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情報交換
偶然、屋敷の外に出たスズカは、何とも言えない表情のまま外にあると思われる訓練所に向かう前に声を掛けた。
「ッ! 誰ッ!?」
驚愕の表情をしてから険しい顔つきになり懐から小型のナイフを取り出し、それを俺に向けた。
姿形だけで違うってだけで、こうも警戒されるものなのかと思いつつ
「スズカ! 姿や外見はまるっきり違うがキオリだ」
敵意を無くして欲しいという一心で俺がそう言えば、
「………………え? キオリくん?」
素っ頓狂な少し間抜け面をさらしているスズカの言葉に俺は無言で頷けば、スズカは、手に持っていた小型のナイフを懐に直してから安堵の表情を浮かべた。
「キオリくんよかった。でも! 突然話しかけるのはどうかと思うよ!」
と怒った表情を見せた。
「あー……すまん。突然話しかけて悪かった。だが、俺としても中の状況を知りたいんだ。スズカ、俺の身体はどうなっているんだ?」