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資料探し
外族と感動の再会を果たした俺は、いつまでもはしゃいでいる外族のニャルラトホテプさんに尋ねた。
「ニャルラトホテプさん。メル・マグの管理図書の地下空洞が何故復活しているんだ?」
俺は呆れながら真面目な口調でそう言えば、ニャルラトホテプさんは笑顔のまま
「うん。そのことなんだけど、あなたが探しものがここしかないの。この異空間に。でも安心してまたあなた以外の人物の記憶からは消去されるから」
と少し得意げになりつつ胸を張るようにそう言った。
いや、安心しろと言われても……。
「魔族と天族と仲良くなったんじゃないのか?」
「仲良く? …………まぁ、昔に比べたら親しくしている方だね。素面だと話にならないから、この姿で接するぐらいには仲良くなっているよ。いずれ本来の姿で接するというのが目標だね。でも、問題はそこじゃないの。メル・マグ管理図書の地下空洞の存在を認知しているのは、私たちとキオリくんだけ。メル・マグの管理者が言っていたでしょ? そんなものはないと。