その後日談。
気づいたらキオリは、道路にうつ伏せの状態で倒れていた。上半身を起こしてから立ち上がってからある疑問が生まれた。
「なんで、俺は倒れていたんだ?」
高校卒業する三日前の日に三年生は、早めの下校がキオリが通っている学校での習わしで、その日もキオリは、同級生たちに別れを告げた後に普通に帰宅していたはずで倒れたという記憶は持ち合わせていなかった。
キオリは、左手で顔全体を触ってみたものの触診で分かるなら、医者いらずだと思い至り、鞄の中にある携帯を取り出して時間を見れば、学校を出てからさほど経っていなかったことに何故か安堵をしたのだが、何故、安堵したのかキオリは全く覚えていなかった。
その後、何事もなく帰宅してダイニングテーブルに置いてある手鏡で手に取って顔を見れば鼻や顎などは無傷だったのだが額の部分が少し擦り傷程度に赤くなっているのを発見した。触診した際に額に触れていなかったと思い手鏡を元の場所に戻してから救急箱がある膝ぐらいの高さがある戸棚のところへ行き、その上に置いてある茶色と赤の十のマークがある目的の救急箱を開けてから消毒液を取り出して、蓋を開けつつ、ティッシュを何重にも重ねてからその上に消毒液を数滴ほど垂らし額に軽く付けた。
「~~~ッ」
直ぐに広がる痛みに悶絶しつつ消毒液の蓋を閉めて消毒液を元にあった場所に直し救急箱の蓋を閉めた。