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異世界に召喚された勇者候補達が魔王を討伐する物語【修正中】  作者: 華鳩羽
異世界への転移と修行まで
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指導1 魔術師による魔術講座

魔術はイメージで反映しているんじゃないかと思います。

あとがきは、今回出て来た用語


Q:アレクロさんが持っていた杖って?

A:松葉杖のようなもの。アレクロは、とある魔法のトラブルで足を負傷。損傷がひどく回復魔法では治せるレベルではなかった。


Q:魔術師の年齢は?

A:パドラー→アレクロ→デラミラの順。デラミラの方が若いが100歳越えなのは確定している。


Q:魔術師が杖を持った時の違いは?

A:利き手が右か左かってだけ。デラミラは左利きだったので左手で持っているというだけ。


8月31日修正

後書きの誤字修正

文章の段落開け


9月13日修正

魔物→モンスターに変更


 魔王討伐までは、一年間以内に討伐すればいいらしい。

 歴代の王様が残した本によれば、魔王が動き出すのは、現れてから一ヶ月後。何故一ヶ月後なのかの詳細について詳しく書かれていなく、一年以内に倒せば、住民も安心して過ごせるのだとか。

 もちろん、急激に一年内に動き出す可能性もあるのだが、凶暴化した中でも、元々人間との交流関係にある人間大好き系魔物の話によると、魔王が動き出すのは、人間でいうところの1年後ということを教えてくれた為、それを信じることしたという。

 この世界の人間大好き系魔物と人間は共存する代わりに約束があり、その内の一つである『嘘はつかない』という条約と条件が二百年前からあるので、絶対に嘘はつかない、というかつけないのだ。

 ちなみにだが、敗北した魔王は魔物しかいない世界に退散するという行動をとっており、唯一会話が成立した魔王の話だと、この世界と魔物が住む世界を繋ぐ謎の空間の留まる期間が一年しかない為、一年以上は滞在しないスタンスをとっているといことが分かっていた。

 観光だろうかと思ったはここだけの話だ。

 というわけで、わりかし魔王討伐に有効期間があることが分かった勇者資格のある御一行は、平和組といつの間にか呼ばれているキオリ達に、一ヶ月間だけ、この世界のモンスターの討伐方法などを教えてくれることとなった。


 まず教えてくれるのは魔術師たちだ。

 場所は王宮の中にある庭。広さは十三㎡だと思う。目測ってやつだが、反対側の壁際が見えないので、結構広いと思う。スズカは、小声で広い…………と呟ていたし、カズキは遠くを眺める仕草をしていた。それぐらい広いのだ。その中庭にある白い木製の椅子に俺たちは座り、反側にも同じ白い木製長椅子に魔術師たちは座った。

「左から、アレクロとデラミラだ。俺はパドラーだ。よろしくな」

 魔術師の中では最年長である、彫り深くて顔が濃い男性がパドラーさんだ。見た目は二十代にしか見えない。

 年季の入った木で造られた長杖を左手に持っている爽やかな男性がアレクロさん。左手で握手を求められたので俺たちも握手を返した。

 魔術師の中で唯一女性であるデラミラさんは、近所で見かける、朗らかなお母さん体系をしている。アレクロさんとパドラーさんがUネック黒シャツと薄黒いグローブなのに対して。デラミラさんはハイネックのAラインワンピースのようだ。

「魔術界の服装はこれが主流なんだ」

 と顔に出ていたのか、パドラーさんは苦笑いしつつ付け加えた。


「さて、平和組は基礎の魔術を覚えてもらって、そこから治癒などを教えようかね。まずは、術式を覚えてもらおうか」

 パドラーさんはそう言ってから、他二人に異世界語で話しをした後、3人同時に魔術の紋様が空に浮かびそこから杖が出て来てそれを持つとパドラーさんとアレクロさんは右手、デラミラさんは左手に杖を構える。

「あ、今のは覚えなくていいぞ。複雑だからな」

 とパドラーさんは付け加えた。

 なんでも、今行ったのは、結構複雑な術式であるらしく、習得に二十年以上費やす必要があるのだ。それに加えて難易度も高く、基本は荷物の所に入れるのが主流で、召喚術式として使えるのはわずか片手の数ほど。今回は偶々召喚術式が使える者が転移されたようである。

 この中庭に来る前に、適当な木の枝をもってきてくれと言われて、道端に落ちていた木の枝を持ってきたのだが、3人はそれを杖で振りかざすと、それぞれ違う形の杖に変わっていた。煙とかではなく、光るわけでもなく瞬きした瞬間に変わるのだから不思議なことである。

「しっくりくるものが、お前たち専用の杖だ」

 とパドラーさんがそう言うので、実際に手を取って確かめて、一番馴染みやすかった杖を手に取った。

 スズカ専用の杖は、持ち手がライムグリーンの先端が少し尖っている持ち手部分の後ろに透明の丸い楕円形系の球体なのが特徴だ。

 カズキ専用の杖は、先端がクエスチョンマークの曲がっている部分で、持ち手がライム。後ろは何かの毛並みの様なふさふさが人差し指ぐらいの長さまであるのが特徴だ。

 キオリ専用の杖は、スズカやカズキより少し長く、若干錘のあるような感覚がするほど重く、持ち手ライトイエローで先端も筒状だ。

 パドラーさんたちは俺たちが杖選びをしているとき母性のような視線を送っていたのだが気のせいだろう。


 さて、杖選びも終えて、基本の術を教えることとなった。四代魔法とも言われる。火、風、地、水のうち、一番簡単な水の出し方を教わることになった。

「水は簡単だぞ。水をイメージして、イメージしたまま杖を振りかざせばいいんだ。勢いがあるのは、ダメだからな。チョロチョロ出ている感じで頼む」

 い、イメージときたか。本格的な魔術の術式から学ぶと思ったんだが…………

「え。こう術式のようなものじゃないの!?」

 とキオリと同じ感想を抱いたスズカは驚愕した。

「術式回路のことか? もちろんそれも教えるが、まずはそれを必要としないトレーニングからだ。トレーニングをしてから、回復術式を教える」

 とパドラーさんは説明した。スズカは、それで納得したのか反論はなかった。


 と、まぁ。こんな感じで、火、風、土と教わった。

 それぞれの得意分野も分かったところで、術式の勉強だ。

「術式の書き方は、まずは紙で書くんだ。慣れたら空中で書いてもいい。左回りに一周する感じで書くんだ」

 白紙に羽ペンで書くのが魔術界の主流なのでそれに従って書くことに。

ちなみに白紙と羽ペンは王宮側が用意してくれた。至り着くせりであることに平和組は心から感謝した。

 術式書き方は、象形文字より複雑でデタラメに書くと別のものが現れるなんてことはよくあることらしいので、キオリたちはそれらを覚えることなった。

 特に頭を抱えていたカズキは、アレクロさんによる指導で既にギブアップ寸前だった。元々読書感想文が書けないタイプのようで、これも似たようなものだと感じ取ったようだ。

 逆に直ぐに書きなれていたスズカは、デラミラさんによる指導もよかったのか直ぐに書きなれていた。物覚えがいいようだ。キオリは四苦八苦していて何とか術式を書きなれた。

 それにプラスするように、健康体をイメージして術式を書いてと難易度が若干上がったような気がする。これには、スズカもギブアップのようだった。


 夕刻の知らせを教えられた時、俺たちは机に項垂れた。

「アニメとかで魔法には憧れていたけど、実際に複雑なんだね…………」

「俺、よく覚えたよ…………」

「結構疲れるんだなこれ…………」

 上から、スズカ、カズキ、キオリでうなだれる様に感想を漏らした。

「ははは。お疲れ様。お昼休憩も挟んで10時間以上は勉学に充てていたからね。疲れるのは当たり前だ。今日はこれで終いにしよう。明日の朝。朝食を食べて2時間後に勉学を開始しようか」

「はーい…………」

 三人同時に喋ったが、疲れが混じった返事だ。

 パドラーさんたちは手を振って中庭から出て行って俺たちも数分して中庭から出て行った。

「トイレ休憩だったり昼食食べたりした時間もあったけど、パドラーさんたちは疲れていなかったね」

「魔術界だと、あれぐらい疲労は慣れているんじゃないか? 一般市民の依頼もこなしているって初日に話していたしさ」

「あー…………。それはそうかもな」

 カズキは背伸びをした後、何かを思い出したかのように口を開いた。

「そういえば、他の人もそうだったけど、俺たち平和組が結構珍しがられたよな? え? 平和すぎる世界から来たんですか!? みたいな顔をしていたし。それに他は結構対応が分かっていたみたいだしさ」

 と言えば、キオリもスズカも頷いた。

 キオリたちの言葉を通訳してくれた女兵士が俺たちの言葉は分かったのは物語上で登場していたからだと教えてくれたのを思い出した。

「まさか、だと思うけど、あたしたちがあっちからしたらアニメのキャラとか?」

「はは、まさか」

とスズカの言葉にカズキは笑って否定したのち応接室に着いて話は終わった。



 どうやらこの異世界では、平穏という平穏がないため、俺たちがいる地球を題材した物語があることを知ったのは、その会話をしていた一年後の魔王討伐に成功した時だったのは言うまでもない。

【魔術界】

パドラー達が住む異世界のこと。時計の概念がないため、鐘鳴らし師という職業がある。


【術式回路】

その術に適用した回路のこと


【杖の召喚方法】

収納魔法と杖魔法の他、粒子分解の術式を同時に展開しなければならなく、粒子分解から粒子吸収創造過程が必要で、それらを2秒間以内に行わなければならない為、魔術界では高難易度の指定魔術として認定されているし、資格のようなもの。


【術式】

RPGでよくあるような術式。左から反時計回り書くのが主流。文字は象形文字を複雑にした感じだとキオリは思っている。


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