盗賊型の妖精なんだ」

 妖精でも盗賊はいる。盗賊も妖精だが…………。


 昼を告げる鐘が鳴ったところで、解散した。午後から獣人による戦闘だ。体力をつけておかないとな。

 ツンツンとつつかれて振り返るとクータンさんが身振り手振りをした後に、一枚の紙を渡した。

 右手首に左手人差し指でとんとんと4回叩いた後に開くような手振りをした後、先に進んでいたジャスさんの所へ走って行った。

 良く分からないが、終わってから紙を開けってことでいいのか? と考えたのは、悪くないと思いたい。


「昼は何だろうな~~。俺、この前食べた、あのパンのやつ食べたい」

「ああ、サンドイッチみたいなやつだろ? あれ美味しいよな」

「カズキくんはそういうのカンタンな料理とか目を輝かせているよね。そういうの好きなの?」

 いつもの通り道。俺たちはいつものように会話を交わす。

「片手で食べられる奴が好きだな。おにぎりとか。受験の時はお世話になったぜ…………」

「受験かー懐かしいな。まだ一週間も経っていないっていうのに」

 スズカの言葉に俺とカズキは懐かしく思えた。

「でもさ、元に帰れるとはいえ、一年後だったらどうするよ?」

 とカズキが言ったところで俺たちは考えてしまう。

 俺たちのいた世界は一体どうなってんだろう? 時間は経過しているのか? そしたら俺たちはどうなるんだ? 

 なんて、考える。

「ま、考えても仕方ないよね。今は魔王討伐しなくちゃあならないし」

「そうだな。今は目の前のことを考えよう。懐かしむのは帰ってからだな」

「ああ」

 そうこう話しているうちに応接室に着いた。さて、昼は何かな。

 俺たちは応接室の扉を開けた。



 帰りたい気持ちはあるが、目の前の事柄を終わらせるとしよう。怖がっても誰も助けてくれないからな。それがこの世界の理なんだろう。

【妖精界】

妖精が住む世界のこと。異世界に行くたびに身体が変動することがあるが、それ以外は普通である。

妖精界の年齢は平和組がいる世界の年齢でいうと成人が6歳前後。


【念話】

受信送信のこと女神がよく人間に話しかける際はこれを使用していると妖精界では思われている。

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